不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

このページを印刷する

最終更新日:2008/10/29

錯誤

さくご

錯誤とは、内心的効果意思表示行為が対応せず、しかも表意者(=意思表示をした本人)がその不一致を知らないことである。
錯誤は本来、内心的効果意思を欠く意思表示であるから、錯誤にもとづいて法律行為を行なった本人を保護し、錯誤にもとづく法律行為を無効とするのが原則である。しかしそれでは表意者の意思表示を信頼した相手方の保護に欠ける結果となるので問題である。
そこで民法第95条では次の方法により表意者保護と相手方保護の調整を図っている。

1:法律行為の要素に関して錯誤があったとき
意思表示は法律行為の要素に錯誤があった場合に無効とする(民法第95条)。法律行為の要素とは「意思表示の内容の主要な部分であり、社会通念上この点について錯誤がなければ表意者はそのような意思表示をしなかっただろうと認められるような部分」のことである。このような重要な部分について錯誤があれば、表意者を保護しようという趣旨である。

2:表意者に重大な過失があったとき
表意者に重大な過失があったときは、表意者が自ら無効を主張することができない(民法第95条但書)。これは表意者が少し注意すれば、要素に関する錯誤を回避できた場合には、その表意者は保護に値しないので、無効の主張ができないものとするという意味である。なお、表意者に重大な過失があった場合でも、相手方が錯誤を知っていた場合には、相手方を保護する必要はないので、表意者から無効を主張することが可能となる(判例)。

なお民法第95条では、動機そのものが思い違いに基づくものである場合には「錯誤」の範囲に含めることができないので表意者を保護することは本来できないが、判例ではこうした場合にも一定の要件のもとで「錯誤」として取扱い、表意者を保護している(詳しくは動機の錯誤へ)。

-- 本文のリンク用語の解説 --

表示行為

内心的効果意思(具体的にある法律効果を意欲する意思)を外部に表示する行為のこと(詳しくは意思表示へ)。

意思表示

一定の法律効果を欲するという意思を外部に表示することである。
意思表示は次の3つの部分から構成されている。

1:内心的効果意思
具体的にある法律効果を意欲する意思のこと。例えば店頭で品物を買おうと意欲する意思が内心的効果意思である。

2:表示意思
内心的効果意思にもとづいて、その意思を表示しようとする意思のこと。
例えば、店頭で品物を買うために、店員にその旨を伝えようとする意思である。
(なお表示意思を内心的効果意思に含める考え方もある)

3:表示行為
内心的効果意思を外部に表示する行為のこと。
例えば、店頭で品物を買うために、店員にその旨を告げることである。

なお、内心的効果意思のもととなった心意は「動機」と呼ばれる。例えば、品物を家族にプレゼントしようという意図が「動機」である。しかし現在は判例・通説では「動機」は原則として、意思表示の構成要素ではないとされている。

法律行為

法律関係を変動させようとする意思にもとづく行為のこと。
具体的には、契約、単独行為、合同行為が法律行為である。
なお、意思表示は法律行為の主要な要素であるとされている。

動機

内心的効果意思(具体的にある法律効果を意欲する意思)を形成するもととなった心意のこと。
例を挙げれば、品物を家族にプレゼントしようという意図が「動機」であり、その動機にもとづいて店頭で品物を買おうと意欲する意思が「内心的効果意思」である(詳しくは意思表示へ)。