化学式CH3CHO。多くの場合、エチレン(C2H4)の酸化などによって生成し、合成樹脂や接着剤、防腐剤、香料等に含まれる。食物やアルコール類、ヒトそのものも発生源となる。飲酒後、肝臓で発生し、「二日酔い」の原因となる。無色の液体で引火性が強く、消防法別表の「特殊引火物」として危険物に指定されている。
人体への影響としては、目、鼻、のどを刺激し、直接の接触による皮膚炎や、目への侵入により結膜炎等を引き起こすおそれがある。
木材や建材、床材や家具、それらに使用される接着剤や防腐剤などにも含まれ、目のかゆみや鼻腔への刺激、めまい、頭痛を引き起こす可能性があることから、シックハウス症候群の原因物質と考えられており、快適で健康な空間を確保するために厚生労働省が定めたシックハウス対策のガイドラインである「化学物質室内濃度指針値」において、48μg/立法メートル(0.03ppm)が指針値として指定されている。ただし、その後、WHO(世界保健機関)が指針値を50μg/立法メートル→300μg/立法メートルと大幅に引き上げたため、厚生労働省において指針値が再検討される可能性が指摘された。
建築基準法上の規制対象とはされていないものの、2003(平成15)年には住宅性能表示制度における「シックハウス対策等級」に係る測定対象物質とされた。しかし、上記WHOにおける指針値の見直しなどの動きを受けて、翌2004(平成16)年には、対象から除外されている。