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最終更新日:2017/12/8

都道府県自然環境保全区域

とどうふけんしぜんかんきょうほぜんくいき

都道府県は、自然環境を保全する必要性が特に必要な地域を「都道府県自然環境保全地域」に指定することができる(自然環境保全法第45条)。
「都道府県自然環境保全地域」は自然公園の区域を含まない。

「都道府県自然環境保全地域」に指定されると、建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、特別地区内の河川湖沼の水位・水量に影響を及ぼすような行為をする場合には、30日以上前に知事へ届出をすることが必要となる。

-- 本文のリンク用語の解説 --

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。

これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備

上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

工作物

土地に定着する人工物のすべてを指す。従って、建物だけでなく、広告塔なども「工作物」である。 工作物のうち、建築物は当然建築基準法の対象になる。

広告塔などは、本来建築基準法の対象外のはずだが、一定以上の規模のものは、建築確認の申請が必要であり、建築物と同じように扱われる。 具体的には次の工作物である(建築基準法第88条・施行令第138条)。 1.高さが2mを超える擁壁(ようへき)
2.高さが4mを超える広告塔
3.高さが6mを超える煙突
4.高さが8mを超える高架水槽
5.高さが15mを超える鉄柱 など

宅地造成

土地を宅地としての機能を備えたものとするために、切り土・盛り土等による斜面の平坦化などの工事、擁壁の設置工事、排水施設の設置工事、地盤の改良工事などを行なうこと。こうして形成された宅地は「造成地」と呼ばれる。 宅地造成のための工事のうち一定のものは、「宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)」に基づき、着手前に都道府県知事の許可を得なければならない。(詳細は「宅地造成等工事規制区域」を参照)
-- 関連用語 --
原生自然環境保全区域

原生状態を維持している一定以上の面積を有する国や自治体の所有地について、環境大臣が指定する区域(自然環境保全法第14条)。

建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、汚水や廃水の排出、車・馬・動力船の使用と航空機の着陸、植物・動物の採取・損傷、火入れ・焚き火、屋外での物の集積貯蔵、家畜の放牧などがすべて禁止される。

自然環境保全地域

 環境大臣が指定する、自然環境を保全する必要性が特に高い地域(自然環境保全法第22条)。
なお、「自然環境保全地域」は自然公園の区域を含まない。 「自然環境保全地域」に指定されると、建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、特別地区内の河川湖沼の水位・水量に影響を及ぼすような行為をする場合には、30日以上前に環境大臣へ届出をすることが必要となる(自然環境保全法第28条)。 また「自然環境保全地域」の中に特別地区が設けられることがある。この「特別地区」では建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、大臣の指定する湖沼・湿原の周囲1km以内で排水設備を設けての汚水や廃水の排出、大臣の指定する原野山林等での車・馬・動力船の使用と航空機の着陸などについては環境大臣の許可が必要である(自然環境保全法第25条)。