マンションの建替えの円滑化等に関する法律
まんしょんのたてかえのえんかつかとうにかんするほうりつ
略称は「マンション建替え円滑化法」。マンションの建て替えを円滑に進めるための仕組みを規定する法律。平成14(2002)年に公布・施行された。
この法律で規定されているのは、(1)法人格をもつ組合(マンション建替組合)を設立して建替事業を施行するしくみを創設すること(マンション建替組合)、(2)事業において従前のマンションの所有権・敷地利用権・借家権を、再建マンションの各権利に変換するための手続きを定めること(権利変換制度)、(3)危険または有害な状況にあるマンションに対して建替えの勧告等をするためのしくみを定めること(危険・有害マンションの建替促進制度)などである。
原則的に、マンションの建替えは、区分所有者の合意によって進めるのであるが、(1)および(2)によって合意形成や権利調整が円滑化することを、(3)によって必要な建替えを促進することを、それぞれめざしている。
マンション建替組合
マンション建替え決議(区分所有法第62条第1項)が決議された場合に、決議に合意した者のうちのの4分の3以上の同意により設立される、マンションの建替えを目的とする組合のこと(マンション建替え円滑化法第9条)。
この組合の設立が同意されたときは、建替え決議の合意者は全員がこの組合員となる(円滑化法第16条)。またディベロッパーがこの組合に参加することもできる(円滑化法第17条)。
(マンション建替組合の役割について詳しくはマンション建替え円滑化法へ)
所有権
法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。
近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。
土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。
敷地利用権
分譲マンションのような区分所有建物において、区分所有者が持っている土地に関する権利のことを「敷地利用権」と言う(区分所有法第2条)。
区分所有建物では、その敷地は区分所有者全員の共有とされている。
従って、敷地利用権とは、区分所有者が持っている「土地の共有持分」と言い換えることができる。
借家権
建物の賃借権をいう。建物の賃借権は、通常の賃借権と異なって、借家人を保護するために特別の取扱いを受ける。
主要な保護措置として、(1)登記がなくても家屋の引き渡しを受ければ第三者に対抗できること、(2)家主の解約や契約更新拒絶には正当事由がなければならないこと、(3)契約終了時の造作買取請求権が認められること、(4)内縁の妻など同居者による借家権の継承が認められることなどがある。
なお、定期借家権については、原則としてこのような保護の対象とはならない。
区分所有者
分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物を「区分所有建物」と言う。
この区分所有建物において、建物の独立した各部分のことを「専有部分」と言う。
区分所有者とは、この専有部分を所有する者のことである。(詳しくは「区分所有建物」参照)