不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

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最終更新日:2017/12/8

特定有害物質

とくていゆうがいぶっしつ

土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された25種類の物質のこと。
なお、ダイオキシン類については、ダイオキシン類対策特別措置法において土壌汚染対策が定められているので、土壌汚染対策法の特定有害物質からは除外されている。

土壌汚染対策法では、特定有害物質を使用する特定の施設(「有害物質使用特定施設」という)の使用を廃止したとき、土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。
特定有害物質はその性質により次の3種類に区分されている。

1.トリクロロエチレンテトラクロロエチレンなどの11種類の揮発性有機化合物(詳しくは第一種特定有害物質へ)
2.鉛、砒素などの9種類の重金属等(詳しくは第二種特定有害物質へ)
3.有機リン化合物などの5種類の農薬等(詳しくは第三種特定有害物質へ)

-- 本文のリンク用語の解説 --

土壌汚染対策法

有害物質による市街地の土壌汚染の状況を調査し、土壌汚染による健康被害を未然に防止するために制定された法律。2003(平成15)年2月15日より施行されている。

市街地の土壌汚染に関して、国は1999(平成11)年に環境基本法にもとづく「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」を定めている。また、地下水経由の土壌汚染については水質汚濁防止法で規制し、ダイオキシン類による土壌汚染についてはダイオキシン類対策特別措置法が大きな役割をになっている。しかしながら、市街地の土壌汚染について包括的な規制を加えたのは、この土壌汚染対策法が初めてである。

土壌汚染対策法の概要は次のとおりである。

1.用語の定義
25種類の物質を特定有害物質と定義する。またそれらの物質を使用等する施設を、有害物質使用特定施設と定義する。

2.土壌汚染状況調査の義務付け
次の2つの場合に土地所有者等に対して土壌汚染状況調査を実施することを義務付ける。
1)有害物質使用特定施設に係る土地の調査
有害物質使用特定施設の使用を廃止した場合には、土地所有者等は使用廃止から120日以内に土壌汚染状況調査の結果を知事に報告しなければならない。これは特定有害物質を取り扱う施設が廃止された機会をとらえて、その機会においてのみ特定有害物質の土壌中の濃度を調査するという制度である。
2)健康被害が生ずる恐れのある土地の調査
土壌汚染により人の健康に被害が生じる恐れがあるときや、土地所有者等が上記1)の調査を実施する義務を怠ったときは、知事は土地所有者等に対して土壌汚染の状況を調査するよう命令することができる。

3.汚染が判明した土地に対する措置
土壌汚染状況調査の結果、汚染状態が法定基準に適合しない場合には、その汚染された土地の区域は知事によって汚染土地の指定を受け、都道府県または市町村の公報に掲載される。さらに汚染土地の指定を受けた土地は汚染土地の指定区域台帳に登載される。知事はこのような汚染土地に対して土壌汚染の除去等の措置を命令する場合がある。

このように汚染が判明した土地については厳しい措置が予定されているが、土壌汚染状況調査はあくまでも有害物質使用特定施設が廃止された時点においてのみ実施される調査(上記1))が原則であり、それ以外の調査(上記2))は極めて稀な例外に過ぎない。

また、上記1)の調査自体も実質的に免除される措置が複数設けられている(詳しくは土壌汚染状況調査に代わる知事の確認、土壌汚染状況調査の一部免除へ)。

なお土壌汚染対策法について、環境省は当初は少なくとも10年間は見直さない予定であったが、国会審議により「10年以内であっても適宜見直す」旨が付帯決議として決議されている。

ダイオキシン類

ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシンおよびコプラナーポリ塩化ビフェニル(PCB)をいう(ダイオキシン類対策特別措置法第2条)。

ダイオキシン類は化学物質の製造や廃棄物の燃焼などに伴って副次的に生産される物質であり、極めて毒性が強い。わが国では1999(平成11)年にダイオキシン類の規制が先進諸国に比較して非常に遅れていることが指摘され、議員立法によりダイオキシン類対策特別措置法が制定されたという経緯がある。

なお、土壌汚染対策法ではダイオキシン類を特定有害物質から除外しており、ダイオキシン類の土壌汚染に関する規制はダイオキシン類対策特別措置法に委ねられている。

ダイオキシン類対策特別措置法

ダイオキシン類による大気汚染・水質汚染・土壌汚染に対する国民の不安の高まりに対処するため、1999(平成11)年7月に議員立法により制定された法律。2001(平成13)年1月6日から施行されている。

この法律では、ダイオキシン類の排出ガス・排出水における濃度基準(排出基準)を設定したほか、ダイオキシン類を排出する施設を特定施設と定義して、その特定施設の設置にあたって排出基準を遵守することを定め、また排出基準を超える排出に対して知事の改善命令等が定められている。

また知事によるダイオキシン類排出の常時監視と、排出者自身による年1回以上の測定を義務付けている(同法第26条から第28条)。
さらにダイオキシン類の土壌汚染を排除するため、知事がダイオキシン類土壌汚染対策地域を指定できるという制度を創設し、知事がその対策地域に関するダイオキシン類土壌汚染対策計画を策定することにより、迅速にダイオキシン類の除去事業を実行する仕組みが設けられている(同法第29条から第32条)。

