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最終更新日:2017/11/20

不動産投資信託

ふどうさんとうししんたく

 投資家から集めた資金を主として不動産で運用し、その運用益を投資家に分配する集団投資スキームのひとつ。平成12年11月の投信法の改正により、投資信託の運用対象が、有価証券から不動産等を含む一般の財産権にまで拡大されたことから組成が可能となった。

 投信法が定める制度には投信信託制度と投資法人制度があり、前者の形態を契約型投信、後者を会社型投信と呼ぶ。平成13年9月に最初の不動産投資法人が東京証券取引所に上場した。

 不動産投資信託の英文字(Real Estate Investment Trust)の頭文字をとってJ-REIT(Jリート)とも呼ばれる。

-- 関連用語 --
集団投資スキーム

 不特定多数の投資家から集めた資金を原資として、市場で金融商品・不動産等に投資して運用・管理を行い、この運用収益等を投資家に分配する仕組みのこと。証券投資信託や不動産投資信託等がある。英語では「Collective Investment Scheme」という。

 集団投資スキームには、資産運用型と資産流動化型の二形態がある。
 前者は主として投資家の資金運用に、後者は主として資産保有者の資金調達に目的が置かれる。

投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)

投資信託又は投資法人を用いて投資者以外の者が投資者の資金を主として有価証券等に対する投資として集合して運用し、その成果を投資者に分配する制度として、投資者による有価証券等に対する投資を容易にすることを目的に昭和26年に制定された法律。一般的には略して「投信法」ということが多い。

平成12年5月の「証券投資信託及び証券投資法人に関する法律」の改正により、現行の法律名称に変更され、それまで主として有価証券とされていた投資信託の運用対象(特定資産)が不動産等にも拡大され、不動産投資信託(Jリート)の組成が可能となった(平成12年11月施行)。

投資信託制度と投資法人制度

投資家から集めた資金を主に不動産に投資する不動産投資信託に関して、投信法が規定する二つの制度のこと。

投資信託制度は契約型投資信託とも呼ばれ、「委託者指図型投資信託」と「委託者非指図型投資信託」の2種類に分類される。投資信託委託業者の指図に基づいて、信託財産を不動産等の特定資産に対する投資として受託者が運用する制度を「委託者指図型投資信託」、複数の委託者との間に締結する信託契約により受け入れた金銭を委託者の指図に基づかずに受託者が不動産等の特定資産に対する投資として運用する制度を「委託者非指図型投資信託」という。

投資法人制度は会社型投資信託とも呼ばれ、投資者が資産運用を目的として設立された社団である「投資法人」に出資した金銭を、投資法人から委託を受けた投資信託委託業者が主として不動産等の特定資産に対する投資として運用する制度をいう。

リート(REIT)・米国

Real Estate Investment Trustの略で、米国で一定の税制優遇措置を享受できる株式会社及び事業信託(Business Trust)として設立される不動産投資信託のこと。

公募又は私募により多数の投資家から集めた資金を、会社又は信託形態で複数の不動産へ分散投資を行い、運用利益を投資家の持分に応じて分配する仕組みで、1960年(昭和35年)に米国の内国歳入法の改正によって誕生した。

投資する対象によりエクイティリート(購入・建設を通じて直接不動産に投資)、モーゲージリート(不動産担保ローン等を通じて間接的に不動産に投資)、ハイブリットリート(エクイティとモーゲージを組み合わせたもの)に分類される。
また、発行形態(会社型リート、信託型リート)、リートの上場の有無により分類することができる。

内国歳入法で規定されている適格要件(非課税要件)は、(1)課税所得の90%以上を投資家に配当すること、(2)総資産の75%以上を不動産、不動産抵当貸付、他のREIT、現金、公債で保有すること、(3)年間総所得の75%以上が不動産賃貸収入、不動産抵当貸付・証券の利子収入、不動産処分益、他のREITの配当等によること、(4)100人以上の投資家を持ち、5人以下の投資家が発行済み株式の50%以上を保有しないこととなっている。