不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

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最終更新日:2008/10/29

有害物質使用特定施設に係る土地の調査

ゆうがいぶっしつしようとくていしせつにかかるとちのちょうさ

土壌汚染対策法第3条および第4条では、特定有害物質による健康被害を防止するために、土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。
このうち同法第3条では、有害物質使用特定施設の使用が廃止されたとき、その施設を設置していた工場・事業場の敷地であった土地について、土地所有者等は土壌汚染状況調査を実施しなければならないと規定している。これを「有害物質使用特定施設に係る土地の調査」という(同法第3条第1項)。
「有害物質使用特定施設に係る土地の調査」は、工場・事業場が特定有害物質を使用等する施設を使用しなくなった機会をとらえて、この機会において特定有害物質が土壌に含まれていないかどうかを調査するものである。

この調査を実施する義務を負う主体は土地所有者等であり、調査に当たっては土壌汚染調査機関が調査を行なう必要がある。また特定有害物質がゼロまたは法定基準に満たない濃度であったとしても、知事に対して土壌汚染状況調査結果報告書を提出する義務がある(同法第3条第3項)。

なお土壌汚染状況調査に代わる知事の確認を受けた場合にはこの調査を実施しなくてよい(同法第3条第1項但書)。また敷地面積300平方メートル以下の工場・事業場については土壌汚染状況調査の一部免除という措置が設けられている。

-- 本文のリンク用語の解説 --

土壌汚染対策法

有害物質による市街地の土壌汚染の状況を調査し、土壌汚染による健康被害を未然に防止するために制定された法律。平成15年2月15日より施行されている。

市街地の土壌汚染に関して、国は平成11年に環境基本法に基づく「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」を定めている。また地下水経由の土壌汚染については水質汚濁防止法で規制し、ダイオキシン類による土壌汚染についてはダイオキシン類対策特別措置法が大きな役割をになっている。しかしながら、市街地の土壌汚染について包括的な規制を加えたのは、この土壌汚染対策法が初めてである。

土壌汚染対策法の概要は次のとおりである。

1)用語の定義
25種類の物質を特定有害物質と定義する。またそれらの物質を使用等する施設を、有害物質使用特定施設と定義する。

2)土壌汚染状況調査の義務付け
次の2つの場合に土地所有者等に対して土壌汚染状況調査を実施することを義務付ける。

ア:有害物質使用特定施設に係る土地の調査
有害物質使用特定施設の使用を廃止した場合には、土地所有者等は使用廃止から120日以内に土壌汚染状況調査の結果を知事に報告しなければならない。これは特定有害物質を取り扱う施設が廃止された機会をとらえて、その機会においてのみ特定有害物質の土壌中の濃度を調査するという制度である。

イ:健康被害が生ずる恐れのある土地の調査
土壌汚染により人の健康に被害が生じる恐れがあるときや、土地所有者等が上記アの調査を実施する義務を怠ったときは、知事は土地所有者等に対して土壌汚染の状況を調査するよう命令することができる。

3)汚染が判明した土地に対する措置
土壌汚染状況調査の結果、汚染状態が法定基準に適合しない場合には、その汚染された土地の区域は知事によって汚染土地の指定を受け、都道府県または市町村の公報に掲載される。さらに汚染土地の指定を受けた土地は汚染土地の指定区域台帳に登載される。知事はこのような汚染土地に対して土壌汚染の除去等の措置を命令する場合がある。

このように汚染が判明した土地については厳しい措置が予定されているが、土壌汚染状況調査はあくまでも有害物質使用特定施設が廃止された時点においてのみ実施される調査(上記ア)が原則であり、それ以外の調査(上記イ)はきわめて稀な例外にすぎない。

また上記アの調査自体も実質的に免除される措置が複数設けられている(詳しくは土壌汚染状況調査に代わる知事の確認、土壌汚染状況調査の一部免除へ)。

なお土壌汚染対策法について、環境省は当初は少なくとも10年間は見直さない予定であったが、国会審議により「10年以内であっても適宜見直す」旨が付帯決議として決議されている。

