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最終更新日:2017/11/20

みなし有価証券(匿名組合出資持分の)

みなしゆうかしょうけん(とくめいくみあいしゅっしもちぶんの)

金融商品取引法第2条において規定する「有価証券」の定義のうち、同条第2項に掲げられたものを「みなし有価証券」という。

ここでは、信託法で規定された受益証券発行信託受益券が有価証券に指定されるとともに、従来は有価証券とされなかった信託受益権等が新たにみなし有価証券として指定され、かつ従来からみなし有価証券とされていた民法上の組合契約、商法上の匿名組合契約に基づく権利については、集団投資スキーム(ファンド持分)として広汎にみなし有価証券として指定された。

-- 関連用語 --
匿名組合出資持分

 資産運用のために組成される商法535条に規定する匿名組合契約(当事者の一方が相手方の営業のために出資し、その営業から生ずる利益を分配する契約で、外部に対しては商人である営業者だけが権利義務の主体として現わる)に係る出資の持分のこと。

 なお、匿名組合の営業者が不動産取引を行うことを目的として匿名組合契約により、投資家から出資を集める場合には、不動産特定共同事業法の許可を受けなければならない。

ビークル(Vehicle)

 英語では「乗り物」や「媒体」といった意味で、不動産等の資産の証券化に関して使われる場合は、証券発行主体となる器のことを指す。SPV(Special(Specific) Purpose Vehicle)と表記されることもある。SPC等の会社形態や商法上の匿名組合、民法上の任意組合などの組合形態、あるいは特定目的信託等がある。

 ビークルを介して証券化対象資産と投資家が結び付けられ、投資家は証券化対象資産から得られるキャッシュフロー等を得ることができる。

 オリジネーター(原資産保有者)が倒産した場合でも、その影響を受けない倒産隔離の仕組みを組成するためにビークルは利用される。

公募と私募(証券発行の)

証券取引法において有価証券の発行者が、不特定かつ多数(50人以上)に対して新たに発行される有価証券の取得の申込みを勧誘することを公募といい、公募に該当しない少数特定の機関投資家等を対象とした募集を私募という。

公募には投資家層を拡大することにより、市場での流通性を高められるメリットがある。

一方、私募には、証券発行に際して公募と比べて発行費用が少なくてすむことや募集期間を短くすることができるメリットがある。

なお、有価証券の募集等に際して専門的知識を有する銀行、証券会社等の適格機関投資家のみを勧誘の相手方とし、かつ発行された証券が適格機関投資家以外のものに譲渡される恐れが少ない場合の私募を通称「プロ私募」と呼ぶ。