不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

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最終更新日:2008/10/29

資産流動化型(不動産の証券化における)

しさんりゅうどうかがた(ふどうさんのしょうけんかにおける)

不動産の証券化における類型の一つで、特定の不動産を流動化して資金を調達することを主な目的とした仕組みをいう。保有する資産を特定目的会社に譲渡し、または特定目的信託に供して、その資産を裏づけとした証券等を発行することによって資産を資金化する手法である。

これに対して、不動産を売買・運用してその利益を投資家に配分することを主な目的とする仕組みを「資産運用型」という。

しかしながら、不動産の流動化に当たっては不動産の売買・運用を伴うし、資産を運用してその利益を投資家に配分することは結果として資産の流動化に資する。両者に際立った差はないが、その主な違いは、証券化するための仕組みの根拠となる法律である。「資産流動化型」の仕組みは「資産の流動化に関する法律(資産流動化法)」により、「資産運用型」の仕組みは「投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)」により構築される。前者の仕組みによるSPEが特定目的会社(SPC)や特定目的信託(SPT)であり、後者の仕組みによるSPEが投資法人や投資信託である。

-- 本文のリンク用語の解説 --

不動産の証券化

不動産を流動化するための典型的な手法であり、不動産から価値を切り離したうえで、その価値を細分化し、証券の形で流通させることをいう。

そのしくみは、大まかには3つの段階によって構成される。(1)流動化の対象となる不動産をSPC等や信託受託者が譲渡を受ける。これによって元の資産保有者(オリジネーター)から不動産が切り離され、不動産そのものの価値(収益力・リスク等)が明確になる。(2)SPC等や信託受託者は、不動産から得られるであろう収益(インカムゲインとキャピタルゲイン)を裏づけとして証券(出資口・信託受益権等)を発行する。これによって、不動産の価値が細分化される。(3)証券を流通させる。これによって、不動産が金融商品の形で取引されることになる。

このとき、それぞれの段階でしくみを工夫し、元の不動産の価値を加工して、多様な不動産証券化商品を作り出すことができる。例えば、(1)の段階では、異なる複数の不動産をプールしてリスクを分散すること、(2)の段階では、収益の配分を優先・劣後の関係に構造化してリスクとリターンの異なる証券を発行することなどが行なわれている。また、(3)の段階では、金融市場における不動産証券化商品の特性を明確にして、投資家による適正な判断を可能とするサービスなどが提供されている。さらに通常は、収益性を確保するために、不動産の運用は専門の運用者に委託される。

不動産の証券化において鍵となるのは、不動産からの収益を最適化するような不動産経営能力、および、不動産市場の動向を的確に把握するための市場情報である。しかしながら、その向上・充実を図るための仕組みは、現在、発展途上にある。

特定目的会社

特定の資産を裏付けとした有価証券を発行するためだけに設立された法人で、「資産の流動化に関する法律」に基づいて設立される特別な社団をいう。通常SPC(Special Purpose Company)といわれ、また、TMKと略称されることもある。不動産の証券化などのために活用される一種のペーパーカンパニーであり、資産処分とともに解散される。
 
その重要な機能は、証券化の対象になる資産を独立させ、責任を資産価値の範囲内に限定すること(倒産隔離機能)、および、投資家への二重課税を回避するための器となること(導管体機能)である。資産の管理運用などの具体的業務は、一定の要件を備えた会社等に委託される。
 
なお、資産の流動化に関する法律では、資産流動化の方法として、特定目的会社を用いる場合のほか、特定目的信託を用いる場合を規定している。

特定目的信託

不動産証券化手法の一つで、資産の流動化を目的とした信託をいう。通常SPT(Special purpose Trust)といわれる。

「資産の流動化に関する法律(資産流動化法)」によって制度化されており、対象特定資産の保有者は、信託契約締結時に、信託受益権を分割して複数の者に取得させることを目的とする旨定めて、当該資産を流動化する仕組みである。特定目的会社とほぼ同様の機能を発揮することができる。

資産の流動化に関する法律(資産流動化法)

特定目的会社または特定目的信託を用いて資産を流動化するためのしくみを定めた法律(平成10(1998)年6月公布)。SPC法ともいわれる。
 
特定目的会社(SPC)や特定目的信託が、不動産などの資産を保有・運用し、その収益を裏づけとして証券や信託受益権を発行する(これにより資産が流動化される)場合の手続きやルールを決めている。

当初、流動化の対象となる資産が限定されていたが、平成13(2001)年4月の改正で、すべての財産権を対象とした流動化が可能となった。資産の有効的な活用や、多様な金融商品の開発に当たって重要な役割を果たす法律である。

投資信託及び投資法人に関する法律

投資者から資金を集め、投資者以外の者がその資金を集合して特定の資産に対する投資として運用し、その成果を投資者に分配する制度を定める法律。「投信法」と略称されることがある。
 
その方法として、(1)投資者が拠出した財産を信託財産とし、信託契約によって投資運用してその利益を受益者に分配する形式(契約型)と、(2)投資者が、特定資産に対する投資運用を目的とした社団(投資法人)を設立してその利益を分配する形式(会社型)とを定める。(1)の形式には、委託者の指図に基づいて投資運用するタイプ(委託者指図型投資信託)と、指図に基づかないで投資運用するタイプ(委託者非指図型投資信託)とがある。また、信託受益権を表示した受益証券((1)による)や、投資法人から利益の分配を受ける権利を表示した証券((2)による)は、いずれも有価証券とされており、その取引に当っては金融商品取引法に従わなければならない。
 
なお、この法律は昭和26(1951)年に制定され、当初は、契約型の方法で有価証券を対象に投資することのみを許していたが、平成10(1998)年に会社型の方法が認められた。また平成12(2000)年には投資対象となる特定資産して不動産等が追加された。JREITは、この法改正によって組成が可能となったのである。
-- 関連用語 --
資産運用型(不動産の証券化における)

不動産の証券化における類型の一つで、複数の不動産を売買・運用して、その利益を投資家に配分する仕組みをいう。
金融商品を開発して投資家に販売することを主な目的とした不動産の証券化に用いられることが多く、JREITも資産運用型の仕組みを活用している。不動産の運用収益を高めることに焦点がある。
 
これに対して、特定の不動産を流動化して資金を調達することを主な目的とした仕組みを、資産流動化型という。