特定有害物質

土壌汚染対策法において、人の健康に被害を生ずる恐れが大きいものとして指定された25種類の物質のこと。
なお、ダイオキシン類については、ダイオキシン類対策特別措置法において土壌汚染対策が定められているので、土壌汚染対策法の特定有害物質からは除外されている。

土壌汚染対策法では、特定有害物質を使用する特定の施設(「有害物質使用特定施設」という)の使用を廃止したとき、土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。
特定有害物質はその性質により次の3種類に区分されている。
1)トリクロロエチレン・テトラクロロエチレンなどの11種類の揮発性有機化合物(詳しくは第1種特定有害物質へ)
2)鉛、砒素などの9種類の重金属等(詳しくは第2種特定有害物質へ)
3)有機リン化合物などの5種類の農薬等(詳しくは第3種特定有害物質へ)

土壌汚染状況調査

土壌汚染対策法第3条および第4条によって土地所有者等に義務付けられている土壌汚染状況の調査のこと。

土壌汚染対策法では、揮発性有機化合物等の特定有害物質による汚染状況を把握し、健康被害を防止するために、次の2つの場合において土地所有者等に対して土壌汚染状況調査の実施を義務付けている。
1)有害物質使用特定施設の使用が廃止されたとき、その施設を設置していた工場・事業場の敷地であった土地について、土地所有者等は土壌汚染状況調査を実施しなければならない。これを有害物質使用特定施設に係る土地の調査という(同法第3条第1項)。ただし土壌汚染状況調査に代わる知事の確認を受けた場合には調査を実施しなくてよい(同法第3条第1項但書)。
2)都道府県知事は、上記1)以外の場合であっても、特定有害物質による土壌汚染により健康被害が生ずる恐れがある場合には、土地所有者等に対し、土壌汚染状況調査を実施することを命令することができる。これを健康被害が生ずる恐れのある土地の調査という(同法第4条第1項)。

なお土壌汚染状況調査の方法は同法施行規則により詳細に法定されている。
上記1)および2)のどちらについても施行規則で定める方法により土壌ガス調査・土壌溶出量調査・土壌含有量調査のいずれか(または複数)を実施することとされている(同法施行規則第3条〜第5条)。

有害物質使用特定施設

その敷地であった場合に、土壌汚染の情況調査が必要とされる施設をいう。土壌汚染の恐れのある有害物質を使用していた施設であることから、その敷地が汚染されている恐れがあるためである。

対象となる施設は、1)水質汚濁防止法において設置の届出、排水規制などの対象となっている施設(特定施設)であって、かつ、2)鉛、砒素、トリクロロエチレンなど、土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずる恐れがあるもの(特定有害物質、具体的に政令で定められている)を、製造し、使用し、または処理する施設、である。

有害物質使用特定施設1)および2)の両方に該当する施設の使用が廃止された場合には、その敷地の所有者等は土壌汚染の情況を調査し、都道府県知事に報告しなければならないとされている。

工場等の跡地を利用する際には、従前立地していた工場等が有害物質使用特定施設に該当するかどうかを確認する必要があるほか、該当する場合には、土壌汚染の情況を調査する必要がある。

土壌汚染調査機関

土壌汚染対策法第3条および第4条では、一定の場合に、土地所有者等に土壌汚染状況調査を実施することを義務付けているが、実際の調査に当たっては環境大臣が指定する者に調査をさせなければならない。このように環境大臣が指定する者を土壌汚染調査機関と言う。法律上の正式名称は「指定調査機関」である。

土壌汚染調査機関の要件は「土壌汚染対策法に基づく指定調査機関及び指定支援法人に関する省令」によって法定されている。具体的には、一定の資格を有する技術管理者を置き、環境大臣の指定を受け、官報に公示されることなどが必要である(同省令第2条など)。

2003年2月時点では全国で約900社が指定調査機関として環境大臣に指定されている。

土壌汚染状況調査結果報告書

土壌汚染対策法にもとづき土壌汚染状況調査を行なう場合には、調査の実施主体である土地所有者等は一定の期限までに知事に対して調査結果を所定の様式にもとづく報告書により報告しなければならない(土壌汚染対策法第3条および第4条、同法施行規則様式第一)。これを土壌汚染状況調査結果報告書という。

