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最終更新日:2017/12/8

用地補償

ようちほしょう

公共事業に必要な土地等を取得・使用する場合に、それに伴い生じる損失に対して補償することをいう。公共用地を取得・使用する方法には、土地収用法を適用する場合(収用裁決)と、用地交渉によって取得・使用する場合(任意の買収等)とがあるが、どちらの場合であっても用地補償の考え方や算定方法に大きな違いはない。

用地補償は、公共の利益のために私有財産を用いる場合の補償であり、私的に用地を買収する場合と違って「正当な補償」(憲法第29条第3項)でなければならないとされ、そのための基準として補償基準が定められている。

用地補償による土地取得価格等は、不動産取引などにおいても参考となるが、公共用地の取得と一般の土地取引との違いに注意する必要がある。例えば取得する土地の範囲は、公共用地は事業に必要な区域に限定し必要に応じて残地補償を行なうが、一般の土地取引では、通常、一筆単位である。また、土地の引渡しについては、公共用地の場合は更地引き渡しが原則であるが(別途、移転料等が補償される)、一般の土地取引では、通常、現状有姿(現在あるがままの状態)で引き渡すことになる。

-- 本文のリンク用語の解説 --

更地

建物等が存在しない土地のこと。

現状有姿

物件を意図的にそのままの状態で引き渡す現況有姿のこと。
現在あるがままの状態を意味。

山林や原野などを造成工事をしないで販売することを「現況有姿分譲」といい、市街化調整区域の別荘地などの分譲でよく行なわれる。通常は、電気、ガス、水道などの施設が整備されていないために、そのままでは生活できない。分譲広告の際には、現況有姿分譲地であってそのままでは生活する施設がない旨表示しなければならない。

また、売主の瑕疵担保責任を免れるために、売買契約中に「現況有姿で引渡す」旨記載して取引することがあるが(これを「現況有姿売買」という)、引渡しまでの間に目的物に変化があったときなどまで責任を免れることができるかどうかについては、消極的(ただちには免れない)に解する意見が強い。