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最終更新日:2023/9/7

中古住宅流通の活性化

ちゅうこじゅうたくりゅうつうのかっせいか

中古住宅の取引を活発にする政策が進められている。この政策によって、既存住宅の活用が進み、住宅の選択肢が広がり、ライフサイクルやライフスタイルに応じた住生活の確保が容易になると考えられている。

中古住宅の流通を活性化するためには、次のような政策が有効であるとされている。

1)適時適切な修理修繕、リフォームによる建物構造の強化や住機能の充実、周辺住環境の整備などによって、既存住宅の質を維持・向上すること。
2)住宅の質を的確に評価し、それに基づいて価格が形成される市場環境を整えること。そのために、住宅履歴の記録・保存、質を調査する技術の確立・普及、質を反映する価格査定手法の確立などを図ること。
3)中古住宅の特性に即した流通サービスを提供すること。たとえば、リフォームとの連携、品質調査・価格査定サービスの充実、建物価値に基づく金融サービスなど。

-- 本文のリンク用語の解説 --

既存住宅

居住に供されているまたは供されたことのある住宅。「中古住宅」も同義。これに対して、まだ人の居住の用に供したことのない住宅(建築工事完了日から1年を経過したものを除く)が「新築住宅」である 既存住宅に関しては、その品質確保や流通の円滑化に資するため、既存住宅品質表示、既存住宅状況調査、既存住宅売買瑕疵保険などのしくみが整備されている。

リフォーム

建物の構造強化、機能向上などを図るための改修をいう。リフォームの種類には、耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化、耐久性向上化などのための工事がある。

リフォームへのニーズは、既存建物の有効活用、既存住宅流通の活性化、良質な住宅ストックの形成などの要請によって、今後高まっていくと考えられている。また、これを促進するためのリフォーム減税が措置されている。

一方で、リフォームは、その目的や内容が多様で幅広いこと、リフォーム前の建物の状態がさまざまであることなどの特徴がある。そのため、リフォームのための技術・技能や費用を標準化するのが難しい。また、リフォームによって高まるであろう不動産価値を評価する手法は十分に確立されているとは言い難く、リフォームを不動産価格に反映するしくみも十分ではない。リフォームに対するニーズに応えるためには、これらの課題に取り組まなければならない。

価格査定

不動産の売却を媒介する場合に、依頼者に助言するなどのため取引価額を算出する行為をいう。 この場合にその根拠を示すことが必要で、標準的な手法によって取引事例を比較検討し、客観的で実際的な成約見込額を算出しなければならないとされている。一般的には、価格査定のためのマニュアルを用いることが多い。

一方、不動産鑑定も価格の査定を伴うが、不動産取引の媒介に当たっての価格査定とは違って不動産鑑定士が経済価値を判定するものであり、算出する価額の性質に違いがあることに注意しなければならない。また、不動産鑑定は、価格査定と比べてより専門的、精密な方法で実施される。