最終更新日:2008/10/29
時効完成後の債務の承認
じこうかんせいごのさいむのしょうにん債務が消滅時効により消滅した後に、債務者が、消滅時効が完成したことを知らないまま、債務の存在を承認することを「時効完成後の債務の承認」という。
例えばBがAから借金をしていた場合に、時効期間の経過により債権の消滅時効が完成し、すでに債務が消滅しているのに、AがBに返済を督促したとする。このときBが、消滅時効の完成を知らないまま、Aに対して返済の猶予を求めたり、一部だけ返済したとしよう。このようなBの行為が、時効完成後の債務の承認に該当する。
この場合、Bの債務はすでに消滅しているのであるから、Bは時効の完成を主張すれば(すなわち時効を援用すれば)、消滅時効の起算点にさかのぼって債務は消滅するので、起算点以降に支払った金銭の返還を求めることができると考えることもできる。
しかし判例では、このようなBについて、いったん債務の存在を認めるような行為(返済の猶予を求めるなどの行為)をした以上は、その行為の後であらためて消滅時効を援用することは許されないとしている。
この理由は「いったん債務の存在を承認した以上、債権者Aとしては債務者Bがもはや消滅時効を主張することはない、と信頼するのが通常である。BはこのAの信頼を裏切ることは許されない」と説明されている。従って、時効完成後の債務の承認により、時効の援用権の行使が不可能になるということができる。
-- 本文のリンク用語の解説 --
債務
人がある人に対して給付を履行しなければならないという義務を債務という。
消滅時効
一定期間、権利を行使しないという事実状態が継続することにより、債権などの権利が消滅するという時効を消滅時効という。消滅時効にかかる権利は債権、用益物権、担保物件であるが、権利の性質により消滅時効が完成するまでの期間はさまざまである。
普通の金銭債権は10年間行使しないことにより消滅時効によって消滅する(民法第167条第1項)。また用益物権は20年行使しないことにより消滅する(民法第167条第2項)。
またその性質により短期で消滅させるべき債権は5年、3年、2年、1年の短期消滅時効により消滅する(民法第168条から174条)。
普通の金銭債権は10年間行使しないことにより消滅時効によって消滅する(民法第167条第1項)。また用益物権は20年行使しないことにより消滅する(民法第167条第2項)。
またその性質により短期で消滅させるべき債権は5年、3年、2年、1年の短期消滅時効により消滅する(民法第168条から174条)。