開発計画
かいはつけいかく
狭義には開発許可の申請に当たって必要となる計画を、広義には不動産開発事業の計画をいう。
不動産開発事業を行なおうとする場合には、都市計画法による開発許可を得なければならない。その申請に当たっては、(1)開発区域の位置、区域及び規模、(2)予定される建築物又は特定工作物の用途、(3)開発行為に関する設計、(4)工事施行者、(5)設計の方針、土地利用や公共施設の整備計画、資金計画等を明確にした申請図書が必要であるが、これらを示す図書が開発計画である。この計画によって、都市計画への適合、宅地造成の安全性、環境の保全、公共公益施設との調和などが判断される。
広い意味では、不動産開発事業の計画も開発計画である。その内容は、(1)市場調査などによる需要予測、(2)開発予定地の自然的、社会的な条件の調査とその明確化、(3)事業手法の確定、(4)用地買収および工事の計画、(5)資金計画、(6)開発地の利便や魅力の向上策、(7)価格設定および販売計画など多岐にわたる。開発許可申請の際に必要な要素に加えて、事業の採算を確保するための計画が重要となる。このような計画は、開発事業のスケジュール、コスト、リスク、宅地や建物の品質を管理する基礎となる。
都市計画法
計画的なまちづくりの推進を目的として、昭和43年に制定された法律。
基本的な仕組みは、まちづくりを行なう区域を「都市計画区域」に指定し、その都市計画区域の中においてさまざまな区域・地域・地区を指定し、都市施設の整備や市街地開発事業の推進を図る、というもの。
開発許可
都市計画法第29条の規定により、宅地造成等を行なう際に必要とされる許可のこと。
1)趣旨
都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、開発許可の制度を設けている。一定規模以上の開発を行なうためには、知事(指定都市等では市長)より開発許可を取得する必要がある。
2)開発許可の概要
ア)許可の対象は「開発行為」である。
イ)開発行為を行なおうとする者は、開発行為に着手する前に知事(指定都市等では市長)の許可を受ける必要がある(都市計画法第29条)。
ウ)一定の開発行為については、開発許可を受ける必要がない。
エ)知事等が開発許可を与えるか否かを審査する基準には、全国どこでも適用される全般的許可基準と、市街化調整区域内の基準がある(都市計画法第33条、第34条)。
3)開発行為
開発許可の対象は「開発行為」である。開発行為とは「建築物の建築または特定工作物の建設のために土地の区画形質を変更すること」である(詳しくは「特定工作物」「土地の区画形質の変更」を参照)。また、そもそも開発行為の定義に該当しない行為は、開発許可を受けなくてよい。例えば1ha未満のテニスコートの建設のため土地造成をすることは開発行為に該当しないので、開発許可を受けなくてよい。
4)開発許可を受ける必要がない開発行為
すべての開発行為について開発許可が要求されるのではなく、次のような一定の開発行為は開発許可を受けないで行なうことができる。
a)一定の面積に達しない開発行為は開発許可が不要(都市計画法第29条第1項第1号、施行令第19条)。「一定の面積に達しない開発行為」とは、東京都の特別区・既成市街地・近郊整備地帯などで行なう500平方メートル未満の開発行為、市街化区域で行なう1,000平方メートル未満の開発行為、区域区分が定められていない都市計画区域で行なう3,000平方メートル未満の開発行為、準都市計画区域で行なう3,000平方メートル未満の開発行為をさす(施行令第19条)。ただしこれらの面積は都道府県・指定都市等の規則で「300平方メートル未満」にまで引き下げることができる。
b)市街化調整区域・区域区分が定められていない都市計画区域・準都市計画区域における、農林漁業者の住宅を建築するための開発行為や農林漁業用の建築物を建築するための開発行為には開発許可が不要(第29条第1項第2号、施行令第20条)。農林漁業用の建築物については施行令第21条に列記されており、具体的には、農林漁業の生産施設、集荷施設、生産資材の貯蔵保管施設、建築面積が90平方メートル以内の施設である。
c)公益施設のための開発行為には許可が不要(第29条第1項第3号、施行令第21条)。公益施設とは、駅舎、社会福祉施設、医療施設、小学校、中学校、高校、公民館、変電所、郵便局、図書館、墓地、火葬場、と畜場、し尿処理施設、ごみ処理施設、卸売市場などを指す。
d)国・都道府県・一定の市町村が行なう開発行為には開発許可が不要(第29条第1項第4号)
e)都市計画事業の施行として行なう開発行為には開発許可が不要(第29条第1項第5号)
f)市街地再開発事業の施行、住宅街区整備事業の施行、土地区画整理事業の施行として行なう開発行為には開発許可が不要(第29条第1項第6号、第7号、第8号)
g)非常災害のため必要な応急措置、通常の管理行為・軽易な行為に該当する開発行為には開発許可が不要(第29条第1項第10号、第11号)。ちなみに通常の管理行為・軽易な行為については、施行令第22条に列記されている。
