買戻
かいもどし
債務者(または物上保証人)の所有する不動産を、債務者(または物上保証人)が債権者に譲渡し、債務を全額弁済すると同時に債務者(または物上保証人)が債権者からその不動産を買い戻すという制度である。
民法では売買の特約としてこの買戻を規定しているが、実際上は不動産を担保に入れて金銭を得るための手段である(民法第579条)。この買戻を登記する場合には、最初の売買における所有権移転登記に、買戻特約の附記登記を行なう。
この民法上の買戻には次のような条件を満たすことが必要とされている。
1)売買契約と同時に買戻の特約をすること
2)買い主(つまり債権者)が不動産を占有するので、その不動産の使用収益による利益を買い主が取得する反面、買い主(債権者)は売り主(債務者)から利息を取ることはできないこと
3)買戻の代金は、当初の売買代金と同額であること
このように民法上の買戻は厳格な要件が定められているため、実際にはこれよりも要件が緩やかな再売買の予約が利用されることが多い。
物上保証人
ある人(A)が他の人(B)に対して債権を有している場合に、Aが債権を保全する手段のひとつとして、「第三者(C)の財産に対してAが抵当権をつける」ことがある。
これは第三者Cが、Cの財産をBのために差し出すということであり、このような方法による債権の担保を「物上保証」という。またこのときのCを「物上保証人」という。
再売買の予約
いったんAからBへ売却された物を、再びBからAへ売却することを予約すること。
具体的には、ある物をAからBへ売却する時点(第1売買の時点)において、「将来その物をBからAへ売却すること(第2売買)を事前に合意する」という予約を結んでおくのである。こうすることによって第1売買の売り主であるAは、将来その物を取り返すことが可能となる。
再売買の予約は、融資に用いられることが多い。
例えばBがAに2,000万円を融資するとする。融資の担保がA所有の土地(2,000万円相当)であるとする。このとき次のような形で再売買の予約を用いる。
まずAがBに対して、この土地を売る(第1売買)。これによりAは2,000万円を得る(これが金を借りたことに該当する)。そして第1売買の際に「将来AがBに2,000万円を交付するならばBがその土地をAに再び売却する(第2売買)」という予約を結んでおく。
このように第1売買における買い主Bは、土地の所有者となり、同時にBがAに2,000万円を交付する。これは見方を変えれば、Bが土地を担保にとって、Aに2,000万円を貸し付けた、と見ることができる。また予約(Aが土地を取り戻すという予約)に関しては、Aは予約完結権を仮登記することができるとされている。