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最終更新日:2022/3/4

建築設備士

けんちくせつびし

建築設備の知識、技能に関する国家資格。建築士法に基づくもので、国土交通大臣が登録した試験(学科試験および設計製図試験)に合格することによって与えられる。

建築士は、延べ面積が2,000平方メートルを超える建築物の建築設備に係る設計または工事監理を行なう場合においては、建築設備士の意見を聴くよう努めなければならないとされている。また、意見を聴いた場合には、設計図書等にその旨を明示する必要がある。

-- 本文のリンク用語の解説 --

建築設備

建物と一体となって建物の機能を全うさせる設備のことで、空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備、エレベーターなどがこれに該当する。

建築設備は、建築物本体に比べて、その運用のための費用が大きいこと、建物利用の快適性を左右しやすいこと、エネルギー消費を伴い環境に対して大きな影響を与えることなどの特徴がある。
また、一般に、建物本体よりも耐用年数が短い傾向があるほか、建物の維持・改修に当たっては、建築設備の保守・更新を的確に行なうことが重要であるといわれている。

建築設備の設計は、通常、建物の設計と同時一体的に行なわれ、その施工も建物の建築を請け負った建設業者が一括して担うことが多い(ただし、直接の施工は、建築請負業者が設備工事業者に下請発注するのが一般的)。しかし、大規模な建築物については、建築設備の設計・施工を分離して実施する場合(分離発注)もある。

建築士

建築物の設計、工事監理等を行なう技術者であって、試験に合格して免許を受けた者をいう。建築士法による資格である。 建築士は、設計等を行なうことができる建物の規模、構造、用途によって、一級建築士、二級建築士、木造建築士に分かれている。例えば、延べ面積が千平方メートルを超え階数が二以上の建築物は、一級建築士でなければ設計をしてはならないし、延べ面積が百平方メートル(木造の建築物にあっては三百平方メートル)を超えまたは階数が三以上の建築物は、一級建築士または二級建築士でなければ設計をしてはならない。 また、一級建築士であって、構造設計または設備設計について高度な専門能力を有すると認められた者は、構造設計一級建築士または設備設計一級建築士としてその専門業務に従事することができるとされている。 建築士の資格は法的に保護さていて、例えば、建築確認の申請に当たって提出する設計図書は建築士が作成しないと受理されないし、建築士の免許を受けることなく建築士の名称を用いて業務を行なう者は罰せられる。 なお、建築士の業務分野は、その専門性に応じて、大きく、意匠設計(主として、建築のデザインや設計の総合性の確保を担う)、構造設計(主として、建築物の構造の安全性確保などを担う)、設備設計(主として、建築設備の設計を担う)、監理業務(主として、工事が設計に適合して実施されるための監督などを担う)に分かれている。

延べ面積

建築物の各階の「床面積」の合計のこと。 なお、容積率を算出する際には、次の部分の床面積は延べ面積から「除外」できる扱いとなっているので、注意する必要がある。

1.自動車車庫・自転車置場に供する部分の床面積(床面積の合計の5分の1まで)
2.建築物の地階(その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものに限る)の住宅の用途に供する部分の床面積(住宅の用途に供する床面積の合計の3分の1まで)
3.共同住宅については、共同住宅の共用廊下・共用階段・エントランスの部分の床面積(限度なし)

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。

これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備

上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

設計図書

建物を施工するために必要な図面その他の書類の総称。建築士法では建築物や工作物だけでなく敷地を含めた工事実施のために必要な図面と仕様書、と規定されている。

実際には、施工段階で設計変更、仕様変更、追加工事等が生じることが多いために、竣工図という最新の設計内容を記録した設計図書がある。これらは、経年に伴う改修・改築等の際に必要なものであるため、建築主は必ず保管しておく必要がある。