買戻特約
かいもどしとくやくAからBへ物を売却する際に、Aがその物の買戻権(かいもどしけん)を有する旨を合意すること。
具体的には、ある物をAからBへ売却する時点において、「将来その物をAがBから買戻すことができる」という合意を結んでおくのである。こうすることによってAは、将来その物を取り返すことが可能となる。
買戻特約は、融資に用いられることが多い。
例えばBがAに3,000万円を融資するとする。融資の担保がA所有の土地(3,000万円相当)であるとする。このとき次のような形で買戻特約を用いる。
まずAがBに対して、この土地を売る。これによりAは3,000万円を得る(これが金を借りたことに該当する)。そして売買の際に「将来AがBに3,000万円を交付するならばAがその土地を取り返す」という合意(特約)を結んでおく。
このように買い主Bは、土地の所有者となり、同時にBがAに3,000万円を交付する。これは見方を変えれば、Bが土地を担保にとって、Aに3,000万円を貸し付けた、と見ることができる。また合意(特約)に関しては、Aはこの特約を不動産登記簿に付記登記することができる。
いったんAからBへ売却された物を、再びBからAへ売却することを予約すること。
具体的には、ある物をAからBへ売却する時点(第1売買の時点)において、「将来その物をBからAへ売却すること(第2売買)を事前に合意する」という予約を結んでおくのである。こうすることによって第1売買の売り主であるAは、将来その物を取り返すことが可能となる。
再売買の予約は、融資に用いられることが多い。
例えばBがAに2,000万円を融資するとする。融資の担保がA所有の土地(2,000万円相当)であるとする。このとき次のような形で再売買の予約を用いる。
まずAがBに対して、この土地を売る(第1売買)。これによりAは2,000万円を得る(これが金を借りたことに該当する)。そして第1売買の際に「将来AがBに2,000万円を交付するならばBがその土地をAに再び売却する(第2売買)」という予約を結んでおく。
このように第1売買における買い主Bは、土地の所有者となり、同時にBがAに2,000万円を交付する。これは見方を変えれば、Bが土地を担保にとって、Aに2,000万円を貸し付けた、と見ることができる。また予約(Aが土地を取り戻すという予約)に関しては、Aは予約完結権を仮登記することができるとされている。
売買の一方の予約とは、将来において売買契約を締結することを事前に合意しておくことを指す(民法第556条)。
「予約」とは、将来において契約を締結するということを、事前に当事者どうしで合意することを指す。「予約」においては、当事者の一方が予約完結権を持つのが一般的である。「売買の一方の予約」もこのような「予約」のひとつである。
(詳しくは予約へ)
「売買の一方の予約」では、通常、将来の売買契約で買い主となる者が予約完結権を持つ。「売買の一方の予約」は社会的には債権(金銭貸借)を担保する機能を営んでいる。
例えばAがBに1,000万円を融資したとする。
この融資実行の際にAとBの間で「AとBは、B所有の土地をAが購入するという売買契約を将来締結することを合意する。予約完結権を行使するのはAである。Aは、融資を返済すべき時期に融資が返済されないときは、その予約完結権を行使することができる」という予約を結んだとしよう。そうすると仮にBが融資を返済しなかったならば、Aは予約完結権を行使することにより自動的にB所有土地を取得することができる。
このように「売買の一方の予約」を結んでおけば、融資が返ってこなくても、債権が保全されるということになるのである。なお「売買の一方の予約」における予約完結権は、仮登記をすることができる。