不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

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最終更新日:2018/1/17

不動産所得の必要経費

ふどうさんしょとくのひつようけいひ

不動産の貸し付けによる収入がある人が、不動産所得を計算する際に、不動産収入から差し引くことができる金額のことを「不動産所得の必要経費」という。

具体的には、実際に支出した管理費、共益費、修繕費、固定資産税都市計画税、損害保険料、借入金の利息、建物の減価償却費などが「不動産所得の必要経費」である。

なお、青色申告を行なう場合には、家族従業員の給与を必要経費とすることができるなどのメリットがある。

-- 本文のリンク用語の解説 --

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

不動産所得

不動産の貸し付けによる不動産収入がある場合において、次の計算式で求めた金額のことを「不動産所得」と呼ぶ。

「 不動産収入−不動産所得の必要経費=不動産所得 」

このような不動産所得がある場合には、必ず確定申告を行なう必要がある。

なお不動産所得で赤字が生じた場合には、その赤字の全部または一部は、給与所得の黒字と相殺することができる(詳しくは「損益通算の特例」)。

不動産収入

不動産収入とは、家賃収入、管理費収入、共益費収入、礼金収入、駐車場使用料収入などのことである。

不動産の貸付けから発生する収入は、所得税法においては、事業収入ではなく、不動産収入に分類されることとなっている。

従って、個人が賃貸住宅や駐車場を経営している場合には、不動産収入が発生し、不動産所得を得ていることになる。

ただし、退去の際に全部または一部を返還するような金銭(敷金・保証金)については、返還しない部分だけが不動産収入に加算される。

共益費

賃貸集合住宅の入居者や事務所ビルのテナントが、建物の賃料とは別に負担する費用をいう。

建物全体の清掃や補修、警備等の費用、建物の共用部分に関する付加使用料など、入居者やテナントが分別して負担することが難しい費用が対象となる。専有面積当たりで算出し、月払いするのが一般的である。

なお、法律上の用語としても「共益費」が使われるが、これは同一の債務者に対する各債権者に共通の利益のために要した費用のことである。
例えば、ある債権者が債務者の財産を保存すればそれは他の債権者に利益にもなるので、そのための費用は共益費として、他の債務者に優先して弁済を受けることができるとされる。建物の賃借人が負担する共益費は、これとはまったく別のものであるから、注意を要する。

固定資産税

毎年1月1日現在において、土地・家屋等を所有している者に対し、市町村が課税する地方税のこと。
不動産の所在地の市町村が課税の主体となるので、実際の徴収事務は市町村の税務担当部署が行なう。

固定資産税の納付方法については、年度初めに市町村から土地・家屋の所有者に対して、固定資産税の「納税通知書」が送付されてくるので、それに従って年度内に通常4回に分割して納付することとされている(ただし1年分をまとめて先に支払うことも可能である)。

固定資産税の税額は原則的に「固定資産税課税標準額の1.4%」とされている。
ただし、一定の新築住宅については固定資産税額の軽減措置が実施されている。また、住宅用地については固定資産税課税標準額そのものが6分の1または3分の1に圧縮されている。

固定資産税は毎年1月1日において、固定資産課台帳に所有者として登録されている者に課税される。
従って、年の途中で不動産の売買が行なわれて、所有者が変わった場合であっても、納税義務者は元の所有者となる。こうした場合には不動産売買契約書において、その年度分の固定資産税額の一部を新所有者が負担するという特約を設けることが多い。

都市計画税

市町村が条例で定めた区域内に存在する土地や建物の所有者に課税する地方税。
この条例で定めた区域は、原則として市街化区域の中に設定される。

この都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業の費用を集めるために課税される税金であるとされている。
税率は0.3%以下であり、市町村の条例で税率を設定する。

ちなみに都市計画税については、土地に関する軽減措置は存在するが、建物に関する軽減措置は存在しない。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。

具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

青色申告

個人が、不動産の貸付け業などの事業を営んでいる場合には「確定申告」を行なう必要があるが、毎日の取引を正確に記録して、所得や税金の計算を正確に行なっている個人については、国が所得税法上のさまざまなメリットを与えるという制度が設けられている。
この制度のことを「青色申告」という。

青色申告を行なう個人には、次のような所得税法上のメリットがある。

1.一定要件を満たす「家族従業員」に支払った適正な給料・賞与(これを青色事業専従者給与という)は、必要経費となる。
2.複式簿記に従って青色申告決算書を完成させることにより、所得から55万円の特別控除を受けることができる。
3.複式簿記によらないで青色申告決算書を完成させた場合には、上記2.に代わって、所得から45万円の特別控除を受けることができる。

なお、青色申告を行なうためには、青色申告を行なおうとする年の3月15日までに、税務署に「承認申請書」を提出することが必要である(ただしその年の1月16日以後に業を開始した場合には、開始した日から2ヵ月以内に「承認申請書」を提出すればよい)。

また、不動産の貸付けから生じる所得(不動産所得)のある個人が、上記1.から3.のメリットを享受するには、不動産の貸付けが「事業的規模」に達していることが必要である。

家族従業員

個人が不動産の貸付けを行なうとき、これを手伝う家族が次の要件を満たしていれば、この家族を「家族従業員」と呼ぶ。

1.その個人と手伝う家族とが同一の生計を営むこと
2.手伝う家族が15歳以上であること
3.1年のうち6ヵ月を超える期間、その貸付けの業務に専従していること

青色申告を行なっている場合、家族従業員の給料・賞与を必要経費にすることができる。
また白色申告を行なっている場合には、家族従業員について「専従者控除」を受けることができる。

-- 関連用語 --
白色申告

不動産の貸し付けを行なう個人は、その不動産所得について、税務署の承認を受けて「青色申告」を行なうことができ、青色申告にはさまざまなメリットが用意されている。
しかし、所得が少ない場合には、税法上のメリットを受ける余地も少ないので、青色申告を行なわず、普通の確定申告を行なうことが多い。これを青色申告と対比するために「白色申告」と呼んでいる(確定申告書が青くないという意味である)。

不動産の貸し付けを行なう個人が、その不動産所得について白色申告を行なう場合、不動産の貸付けが「事業的規模」に達しているならば、家族従業員について「専従者控除」を受けることができる。