最終更新日:2008/10/29
代価弁済
だいかべんさい抵当権が付着している不動産(抵当不動産)が第三者に譲渡された場合に、債権者が自らの意思により、抵当不動産の所有者から債権の一部の弁済を受け取ることで、抵当権が消滅するという仕組みのこと。民法第377条に規定されている。
例えば、債権者Aが債務者Bに3,000万円を融資し、不動産Pに3,000万円の抵当権を設定したとする。その後Bがこの不動産Pを500万円で第三者Cへ売却したとする。本来この不動産Pの時価評価は3,500万円だが、3,000万円の抵当権が付着している分だけ売却価格が下げられているとする。
このとき債権者Aは、第三取得者Cに対して「Cは抵当権の代価として2,800万円をAに支払え」と請求することができる(2,800万円という金額は例えとして挙げたもので、事情により幾らにするかは債権者が決めてよい)。このAの請求に対してCがその金額を支払った場合には、抵当権が消滅し、Cは抵当権の付いていない不動産の所有者となる。このような仕組みが民法377条に規定する代価弁済である。
また、これによく似たものとして、民法第474条では「第三者弁済」という仕組みも設けられている。これは、第三者が他人の債務を肩代わりして弁済できるというものである。先程の例でいえば、第三取得者Cは債権の全額である3,000万円を、債権者の意思に関係なくいつでも債権者Aに支払うことができ(民法第474条第2項)、その結果として、Aの抵当権は原則として消滅するということである。
なお、債権者と第三取得者との利害を調整する仕組みとしては、代価弁済のほかに、民法第378条の抵当権消滅請求がある。(詳しくは抵当権消滅請求へ)
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第三取得者
抵当権が付着している不動産を、抵当権が付着した状態のままで取得した者のこと。
第三者取得者は、抵当権が付着している不動産(抵当不動産)の所有権を一応有してはいるが、債務の返済ができなくなった場合等では、債権者はいつでも抵当不動産を任意競売にかけることができる(抵当権の実行)。そのため、第三取得者は、所有権を喪失し、損害を受ける危険に常にさらされている。
そこで民法では、債権者(抵当権者)と第三取得者との利害の調和を図るために、「代価弁済」と「抵当権消滅請求」という2種類の仕組みを用意している。(詳しくは「代価弁済」「抵当権消滅請求」へ)
第三者取得者は、抵当権が付着している不動産(抵当不動産)の所有権を一応有してはいるが、債務の返済ができなくなった場合等では、債権者はいつでも抵当不動産を任意競売にかけることができる(抵当権の実行)。そのため、第三取得者は、所有権を喪失し、損害を受ける危険に常にさらされている。
そこで民法では、債権者(抵当権者)と第三取得者との利害の調和を図るために、「代価弁済」と「抵当権消滅請求」という2種類の仕組みを用意している。(詳しくは「代価弁済」「抵当権消滅請求」へ)
抵当権消滅請求
抵当権が付着している不動産を、抵当権が付着した状態のままで取得した者(第三取得者という)は、いつ債権者の意向により任意競売(抵当権の実行)にかけられるかわからないという不安定な状態に置かれてしまう。
そこで民法第378条では、第三取得者からの請求により抵当権を消滅させることができるという仕組みを設けており、この仕組みを「抵当権消滅請求」と呼んでいる(民法改正により2004年4月1日以降は「抵当権消滅請求」という名称になった。旧名称は「滌除(てきじょ)」)。
なお、この反対に、債権者からの請求により抵当権が消滅する仕組みとして民法第377条の代価弁済が設けられている。(詳しくは代価弁済へ)
民法第378条の抵当権消滅請求の仕組みは次のとおり。
まず、抵当権が付着している不動産を、抵当権が付着した状態のままで取得した者(第三取得者)は、自分が適当と認める金額を債権者に呈示して、抵当権の消滅を要求することができる(改正後の民法第378条)。債権者がこの要求から2ヵ月以内に任意競売の手続き(すなわち競売の申し立て)を行なわない場合には、第三取得者が呈示した金額の支払いで抵当権が消滅することを債権者が承諾したことになる(改正後の民法第384条)。