有害物質使用特定施設

その敷地であった場合に、土壌汚染の情況調査が必要とされる施設をいう。

土壌汚染の恐れのある有害物質を使用していた施設であることから、その敷地が汚染されている恐れがあるためである。

対象となる施設は、

1.水質汚濁防止法において設置の届出、排水規制などの対象となっている施設(特定施設)、かつ、

2.鉛、砒素、トリクロロエチレンなど、土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずる恐れがあるもの(特定有害物質、具体的に政令で定められている)を、製造し、使用し、または処理する施設

である。

有害物質使用特定施設1.および2.の両方に該当する施設の使用が廃止された場合には、その敷地の所有者等は土壌汚染の情況を調査し、都道府県知事に報告しなければならないとされている。

工場等の跡地を利用する際には、従前立地していた工場等が有害物質使用特定施設に該当するかどうかを確認する必要があるほか、該当する場合には、土壌汚染の情況を調査する必要がある。

土壌汚染状況調査

土壌汚染対策法第3条および第4条によって土地所有者等に義務付けられている土壌汚染状況の調査のこと。

土壌汚染対策法では、揮発性有機化合物等の特定有害物質による汚染状況を把握し、健康被害を防止するために、次の2つの場合において土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。

1.有害物質使用特定施設の使用が廃止されたとき、その施設を設置していた工場・事業場の敷地であった土地について、土地所有者等は土壌汚染状況調査を実施しなければならない。これを有害物質使用特定施設に係る土地の調査という(同法第3条第1項)。ただし土壌汚染状況調査に代わる知事の確認を受けた場合には調査を実施しなくてよい(同法第3条第1項但書)。

2.都道府県知事は、上記1.以外の場合であっても、特定有害物質による土壌汚染により健康被害が生ずる恐れがある場合には、土地所有者等に対し、土壌汚染状況調査を実施することを命令することができる。これを健康被害が生ずる恐れのある土地の調査という(同法第4条第1項)。

なお、土壌汚染状況調査の方法は同法施行規則により詳細に法定されている。
上記1.および2.のどちらについても施行規則で定める方法により土壌ガス調査・土壌溶出量調査・土壌含有量調査のいずれか(または複数)を実施することとされている(同法施行規則第3〜5条)。

トリクロロエチレン

揮発性有機化合物の一つ。金属や機械部品の洗浄剤として非常に多用されており、精密機械工場などでの土壌汚染の主犯となることが多い。比重が1.4と水より重いため、土壌中に漏れ出した場合は、長く土壌中に残留し、広汎な地下水汚染を起こす傾向がある。
土壌汚染対策法では、このトリクロロエチレンを特定有害物質に指定し、トリクロロエチレンによる土壌汚染を規制している。

テトラクロロエチレン

揮発性有機化合物の一つで、不燃性があり、脱脂洗浄力が高いため、ドライクリーニング用の溶剤としてクリーニング店でよく使用されている。比重が1.6と水より重いため、土壌中に漏れ出した場合は、長く土壌中に残留する傾向がある。
土壌汚染対策法では、このテトラクロロエチレンを特定有害物質に指定し、テトラクロロエチレンによる土壌汚染を規制している。

第一種特定有害物質

土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された25種類の特定有害物質のうち、揮発性有機化合物に該当する11種類の物質のこと。

この第一種特定有害物質については、土壌汚染状況調査を実施するに当たっては、土壌ガス調査を実施することとされている(土壌汚染対策法施行規則第5条)。

この第一種特定有害物質は具体的には次の11種類である。

1.四塩化炭素
2.ジクロロメタン
3.1・2-ジクロロエタン
4.1・1-ジクロロエチレン
5.シス-1・2-ジクロロエチレン
6.1・1・1-トリクロロエタン
7.1・1・2-トリクロロエタン
8.トリクロロエチレン
9.テトラクロロエチレン
10.1・3-ジクロロプロペン
11.ベンゼン

第二種特定有害物質

土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された25種類の特定有害物質のうち、重金属等に該当する9種類の物質のこと。

この第二種特定有害物質については、土壌汚染状況調査を実施するに当たっては、土壌溶出量調査と土壌含有量調査を実施することとされている(土壌汚染対策法施行規則第5条)。

第二種特定有害物質は具体的には次の9種類である。

1.カドミウムおよびその化合物
2.六価クロム化合物
3.水銀およびその化合物
4.鉛およびその化合物
5.砒素およびその化合物
6.シアン化合物
7.セレンおよびその化合物
8.フッ素およびその化合物
9.ホウ素およびその化合物

第三種特定有害物質

土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された25種類の特定有害物質のうち、農薬等に該当する5種類の物質のこと。

この第三種特定有害物質については、土壌汚染状況調査を実施するに当たっては、土壌溶出量調査を実施することとされている(土壌汚染対策法施行規則第5条)。

第三種特定有害物質は具体的には次の5種類である。

1.有機リン化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPN)
2.シマジン
3.チウラム
4.チオベンカルブ
5.ポリ塩化ビフェニル(PCB)