不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

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最終更新日:2008/10/29

キャッシュフロー会計

きゃっしゅふろーかいけい

企業の経営成績をキャッシュ(現金・普通預金・定期預金等)の増減をもとに明らかにするという会計手法のこと。

通常の企業会計では、企業の経営成績は最終的に当期利益によって明らかにされるが、当期利益には売掛金のように現金収入ではない収入が計上されており、また必要経費として減価償却費のように現金支出ではない経費が計上されている。このため、当期利益はキャッシュの増加とは通常一致しないことになる。
これに対してキャッシュフロー会計では、キャッシュの増減が企業活動の種類別に(営業活動・財務活動などの種類別に)表示されるので、企業の経営成績がキャッシュにもとづいて明確に表示されることになる。

欧米では古くからキャッシュフロー会計にもとづく「キャッシュフロー計算書」の作成が企業に義務付けられており、「キャッシュフロー計算書」は、貸借対照表・損益計算書と並ぶ重要な財務諸表のひとつとされてきた。
これに対して従来のわが国では、上場企業の財務会計を規制する証券取引法(財務諸表規則)上は、キャッシュフロー計算書を作成する必要がないものとされていた。
しかしわが国でも1997年から国際会計基準の導入が開始された(「国際会計基準」参照)。この結果、企業会計審議会の意見書により証券取引法が改正され、1999年4月より開始する事業年度からは、上場会社は財務諸表のひとつとしてキャッシュフロー計算書を作成することが法律上義務付けられた。これにより現在では、わが国の上場企業ではキャッシュフロー会計がすでに実施されている。

キャッシュフロー会計では、キャッシュフロー計算書においてキャッシュの増減が原因別に開示されるが、キャッシュを増加させるためには、一般的に売掛金をへらし、買掛金を増やし、商品在庫(会計用語では棚卸資産)を削減することが有効である。また不要不急の有形固定資産(土地・建物・機械設備等)の取得はキャッシュを減少させる要因となる。
そのため、わが国の上場企業ではキャッシュを増加させるため(あるいは減少させないため)に、固定資産を圧縮する方向に動いている。また上場建設会社・上場不動産会社では、商品在庫である販売用土地建物を売却する動きが加速しており、不動産市場における土地・建物の供給を増やす要因のひとつとなっている。

-- 本文のリンク用語の解説 --

国際会計基準

世界100ヵ国以上の会計士団体によって組織されている国際会計基準委員会(IASC)が策定する全世界共通の会計基準書のこと。英語ではInternational Accounting Standards(IAS)と呼ばれる。

国際会計基準委員会は、1973年に先進9ヵ国の会計士団体が組織した委員会であり、当初から全世界共通の企業会計ルールを策定することを目標として活動を続けてきた。

国際会計基準委員会は1973年に最初の国際会計基準(IAS第1号)を策定し、1998年12月にIAS第39号を策定した。このIAS第1号からIAS第39号までは国際会計基準の中核部分と位置付けられており、「コア・スタンダード」と呼ばれている。
このような国際会計基準委員会の活発な活動を受けて、米国・欧州では、国内の会計基準を国際会計基準に合致させる作業が2000年頃から急速に進展しつつある。

わが国では国際会計基準への対応が遅れていることが従来批判されていたが、金融庁(当時の大蔵省)の審議会である「企業会計審議会」は、1997年に方針を転換、国内の企業会計基準を国際会計基準へ合致させる作業を現在も急速に進めつつある。

具体的には、企業会計審議会の1997年6月「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」公表を皮切りに、1998年3月に「連結キャッシュフロー計算書等の作成基準の設定に関する意見書」、1998年6月に「退職給付に係る会計基準の設定に関する意見書」、1999年1月に「金融商品に係る会計基準の設定に関する意見書」、2002年8月に「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」を相次いで公表した。

これらの意見書は、企業会計を単独決算中心から連結決算中心へと変更し、キャッシュフローを重視し、資産や負債を時価ベースで評価するという原則に立つものである。これらの意見書をもとに、上場企業の財務会計を規制する証券取引法(財務諸表規則)の法改正が1997年以降順次実施されており、ようやくわが国の会計基準も国際会計基準に準拠する体制が整いつつある。