不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

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最終更新日:2017/12/8

公簿売買と実測売買

こうぼばいばいとじっそくばいばい

土地の売買契約における取引価額の確定に用いる土地面積の違いによる区別で、土地登記簿の表示面積を用いて価額を確定する公簿売買、実測面積によって確定する場合を実測売買という。

とりあえず登記簿の表示面積で金額を定めて契約し、後ほど実測面積による金額との差額を精算する方法も、実測売買である。

公簿売買は測量が不要で簡便な方法であるが、実測面積が小さいと判明したときには紛争となりやすいため、それを回避するべく、契約において、実測面積と差異が生じても取引金額は変更できない旨を定めることが多い。
しかし、実測面積との違いが大きく、買主が取引の目的を達成できないときには、錯誤であるとして契約の無効を主張する恐れがある。

-- 本文のリンク用語の解説 --

売買契約

当事者の一方が、ある財産権を相手方に移転する意思を表示し、相手方がその代金を支払う意思を表示し、双方の意思が合致することで成立する契約のこと(民法第555条)。

売買契約は諾成契約とされている。つまり、当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引き渡されたときに成立するのではない)。
また、売買契約は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。
さらに、売買契約は財産権を移転する契約であるが、その対価として交付されるのは金銭でなければならない(金銭以外の物を対価として交付すると「交換契約」となってしまう)。

当事者の双方の意思の合致により売買契約が成立したとき、売主には「財産権移転義務」が発生し、買主には「代金支払義務」が発生する。両方の義務の履行は「同時履行の関係」に立つとされる。

土地登記簿

一筆の土地ごとに作成される登記記録のこと。

錯誤

錯誤とは、内心的効果意思と表示行為が対応せず、しかも表意者(=意思表示をした本人)がその不一致を知らないことである。 錯誤は本来、内心的効果意思を欠く意思表示であるため、錯誤にもとづいて法律行為を行なった本人を保護し、錯誤にもとづく法律行為を無効とするのが原則である。しかし、それでは表意者の意思表示を信頼した相手方の保護に欠ける結果となるので問題である。
そこで、民法第95条では次の方法により表意者保護と相手方保護の調整を図っている。

1.法律行為の要素に関して錯誤があったとき
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があった場合に無効とする(民法第95条)。法律行為の要素とは「意思表示の内容の主要な部分であり、社会通念上この点について錯誤がなければ表意者はそのような意思表示をしなかっただろうと認められるような部分」のことである。このような重要な部分について錯誤があれば、表意者を保護しようという趣旨である。

2.表意者に重大な過失があったとき
表意者に重大な過失があったときは、表意者が自ら無効を主張することができない(民法第95条但書)。これは表意者が少し注意すれば、要素に関する錯誤を回避できた場合には、その表意者は保護に値しないので、無効の主張ができないものとするという意味である。なお、表意者に重大な過失があった場合でも、相手方が錯誤を知っていた場合には、相手方を保護する必要はないので、表意者から無効を主張することが可能となる(判例)。

なお民法第95条では、動機そのものが思い違いにもとづくものである場合には「錯誤」の範囲に含めることができないので表意者を保護することは本来できないが、判例ではこうした場合にも一定の要件のもとで「錯誤」として取り扱い、表意者を保護している(詳しくは動機の錯誤へ)。

無効

法律行為がなされたときに、当事者が表示した意思のようには法律効果が生じないことをいう。 意思はあってもそもそも効果が生じないのであるから、法律行為は追認や時の経過によっても有効とはならない。また、原則として誰でも誰に対しても無効を主張できる。

無効となる法律行為としては、 1.公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする行為(公序良俗違反) 2.法律によって効果が生じないとされている行為(強行規定違反) 3.虚偽の意思表示や錯誤による行為 などがある。ただし、虚偽の意思表示による無効については善意の第三者に対抗できないし、錯誤による無効については重大な過失があれば無効にならないなど、一定の例外がある。

例えば売買契約が無効であれば、当事者に請求権は発生せず(代金の支払いや目的物を引き渡す義務はない)、すでに事実行為がなされているときには、その回復を請求できる(不当利得として代金や目的物の返還を求めることができる)。もっとも、契約無効の原因が公序良俗違反であるときの代金の支払い等については、不法な原因による給付であるとして不当利得の返還を請求できないとされるなど、無効の原因や契約の事情に応じて不当利得の取扱いに違いがある。