不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

このページを印刷する

最終更新日:2008/10/29

地上権等がある場合等における売主の担保責任

ちじょうけんとうがあるばあいとうにおけるうりぬしのたんぽせきにん

民法第566条の規定により売買契約における売り主が負うべき無過失責任のこと

(1)売主の担保責任
民法では、売り主が責任を果たさない場合には、買い主は売り主の債務不履行責任を追及できると定めている(民法第415条:損害賠償、民法第541条:解除)。しかしこのような債務不履行責任を買い主が追及できるのは、売り主に帰責事由(故意または過失)がある場合だけである。

しかしこれでは買い主の保護に欠け、売買契約への信頼性をそこなうことになりかねない。そこでわが国の民法では、売り主に帰責事由がない場合(すなわ売り主が無過失である場合)であっても、一定の場合には売り主が買い主に対して責任を負うと定めている。このような売り主の無過失責任が「売り主の担保責任」である。

(2)民法第566条による売り主の担保責任
売り主の担保責任のひとつとして、地上権等がある場合等における売り主の担保責任がある(民法第566条)。
これは買い主が知らない地上権、対抗力のある不動産賃借権(下記(4)参照)、地役権、留置権、質権が付着していた場合に、買い主が売り主に対して追及できる責任である。また、存在するはずの地役権が存在しない場合にもこの責任を追及できる。
民法第566条の内容は具体的には次のとおり。

(ア)善意(地上権等があること等を知らなかった)の買い主は、売り主に対して、契約解除、損害賠償請求ができる。売り主はたとえ無過失であったとしても契約解除・損害賠償請求を拒絶することができない。
(注:ただし契約解除は、地上権等があること等の事情が存在しかったならば、買い主が買わなかったであろう場合にのみ行なうことができる)

(イ)悪意の買い主(地上権等があること等を知っていた買い主)は、売り主に対して、契約解除・損害賠償請求のいずれも行なうことができない。
(注:悪意の買い主は民法第566条では権利を行使できないが、売り主に故意過失がある場合であれば売り主の債務不履行責任を追及することはできる)

(3)権利を行使できる期間
上述の(2)に挙げた民法566条による善意の買い主の契約解除権・損害賠償請求権は、善意の買い主が事情(地上権等があること等)を知った日から1年以内に行使しなければならない。

(4)対抗力のある不動産賃借権
民法第566条による売り主の担保責任を追及できる場合のひとつとして「対抗力のある不動産賃借権が付着していた」場合がある。ここで言う「対抗力のある不動産賃借権」とは次の3種類である。
(ア)建物賃借人が引渡しを受けた建物の「建物賃借権」
(イ)建物の登記のある借地人の建物の存する土地の「借地権」
(ウ)土地賃借人が引渡しを受けた農地の「土地賃借権」