例えば、債権者Aが債務者Bに3,000万円を融資し、不動産Pに3,000万円の抵当権を設定したとする。その後Bがこの不動産Pを500万円で第三者Cへ売却したとする。本来この不動産Pの時価評価は3,500万円だが、3,000万円の抵当権が付着している分だけ売却価格が下げられているとする。
このとき第三取得者Cは、債権者Aに対して「Cが2,500万円をAに支払うので、これにより抵当権を消滅させる」旨を請求することができる(2,500万円という金額は例えとして挙げたもので、事情により幾らにするかは第三取得者が決めてよい)。
このCの請求を拒否するためには、Aは請求から2ヵ月以内に任意競売の申し立てをしなければならない。Aが任意競売の申し立てをしないときは、Cが2,500万円を支払うことで抵当権が消滅する。このような仕組みが改正後の民法378条に規定する抵当権消滅請求である。
(補足)「滌除」と「抵当権消滅請求」の違いについて
現在の「抵当権消滅請求」では、抵当不動産の所有者からの要求により抵当権が消滅するが、民法改正前の「滌除」では、抵当不動産の所有者のほかに、抵当不動産の地上権の取得者も抵当権の消滅を要求することができた(旧民法第378条)。
また現在の「抵当権消滅請求」では、債権者は単純に2ヵ月以内に任意競売を申し立てればよいが、民法改正前の「滌除」では、増価競売をする必要があった。また増価競売をして買受人が現れなかった場合には、債権者自らが抵当不動産を増価競売の価額で買い取ることが必要とされていた(旧民法第383条・第384条)。(詳しくは増価競売へ)
そこで民法第378条では、第三取得者からの請求により抵当権を消滅させることができるという仕組みを設けており、この仕組みを「抵当権消滅請求」と呼んでいる(民法改正により2004年4月1日以降は「抵当権消滅請求」という名称になった。旧名称は「滌除(てきじょ)」)。
なお、この反対に、債権者からの請求により抵当権が消滅する仕組みとして民法第377条の代価弁済が設けられている。(詳しくは代価弁済へ)
民法第378条の抵当権消滅請求の仕組みは次のとおり。
まず、抵当権が付着している不動産を、抵当権が付着した状態のままで取得した者(第三取得者)は、自分が適当と認める金額を債権者に呈示して、抵当権の消滅を要求することができる(改正後の民法第378条)。債権者がこの要求から2ヵ月以内に任意競売の手続き(すなわち競売の申し立て)を行なわない場合には、第三取得者が呈示した金額の支払いで抵当権が消滅することを債権者が承諾したことになる(改正後の民法第384条)。
例えば、債権者Aが債務者Bに3,000万円を融資し、不動産Pに3,000万円の抵当権を設定したとする。その後Bがこの不動産Pを500万円で第三者Cへ売却したとする。本来この不動産Pの時価評価は3,500万円だが、3,000万円の抵当権が付着している分だけ売却価格が下げられているとする。
このとき第三取得者Cは、債権者Aに対して「Cが2,500万円をAに支払うので、これにより抵当権を消滅させる」旨を請求することができる(2,500万円という金額は例えとして挙げたもので、事情により幾らにするかは第三取得者が決めてよい)。
このCの請求を拒否するためには、Aは請求から2ヵ月以内に任意競売の申し立てをしなければならない。Aが任意競売の申し立てをしないときは、Cが2,500万円を支払うことで抵当権が消滅する。このような仕組みが改正後の民法378条に規定する抵当権消滅請求である。
(補足)「滌除」と「抵当権消滅請求」の違いについて
現在の「抵当権消滅請求」では、抵当不動産の所有者からの要求により抵当権が消滅するが、民法改正前の「滌除」では、抵当不動産の所有者のほかに、抵当不動産の地上権の取得者も抵当権の消滅を要求することができた(旧民法第378条)。
また現在の「抵当権消滅請求」では、債権者は単純に2ヵ月以内に任意競売を申し立てればよいが、民法改正前の「滌除」では、増価競売をする必要があった。また増価競売をして買受人が現れなかった場合には、債権者自らが抵当不動産を増価競売の価額で買い取ることが必要とされていた(旧民法第383条・第384条)。(詳しくは増価競売へ)