有害物質使用特定施設
ゆうがいぶっしつしようとくていしせつ
その敷地であった場合に、土壌汚染の情況調査が必要とされる施設をいう。土壌汚染の恐れのある有害物質を使用していた施設であることから、その敷地が汚染されている恐れがあるためである。
対象となる施設は、1)水質汚濁防止法において設置の届出、排水規制などの対象となっている施設(特定施設)であって、かつ、2)鉛、砒素、トリクロロエチレンなど、土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずる恐れがあるもの(特定有害物質、具体的に政令で定められている)を、製造し、使用し、または処理する施設、である。
有害物質使用特定施設1)および2)の両方に該当する施設の使用が廃止された場合には、その敷地の所有者等は土壌汚染の情況を調査し、都道府県知事に報告しなければならないとされている。
工場等の跡地を利用する際には、従前立地していた工場等が有害物質使用特定施設に該当するかどうかを確認する必要があるほか、該当する場合には、土壌汚染の情況を調査する必要がある。
敷地
建築物のある土地のことを「敷地」という。
なお同一の敷地の上に2つの建築物がある場合には、建築基準法では、2つの建築物が用途上分けられないときは、同一敷地にあるものとみなすことになっている(建築基準法施行令1条)。
例えば、ある人の所有地の上に「住宅」と「物置」が別々に建っている場合は、この2つは用途上不可分であるので、別々の敷地上に建てたと主張することはできない、ということである。
ところで建築基準法では「敷地」が衛生的で安全であるように、次のようなルールを設定しているので注意したい(建築基準法19条)。
1)敷地は、道より高くなければならない(但し排水や防湿の措置をとれば可)
2)敷地が、湿潤な土地や出水の多い土地であるときは、盛り土や地盤の改良を行う。
3)敷地には、雨水と汚水を外部に排出する仕組み(下水道など)をしなければならない。
4)崖崩れの被害にあうおそれがあるときは、擁壁(ようへき)の設置などをしなければならない。
有害物質
水質汚濁防止法において定められた26種類の物質のこと。
水質汚濁防止法では、人の健康に被害を生ずる恐れが大きい物質として、水質汚濁防止法施行令第2条で次の26種類の物質を指定している。
これら26種類の物質から「アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物および硝酸化合物」を除外した25種類の物質は、土壌汚染対策法の特定有害物質に該当する。
なお、ダイオキシン類については、ダイオキシン類対策特別措置法において排出基準が定められているので、水質汚濁防止法の有害物質からは除外されている。
水質汚濁防止法の有害物質は具体的には次の通りである(平成14年12月13日以降)。
1.カドミウムおよびその化合物
2.シアン化合物
3.有機燐化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPN)
4.鉛およびその化合物
5.六価クロム化合物
6.砒素およびその化合物
7.水銀およびアルキル水銀その他の水銀化合物
8.ポリ塩化ビフェニル
9.トリクロロエチレン
10.テトラクロロエチレン
11.ジクロロメタン
12.四塩化炭素
13. 1・2―ジクロロエタン
14. 1・1―ジクロロエチレン
15.シス―1・2―ジクロロエチレン
16. 1・1・1―トリクロロエタン
17. 1・1・2―トリクロロエタン
18. 1・3―ジクロロプロペン
19. テトラメチルチウラムジスルフイド(別名チウラム)
20. 2―クロロ―4・6―ビス(エチルアミノ)―s―トリアジン(別名シマジン)
21. s―4―クロロベンジル=N.N―ジエチルチオカルバマート(別名チオベンカルブ)
22. ベンゼン
23. セレンおよびその化合物
24. ほう素およびその化合物
25. ふっ素およびその化合物
26. アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物および硝酸化合物
水質汚濁防止法
公共用水域(河川・湖沼・沿岸等)および地下水の水質汚染を防止するために、昭和45年に制定された法律のこと。特に平成元年に地下水に関する規定が追加されて以降は、この法律が地下水汚染に関して中心的な役割を担っている。
水質汚濁防止法の概要は次の通り。
1)生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出し、または有害物質を使用する等の理由により、水質汚染を招く危険のある施設を「特定施設」と定義する(水質汚濁防止法第2条)
2)特定施設を設置する工場・事業場等を「特定事業場」と定義する(同法第5条)
3)特定施設を設置する者・使用廃止する者に特定施設設置等の届出を義務付ける(同法第5条等)
4)特定事業場に、排水基準の遵守を義務付ける(同法第3条)
5)指定地域内の特定事業場に、水質汚濁の総量規制を実施する(同法第4条の5)
6)特定事業場に、排出水および特定地下浸透水の汚染状態の測定を義務付ける(同法第4条の5)
7)有害物質を使用する特定事業場において、特定地下浸透水が有害物質を含んでいるとき、その特定地下浸透水を地下に浸透させることを禁止する(同法第12条の3)
8)上記7)に違反して、特定事業場の事業者が、有害物質を含む特定地下浸透水を地下に浸透させた場合において、都道府県知事は地下水の水質浄化を命令することができる。これを地下水の水質浄化の措置命令という(同法第14条の3、同法施行規則第9条の3、同法施行規則別表)
9)都道府県知事に地下水の水質を常時監視することを義務付けた。これにより平成元年以降、毎年全国の約1万2千の井戸について水質調査が実施されている。これを地下水モニタリングという(同法第15条〜第17条)
10)工場・事業場から有害物質を含む水を排出し、または有害物質を含む水を地下に浸透させた場合には、工場・事業場の事業者に過失がなくても、工場・事業場の事業者に健康被害の損害賠償の責任を負わせる(同法第19条〜第20条の3)(詳しくは「地下水汚染の無過失責任」へ)
特定施設(土壌汚染対策法における〜)
有害物質を排出しまたは生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、水質汚濁防止法施行令第1条で指定された施設のこと。全部で101種類の施設が特定施設とされている。
環境省の調べ(平成12年度)によると、こうした特定施設を設置している工場・事業場等(「特定事業場」という)は、全国で約30万ヵ所にのぼる。
多い業種は旅館(約7万ヵ所)、畜産(約3万ヵ所)、自動車洗浄(約3万ヵ所)である。
なおこうした特定施設のうち、土壌汚染対策法で定める25種類の特定有害物質を使用する施設は「有害物質使用特定施設」と呼ばれ、全国で約2万7千ヵ所と推計されている。
特定有害物質
土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された25種類の物質のこと。
なお、ダイオキシン類については、ダイオキシン類対策特別措置法において土壌汚染対策が定められているので、土壌汚染対策法の特定有害物質からは除外されている。
土壌汚染対策法では、特定有害物質を使用する特定の施設(「有害物質使用特定施設」という)の使用を廃止したとき、土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。
特定有害物質はその性質により次の3種類に区分されている。
1)トリクロロエチレン・テトラクロロエチレンなどの11種類の揮発性有機化合物(詳しくは第1種特定有害物質へ)
2)鉛、砒素などの9種類の重金属等(詳しくは第2種特定有害物質へ)
3)有機リン化合物などの5種類の農薬等(詳しくは第3種特定有害物質へ)