最終更新日:2008/10/29
リート
りーと不動産投資信託のこと。「Real Estate Investment Trust」の頭文字を並べて「REIT」(リート)と呼ばれている。
不動産投資信託(リート)は、もともと1960年にアメリカで生まれた金融商品である。不動産投資信託(リート)の基本的な仕組みは、多数の投資家から資金を集め、不動産投資信託を運営する「投資法人」がその資金を不動産(オフィスビルなど)に投資し、不動産から生ずる賃料収入などを投資家へ配分するというものである。
この不動産投資信託(リート)の最大の特徴は、投資法人が獲得した利益について、その利益のほとんどを投資家へ還元するならば、投資法人にかかる法人税は免除されるという点である。つまり投資法人は不動産と投資家との間を橋渡しする単なる器(うつわ)にすぎないという考え方により、投資法人自体は法人税非課税とされているのである。
1960年にアメリカで誕生したリートの市場は1990年代に入って急拡大し、アメリカでは200以上のリートが株式市場に上場されて、有力な金融商品となっている。
これに対して、かつて日本国内では法律上の問題から不動産投資信託(リート)を設立することができなかったが、平成12年に従来の「証券投資信託法」が改正され、「投資信託及び投資法人に関する法律」(改正投信法)となったことにより、日本でも不動産投資信託(リート)が解禁された。
日本国内での投資信託の対象となる資産は、従来は有価証券(株式、社債など)に限定されていたが、この平成12年の法改正により、投資信託の対象資産に、不動産が加えられた。これにより日本でも、不動産を対象とする投資信託が初めて可能になったのである。この法改正によって登場した不動産を運用対象とする投資信託は「不動産投資信託」「日本版リート」「Jリート」等と呼ばれている。
このような日本の不動産投資信託には、法的な仕組みとして、会社型投資信託と契約型投資信託の2種類があるが、現在のところ会社型投資信託が大半を占めている。また日本の不動産投資信託は、証券取引所に上場することが可能とされており、平成13年(2001年)9月10日の初上場以来、既に多数の不動産投資信託が東京証券取引所および大阪証券取引所に上場され、通常の上場株式と同様に毎日売買されている。
日本の不動産投資信託(会社型)では、投資主体である会社は「投資法人」と呼ばれ、その会社に出資する投資家は「投資主」と呼ばれる。また実際に不動産の取得・運用・売却を指揮する不動産投資のプロフェッショナルは「投資信託委託業者」と呼ばれている(投資信託委託業者は「資産運用会社」とも呼ばれる)。
最後に、日本の不動産投資信託に投資する際のポイントをいくつか挙げたい。
第1に、投資口(投資家が投資法人に出資する単位。普通の会社における株式に相当する)が20から100万円程度に設定されており、比較的購入しやすいものとなっている。
第2に、投資法人から投資家へ還元される分配金(通常の会社では配当金に相当する)は投資口価格(通常の会社では株価に相当する)に対して、3〜4%という高水準にある。このため、預貯金や国債と比較して高い利回りを期待することができる。ただし投資口価格の下落による損失の危険もあることに留意したい。
第3に、投資法人の投資先はオフィスビル・商業ビル・賃貸マンションなど多岐にわたるが、各投資法人ごとに特色があるので、投資口を購入する際に各投資法人の運用方針を、「資産運用報告書」などで理解しておくのが望ましい(資産運用報告書は各投資法人のホームページで公開されている)。
第4に、投資法人は、資金を投入した不動産に関する情報の開示(ディスクロージャー)を法律により義務付けられている。具体的には、投資信託法(および政令)により「資産運用報告書」を開示しなければならない。この運用報告書には、投資対象であるひとつひとつの物件の稼働率・賃料収入が明記されている。ただし物件に入居しているテナントの名称までは開示されない(ごく一部の大口テナントの名称は有価証券報告書に記載される)。投資口を購入する際には、こうした物件の稼働率をチェックしておきたい。
第5に、投資法人の売上は、賃料収入と不動産の売却益から構成される。その反面、保有する不動産の時価の上昇・下落は売上高には算入されない。そこで不動産の購入価格(簿価)と不動産の時価とのズレに関する情報を投資家に開示する必要が生じる。この点、上場された不動産投資信託については「有価証券報告書」において、不動産鑑定士の鑑定による会計期末の各物件の時価を表示することが投資法人に義務付けられているので、投資口の購入の際の参考とすることができる。
投資法人(投資信託における)
投資法人の設立には内閣総理大臣への登録が必要で、出資総額は1億円以上とされるなど、一定の要件を満たさなければならない。また、投資法人は、投資主に対して会計情報等を開示するなど、その業務運営に関して規制があり、金融商品取引法等によって金融庁等の監督を受ける。
なお、投資法人による投資運用は、実際には、投資信託委託業者が行なっている。例えば、不動産投資信託(JREIT)の場合には、不動産と金融に詳しい専門家がこれに当たることが多い。
投資主(投資信託における)
会社型投資信託は金融商品の一つとして販売されているが、その投資口(株式会社における株式に相当する)を購入した者が投資主である。投資主は、投資法人の構成員となる。
投資主には、投資運用の結果得られた利益を分配金として受け取ること、投資主総会において議決権を行使すること、代表訴訟(投資信託委託業者、執行役員等に対する訴訟)の提起権や総会決議取消請求権を行使することなど、一定の権利が与えられている。
投資信託委託業者
不動産投資信託における投資法人は、資産運用方針・資金調達方針を決定する主体ではあるが、専門的な不動産運用の部署を投資法人の内部に設置することは法律上できない。
そこで、調達した資金をどの不動産に投資するか、どの不動産を売却するか等の専門的判断は、すべて不動産のプロであるところの投資信託委託業者に委託することとされている。このように不動産投資信託の実際の運用を行なうという意味で、投資信託委託業者は「ファンドマネージャー」「アセットマネージャー」「資産運用会社」と呼ばれることがある。
投資信託委託業者は、不動産運用に関する報酬を投資法人から受け取る。この報酬額の定め方は、上場された不動産投資信託の場合は、有価証券報告書で確認することができるが、多くの場合、運用成績に連動した報酬額とされている。
なお投資法人が保有するオフィスビル等を実際に管理運営する不動産管理専門会社は、投資信託委託業者ではないことに注意したい。