不動産用語集 - 不動産業務に役立つ基礎知識
都市・開発・インフラ用語

浸水被害防止区域

読み: しんすいひがいぼうしくいき

洪水や雨水によって住民等の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがあるとして指定された区域。原則として、流域水害対策計画において床上浸水(水深50cm以上)が想定される区域が対象となる。浸水被害防止区域に指定されると、一定の開発・建築について制限がある。特定都市河川浸水被害対策法に基づく制度で、区域の指定は、都道府県知事等が行なう。

 浸水被害防止区域内の行為制限は、次のとおりである。

 (1)開発行為の制限

予定建築物が要配慮者施設など一定の用途である開発行為をしようとする者は、あらかじめ都道府県知事等の許可が必要である。許可を得るためには、崖面の保護など浸水が発生した場合における土地の安全上必要な措置を講じなければならない。

 (2)建物用途の制限

建物用途が、非自己居住用住宅、要配慮者施設(要配慮者が利用する社会福祉施設、学校、医療施設等)、市町村が条例で定める円滑な避難が期待できない施設である場合には、建築しようとする者は、あらかじめ都道府県知事等の許可が必要である。許可を得るためには、想定洪水等に対して安全な構造で、かつ、居室の床面の高さが基準水位以上でなければならない。

 なお、宅地建物取引業者は、取引や取引の代理・媒介に当たって、浸水被害防止区域に関する制限について重要事項として説明しなければならない。