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最終更新日:2017/11/20

契約締結等の時期の制限

けいやくていけつとうのじきのせいげん

 青田売り売買等のように契約締結時未完成の物件については、契約締結時から現実に物件が完成するまでに、設計変更のため当初の完成予想図と食い違いが生じたり、完成時期の遅延などによって買主等に不測の損害が生じるおそれがある。

 このため宅建業法は、宅建業者に対して、宅地の造成工事や建築工事の完了前は、開発許可・建築確認などの許可等を受けた後でなければ、売買・交換の契約当事者として契約の締結をしたり、代理・媒介を行ってはならないと規定している(宅建業法36条、同法施行令2条の5)。

 なお、予約契約も規制の対象とされている。

-- 関連用語 --
広告の開始時期の制限

 宅建業者が、未完成の宅地や建物について売買等の広告をしようとする場合には、取引物件である宅地や建物について行う造成工事や建築工事に関して必要な一定の許可等を受けてからでなければ、広告を開始してはならないことになっている(宅建業法33条)。

 ここで制限しているのは、宅建業者が売買・交換の当事者となる場合と、売買・交換・賃貸の媒介・代理を行う場合の広告についてである。

 一定の許可とは、都計法29条の許可、建基法6条1項の確認及び宅建業法施行令2条の5により規定された許認可等である。

手付金等の保全措置

買主が業者から宅地・建物などを購入する場合、物件の引渡しを受ける前に、手付金・中間金などの名目で代金の一部を払うことが多い。

しかし、万一売主である業者の倒産等により物件の引渡しができなくなった場合、支払済の手付金等の返還を受けられず、大きな損害を被るおそれがある。

そこで宅建業法は手付金等の返還を保証するため、手付金等の額が、
(1)工事完了前の売買にあたっては、売買代金の5%又は1,000万円を超えるとき、
(2)工事完了後の売買にあっては、売買代金の10%又は1,000万円を超えるとき
は、手付金等の保全措置を講じなければならないとしている(宅建業法41条、41条の2)。

保全の方法としては、次のものがある。
(a)銀行等との間に保証委託契約を結ぶ方法
(b)保険事業者との間に保証保険契約を結ぶ方法
(c)業者と指定保管機関との間で手付金等寄託契約を、業者と買主との間で質権設定契約を結ぶ方法(ただし、工事完了後の売買の場合に限る)

なお、手付金等の額が前記の一定金額以下の場合や買主への所有権移転登記等がされた場合は、保全措置を講ずる必要はない。