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最終更新日:2017/12/8

総有

そうゆう

ある財産が団体の所有となっており、その財産が団体によって強く拘束されている状態であることを「総有」という。

ある団体の財産が「総有」であるときは、各構成員はその団体財産について持分を持たない。従って、各構成員は団体財産に対して持分分割請求をすることができない。
また、各構成員が団体から脱退する際には、各構成員は持分の払い戻しを受けることができない。その反面、団体の債務については団体財産だけから弁済を行なえばよく、債権者は個々の構成員の個人財産から弁済を受けることはできないとされる。

社団法人の財産は社員の総有である。また、権利能力なき社団の財産も構成員の総有であるとされている(判例:最高裁昭和39年10月15日など)。

-- 本文のリンク用語の解説 --

権利能力なき社団

法律の規定によらないで設立される団体をいう。

法人は法律の規定に従って設立される必要があるとされているため、権利能力なき社団は法人格を有しない。

法人には、大きく分けて、 1.一般社団法人、一般財団法人等(一般社団法人および一般財団法人に関する法律による)
2.株式会社などの営利法人(会社法による)
3.学校法人、社会福祉法人、中小企業協同組合など(特別法による) があるが、これらの法律によって設立された法人以外の団体は、すべて権利能力なき社団である。

権利能力なき社団の多くは、同窓会、互助会、町内会、ボランティア団体など非営利目的で活動する団体である。これらの団体は、所有する不動産は代表者の個人名義または構成員の共有名義で登記しなければならない。原則として団体名義での銀行取引ができないなど、権利能力において制約がある。

なお、非営利目的で活動する団体は、一般的に、一定の要件を満たすことにより、 1.特定非営利活動促進法による認証
2.一般社団法人および一般財団法人に関する法律による設立の登記 のいずれかの方法によって法人格を得ることができる。
-- 関連用語 --
合有

ある財産が団体の所有となっているが、その団体による拘束が弱い状態であることを「合有」という。 具体的には、組合の財産は構成員の合有とされている。 ある団体の財産が「合有」であるときは、各構成員はその団体財産に対して持分分割請求をすることができない。
しかし、各構成員が団体から脱退する際には、各構成員は持分の払い戻しを受けることができる。また、団体の債務については団体財産だけでなく、個々の構成員の個人財産からも弁済を行なわなければならない。