確定日付
かくていひづけ
私文書がその日に存在していたことを証明する、当該日付をいう。法律の効果として文書の作成日付が重要となることがあり、その必要に応えるために日付を確定し証明するのである。内容証明郵便や公正証書(公証人が私書証書に日付のある印章を押捺したもの)は、確定日付のある文書(証書)である。
例えば、指名債権の譲渡の通知または承諾は確定日付のある証書をもってしなければ債務者以外の第三者に対抗できないとされている。そのほか、契約や覚書に関して確定日付により紛争の発生を防止することができる。
内容証明郵便
差出人が送った手紙(書面)の写しを郵便局が保存することにより、郵便局が手紙(書面)の内容を公的に証明するという制度である(郵便法第63条)。
ただし内容証明郵便はあくまで手紙の内容を証明するだけであり、その手紙が相手方に到達したことまで証明するものではない。そのため通常は「配達証明付の速達書留内容証明郵便」として郵送するのが一般的である。
内容証明郵便を出すことができるのは、地方郵便局長が指定する郵便局に限られており、小さな郵便局では取り扱わない。
内容証明郵便を書く要領は次のとおりである。
1)紙に次の字数で文章を書く。(句読点も1字として計算する)
・縦書きの場合:1枚につき1行20字以内、1枚26行以内(520字以内)
・横書きの場合:1枚につき1行26字以内、1枚20行以内(520字以内)
2)使用できる文字は原則としてひらがな、カタカナ、漢字、および数字である。アルファベットは、氏名、会社名、地名、商品名などの固有名詞だけに使うことができる。また一般的に使用されている記号は使うことができる。
3)紙の大きさや種類は自由である。B5、A4、B4、コピー用紙、ワープロ用紙などでよい。また手書きでもワープロ打ちでもプリンターからの出力でもよい。
4)上記1・2・3の要領で作成した手紙のコピーを普通のコピー機で2部作成する。
5)手紙が2枚以上の紙になるときは、綴目(とじめ)に契印(けいいん)を押す。(2枚以上からなる手紙の1枚目と2枚目にまたがって印鑑を押すことを「契印」という。契印に使用するのは、実印や代表者印である必要は無く、認印〔会社の場合は社印〕でよい)
6)ひとつの封筒に、手紙に書いた相手方の住所氏名・自分の住所氏名と同一のものを書く。
内容証明郵便を郵便局で発送する手続は次のとおりである。
1)用意した封筒、手紙、そのコピー2部、印鑑(実印や代表者印である必要は無く、認印〔会社の場合は社印〕でよい)を郵便局に持参する。印鑑を持参するのは契印を忘れた時や郵便局で指摘を受け訂正をするために必要になる可能性があるからである。
2)書留、配達証明付き、内容証明、速達で郵送の手続をする(料金は合計で1,490円。ただし手紙が1枚を超えると、超えた分1枚につき250円が加算される。また封筒の大きさ・重量により料金が加算される場合がある)。
3)コピーの1部に「この郵便物は○年○月○日第○号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。○○郵便局長」と押印されたものが返却される。この押印されたコピーは手紙の差出人が保管する(残りのコピー1部は郵便局に5年間保管される。手紙そのものは相手方に郵送される)。
公正証書
個人や法人からの嘱託により、公証人が公証役場で作成する契約書・合意書などのことをいう。
公正証書の内容としては、不動産売買契約、不動産賃貸借契約、金銭消費貸借契約、遺言などが一般的であるが、公序良俗に反しない限り、どのような契約や合意であっても公正証書にすることが可能である。
公正証書を作成するには、当事者全員(または委任状を持参した代理人)が公証役場に出頭し、公証人に案文を提出し、公証人が公正証書を作成し、当事者全員に読み聞かせ、当事者全員が署名捺印するという手続を踏む。
このため、文書の内容に関して後日裁判になった場合でも、文書の内容が真実であることが非常に強く推定されるので、公正証書に記載された内容がそのまま裁判で証拠になるというメリットがある(これを「証拠力」という)。
また、金銭消費貸借契約に関しては、債務者が一定の事情が発生したときには直ちに強制執行に服するという旨の陳述(これを「執行認諾約款」という)が記載されている場合には、この公正証書は裁判所の確定判決と同等の効力を持つこととされている。
このため、「約束の支払い期日までに債務者が債務を返済しない場合には債務者及び連帯保証人はただちに強制執行を受けても何ら異議はない」という旨の執行認諾約款のある公正証書が存在すれば、裁判を経ないで、ただちに債務者と連帯保証人の財産に対して強制執行を開始することができるというメリットがある。
このような強い効力を持つ公正証書であるが、その作成手数料は低額であり、利用しやすい制度となっている。