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最終更新日:2018/1/17

損益通算の特例

そんえきつうさんのとくれい

不動産所得に赤字が発生したとき、その赤字のうち土地の取得のために借り入れた借入金の利子に相当する部分は、他の所得の黒字と通算することができない。これを「損益通算の特例」という(租税特別措置法第41条の4)。

例えば、ある年において、不動産収入が500万円、土地の取得のために借り入れた借入金の利子が70万円、その他の必要経費が550万円だったとする。この他に給与収入から給与所得控除を差し引いた後の給与所得が300万円あったとする。
このとき、不動産所得は「500万円−70万円−550万円=120万円の赤字」である。このうち70万円は給与所得と相殺することができない。
よって不動産所得の赤字のうち50万円だけを給与所得の黒字から差し引くことができるので、この年の所得は「300万円−50万円=250万円」となる。

-- 本文のリンク用語の解説 --

不動産所得

不動産の貸し付けなどによる不動産収入がある場合において、次の計算式で求めた金額のことを「不動産所得」と呼ぶ。

「 不動産収入−不動産所得の必要経費=不動産所得 」

このような不動産所得がある場合には、必ず確定申告を行なう必要がある。

なお不動産所得で赤字が生じた場合には、その赤字の全部または一部は、給与所得など他の黒字と相殺することができる(詳しくは「損益通算の特例」)。

不動産収入

不動産収入とは、家賃収入、管理費収入、共益費収入、礼金収入、駐車場使用料収入などのことである。

不動産の貸付けから発生する収入は、所得税法においては、事業収入ではなく、不動産収入に分類されることとなっている。

従って、個人が賃貸住宅や駐車場を経営している場合には、不動産収入が発生し、不動産所得を得ていることになる。

ただし、退去の際に全部または一部を返還するような金銭(敷金・保証金)については、返還しない部分だけが不動産収入に加算される。
-- 関連用語 --
損益通算

不動産所得において赤字が発生した場合は、給与所得の黒字や事業所得の黒字から、不動産所得の赤字を控除することができる(所得税法69条)。
このようにある種類の所得の赤字を、他の種類の所得の黒字から差し引くことを「損益通算」と呼んでいる。