具体的には、仮設建築物の建築、土木事業などに一時的に使用するための第一種特定工作物の建設、 車庫・物置その他附属建築物の建築、 建築物の増築で増築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、建築物の改築で用途の変更を伴わないもの、建築物の改築で改築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のものなどである。特に施行令第22条第6号では、主として当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売加工修理等の業務を営む店舗・事業場などの新築であって、その延べ面積が50平方メートル以内で、これらの業務の用に供する部分の延べ面積が全体の延べ面積の50%以上で、当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行なう開発行為(開発規模が100平方メートル以内に限る)は、開発許可を不要としていることに注意したい。
5)開発許可の基準
知事(指定都市等では市長)が開発行為に対して開発許可を与える際には、一定の審査基準が設けられている。この基準には、全国どこでも適用される技術的な基準(都市計画法第33条)と、市街化調整区域内においてのみ適用される基準(都市計画法第34条)の2種類がある。特に市街化調整区域では両方の基準を満たして初めて開発許可を取得できることに注意したい。
(開発許可の基準の内容は「開発許可の基準(全般的許可基準)」「開発許可の基準(市街化調整区域内の許可基準)」参照)
6)都市計画区域外・準都市計画区域外における開発行為
都市計画区域および準都市計画区域の外において開発行為を行なう場合についても、上記2)〜5)と同一の開発許可制度が施行されている(都市計画法第29条第2項)。
(ただし上記4) )の開発許可を受ける必要がない開発行為については若干の差異がある。まず開発許可を受ける必要がない開発行為の面積(上記4)のa)に相当)は10,000平方メートル未満であり、規則によりこの面積を引き下げることができない。また市街地再開発事業・住宅街区整備事業・土地区画整理事業は都市計画区域外においては施行されないので、上記4)のf)は除外されている)
特定工作物
都市計画法における開発許可の対象となる、コンクリートプラント、ゴルフコース、テニスコート、墓園などのこと。
都市計画法では、建築物や工作物をつくる目的で宅地造成などを行なう場合には、開発許可を受ける必要があると定めている(都市計画法第29条)。特定工作物は、この開発許可の対象となる工作物のことであり、次の2種類に区分されている。
1)第1種特定工作物
周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物であって、都市計画法施行令第1条第1項に規定されたもののこと。具体的には、コンクリートプラント、クラッシャープラント、危険物の貯蔵または処理に供する工作物である。
2)第2種特定工作物
大規模な工作物であって、都市計画法施行令第1条第2項に規定されたもののこと。具体的には次のものである。
ア)ゴルフコース(面積関係なし)
イ)1ha以上の野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園その他の運動・レジャー施設
ウ)1ha以上の墓園
開発行為
都市計画法上の開発許可の対象となる行為のこと。
1)趣旨
都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、宅地開発に対しては知事(または市長)の許可が必要であると定めており、これを開発許可という(都市計画法第29条)。この開発許可の対象となる行為が「開発行為」である。
2)定義
開発行為とは、正確には「主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更」と定義されている(都市計画法第4条第12項)。
ここで「特定工作物」と「土地の区画形質の変更」の意味については、おおよそ次のように定義されている。
ア)特定工作物
コンクリートプラント、ゴルフコース、1ha以上のテニスコートなどのこと(詳しくは特定工作物へ)。
イ)土地の区画形質の変更
宅地造成、道路の新設などを伴う土地区画の変更、農地から宅地への変更などのこと(詳しくは土地の区画形質の変更へ)。
2)の定義に該当しない行為は、開発行為ではないので、開発許可を必要としない。例えば、1ha未満のテニスコートの建設のための宅地造成は、開発行為に該当しない。また建築物を建築する目的で、登記簿上で土地を合筆することは「土地の区画形質の変更」ではないので、開発行為に該当しない。
宅地造成
一般的には、土地を宅地としての機能を備えたものとするために、傾斜をなくすための切り土・盛り土等の工事、擁壁の設置工事、排水施設の設置工事、地盤の改良工事などを行なうこと。こうして形成された宅地は「造成地」と呼ばれる。
なお、宅地造成に伴う災害を防止するために昭和37年から施行されている宅地造成等規制法においては、宅地造成とは「宅地以外の土地を宅地にするために行う一定の土地の形質の変更」(同法第2条第2号)と定義している。