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最終更新日:2017/11/20

投資法人債

とうしほうじんさい

 資産運用を目的として設立された投資法人の資金調達の一手段で、株式会社における社債に相当する。

 上場Jリートのような、投資主の請求により投資口の払い戻しを行わないクローズエンド型投資法人に限り、投資法人規約に定めた額を限度として、役員会の承認を経て募集することができる(投信法139条の3)。

 投資法人債を募集する場合には、投資法人債管理者を定めて債権者のための弁済受領や債権保全などの債権管理を委託しなければならない、ただし、各投資法人債の金額が1億円以上である場合はこの限りではない(投信法139条の8)。このただし書は、一定以上の大口投資主を保護の対象から除外し、投資主保護の規制を緩和したものである。

-- 関連用語 --
投資口

 投信法において定められた、均等の割合的単位に細分化された投資法人の地位のこと(投信法2条21項)。

 株式会社における株式に相当するが、優先株式のような権利内容の異なる投資口を発行することは出来ない。また、投資口は無額面とされている(投信法76条)。

 投資口は譲渡可能であり、投資法人が投資口の譲渡に制限を設けることが出来ない点や投資口の引受けに係る払込は金銭でなければならない点(同法71条)が株式と異なる。

投資信託制度と投資法人制度

投資家から集めた資金を主に不動産に投資する不動産投資信託に関して、投信法が規定する二つの制度のこと。

投資信託制度は契約型投資信託とも呼ばれ、「委託者指図型投資信託」と「委託者非指図型投資信託」の2種類に分類される。投資信託委託業者の指図に基づいて、信託財産を不動産等の特定資産に対する投資として受託者が運用する制度を「委託者指図型投資信託」、複数の委託者との間に締結する信託契約により受け入れた金銭を委託者の指図に基づかずに受託者が不動産等の特定資産に対する投資として運用する制度を「委託者非指図型投資信託」という。

投資法人制度は会社型投資信託とも呼ばれ、投資者が資産運用を目的として設立された社団である「投資法人」に出資した金銭を、投資法人から委託を受けた投資信託委託業者が主として不動産等の特定資産に対する投資として運用する制度をいう。

投資法人債管理会社

 投資法人が投資法人債を募集する際に、原則としてその投資法人債の管理を行うために設置することが義務づけられている(投信法139条の8)。株式会社における社債管理者に相当する。ただし、募集に係る各投資法人債の金額が1億円以上である場合はこの限りではない。このただし書は、一定以上の大口投資主を保護の対象から除外し、投資主保護の規制を緩和したものである。

 投資法人債管理者は、債権者のために弁済の受領、債権の保全その他の投資法人債の管理を行う。投資法人債管理者は、銀行、信託会社、担保付社債信託法の免許取得会社でなければならない(投信法139条の8)。