土壌汚染状況調査結果報告書の内容は、使用等されていた特定有害物質の種類、調査を行なった土壌汚染調査機関の名称などである。さらにこの報告書には土壌汚染調査機関が作成した調査結果を添付する。なおこの土壌汚染状況調査結果報告書は、土壌汚染が発見されない場合でも知事に提出しなければならない。

この土壌汚染状況調査結果報告書の提出期限は次のように法定されている。
1)有害物質使用特定施設に係る土地の調査の場合:有害物質使用特定施設の使用廃止から120日以内(同法第3条第1項、同法施行規則第1条)。
2)健康被害が生ずる恐れのある土地の調査の場合:知事が定めた期限内(同法第4条第1項、同法施行令第4条)

土壌汚染状況調査に代わる知事の確認

土壌汚染対策法第3条第1項では、有害物質使用特定施設の使用が廃止されたとき、その施設を設置していた工場・事業場の敷地であった土地について、土地所有者等は土壌汚染状況調査を実施しなければならないと規定している。これを「有害物質使用特定施設に係る土地の調査」という(同法第3条第1項)。
しかしながら、知事の確認を受けた場合には、この調査を実施しなくてよいという調査義務の免除措置が設けられている。これを「土壌汚染状況調査に代わる知事の確認」という(同法第3条第1項但書)。
この知事の確認を受けることができるのは、「当該土地について予定されている利用の方法からみて土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがない」場合のみである。

これは具体的にはおおよそ次のような事例を指している(同法施行規則第12条第2項)。
1)有害物質使用特定施設に係る土地が、有害物質使用特定施設を廃止した後においても、ひきつづき工場・事業場の敷地として利用され、関係者以外の者が立ち入ることができない場合。
2)有害物質使用特定施設を設置していた小規模な工場・事業場において、有害物質使用特定施設を廃止した後に、当該工場・事業場の事業者が当該工場・事業場の建物に居住している場合(近接して居住している場合を含む)

1)は関係者以外が立ち入る可能性がないので、一般人に健康被害が生ずる危険が少ない場合である。また2)は事実上、経営者の住居と工場・事業場が一体化していると認められる場合である。

上記1)・2)に該当する場合には、知事に確認申請書を提出し、有害物質使用特定施設において使用等されていた特定有害物質の種類や、今後予定されている土地の利用の方法などを申請する必要がある(同法施行規則第12条第1項)。

土壌汚染状況調査の一部免除

土壌汚染対策法第3条第1項では、有害物質使用特定施設の使用が廃止されたとき、その施設を設置していた工場・事業場の敷地であった土地について、土地所有者等は土壌汚染状況調査を実施しなければならないと規定している。これを「有害物質使用特定施設に係る土地の調査」という(同法第3条第1項)。
しかしながら、一定の要件を満たす場合には、土壌汚染状況調査のうち土壌ガス調査と土壌溶出量調査が免除されるという特例措置が設けられている。これを「土壌汚染状況調査の一部免除」という。

具体的には次の要件をすべて満たしたとき、一部免除が行なわれる(同施行規則附則第2条)。
1)有害物質使用特定施設の使用が廃止されたとき、その施設を設置していた工場・事業場の敷地が300平方メートル以下であること
2)周辺に飲用の地下水の取水口などがなく、周辺の地下水が飲用に供されていないこと

従って、例えば敷地面積300平方メートル以下で、揮発性有機化合物を敷地内で使用していたクリーニング店があった場合、周辺で地下水を飲用に使用している事実がないならば、クリーニング店を廃業した場合においても、揮発性有機化合物に関する調査(=土壌ガス調査)はすべて免除されることになる。

この結果、このケースでは土壌汚染状況調査は一切行なわなくてよいことになるが、知事に対する報告義務までが免除されるのではないので、「施行規則附則第2条の経過措置が適用されるので、調査を行なわなかった」旨を記載した土壌汚染状況調査結果報告書を知事に提出する必要がある平成15年2月4日付環境省環境管理局水資源部長通達「土壌汚染対策法の施行について」)。