不動産用語集|R.E.Words by(株)不動産流通研究所

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最終更新日:2008/10/29

開発許可の基準(全般的許可基準)

かいはつきょかのきじゅん(ぜんぱんてききょかきじゅん)

都市計画法における開発許可に関して、どの地域でも適用される技術的な基準のこと。

A)趣旨
都市計画法第29条では、開発行為(建築物の建築や特定工作物の建設を目的とする土地の区画形質の変更のこと)を行なうためには、原則として知事(または市長)の開発許可を受ける必要があると定めている。

この開発許可を与えるか否かの基準は、都市計画法第33条と第34条に法定されている。
都市計画法第33条の基準は、全国のすべての地域に適用される基準であり、「全般的許可基準」または「技術的基準」と呼ばれている。
都市計画法第34条の基準は、市街化調整区域内でのみ適用される基準である。

B)全般的許可基準の内容
「全般的許可基準」は都市計画法第33条に列記されているが、具体的には次のとおり。

1)予定建築物の用途が用途地域などに即していること
予定される建築物等の用途が、用途地域特別用途地区特定用途制限地域などに適合していること(都市計画法第33条第1項第1号)。また地区計画が定められていて、地区整備計画が定められているとき(または施設の配置・規模が規定された再開発促進区があるとき)は、予定建築物等の用途などが地区計画等に即していること(第5号)

2)公共施設等との用途の配分
公共施設、公益的施設(学校など)、予定建築物の用途の配分が適正であること(都市計画法第33条第1項第6号)

3)排水施設、地盤の軟弱な土地等における安全措置
排水路その他の排水施設が、下水を有効に排出し、溢水等の被害が生じないように設計されていること(第3号)。 地盤の軟弱な土地、がけ崩れや出水のおそれが多い土地などであるときは、地盤の改良、擁壁の設置などの安全上必要な措置が講じられていること(第7号)。

4)権利者の同意
開発行為を行なう区域(開発区域)内の土地又は建築物等につき、工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていること(第14号)。

5)樹木の保全等、緑地帯等、輸送の便
1ha以上の開発行為では、植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全等の措置を講じる(第9号)。1ha以上の開発行為では騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯を配置する(第10号)。また40ha以上の開発行為では、当該開発行為が道路、鉄道等による輸送の便等からみて支障がないこと(第11号)。

6)公共空地、道路の接続
道路、公園、広場その他の公共空地(消防用貯水施設含む)が環境保全上等で支障がない規模構造で配置されること。開発区域内の主要な道路が、開発区域外の相当規模の道路に接続すること(第2号)。この基準は、自己居住用の住宅には適用されない

7)給水施設
水道その他の給水施設が、想定される需要に支障を来さないこと(第4号)。この基準は自己居住用の住宅には適用されない。

8)災害危険区域等を含まないこと
「災害危険区域」「地すべり防止区域」「土砂災害特別警戒区域」などの土地を含まないこと(ただし支障がない時は含んでよい)(第8号)。この基準は、自己居住用の住宅と、自己業務用の建築物・工作物には適用されない。

9)資力信用、工事完成能力
開発許可の申請者に当該開発行為を行なうために必要な資力および信用があること(第12号)。工事施行者に当該開発行為に関する工事を完成するために必要な能力があること(第13号)。この基準は、自己居住用の住宅と、一定規模以下の自己業務用の建築物・工作物には適用されない。

-- 本文のリンク用語の解説 --

特定工作物

都市計画法における開発許可の対象となる、コンクリートプラント、ゴルフコース、テニスコート、墓園などのこと。

都市計画法では、建築物や工作物をつくる目的で宅地造成などを行なう場合には、開発許可を受ける必要があると定めている(都市計画法第29条)。特定工作物は、この開発許可の対象となる工作物のことであり、次の2種類に区分されている。

1)第1種特定工作物
周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物であって、都市計画法施行令第1条第1項に規定されたもののこと。具体的には、コンクリートプラント、クラッシャープラント、危険物の貯蔵または処理に供する工作物である。

2)第2種特定工作物
大規模な工作物であって、都市計画法施行令第1条第2項に規定されたもののこと。具体的には次のものである。
ア)ゴルフコース(面積関係なし)
イ)1ha以上の野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園その他の運動・レジャー施設
ウ)1ha以上の墓園

土地の区画形質の変更

都市計画法における開発許可の対象となる宅地造成等のこと。

1)趣旨
都市計画法では、無秩序な開発を規制するために開発許可の制度を設けているが、その開発許可の対象となるのが、「土地の区画形質の変更」である。
「土地の区画形質の変更」とは、宅地造成だけでなく、道路の新設などを伴う土地区画の変更、農地から宅地への変更などを含む広い概念である。ただし、建築確認をうけた建築工事に伴って掘削や基礎打ちをすることは含まれない。

2)具体的な内容
「土地の区画形質の変更」の具体的な定義は、各自治体の条例などで定められているが、一般的には「土地の区画形質の変更」には次の3種類の行為が含まれると解釈されている。

ア)土地の「区画」の変更
土地の区画を形成する公共施設(道路・水路など)を新設・廃止・移動することにより、土地の「区画」を変更すること。
イ)土地の「形」の変更
土地の盛土・切土により、土地の形状を変更すること。
ウ)土地の「質」の変更
宅地以外の土地(農地・山林など)を、宅地にすること。

単に土地登記簿上で土地を合筆もしくは分筆することは 「土地の区画形質の変更」には含まれない。また、建築工事と一体と認められる基礎打ちおよび土地の掘削も「土地の区画形質の変更」には含まれない。

「土地の区画形質の変更」の具体的な定義は、各自治体の「開発指導要綱」で定められている場合が多い。また各自治体の条例で定める場合もある。

用途地域

建築できる建物の種類を定めた地域のこと。都市計画法第8条第1項第1号に規定されている。 用途地域には、建築できる建物の種類にもとづいて、「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」「第2種中高層住居専用地域」「第1種住居地域」「第2種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」という12の種類が存在する。 また用途地域では、その用途地域において建築できる建物の種類に応じて、容積率、建ぺい率などの建築規制がきめ細かく定められている。

市区町村が作成する都市計画図は、用途地域ごとに異なった色を用いて、用途地域の区分が一目でわかるものとなっている。

特別用途地区

都市計画法第8条第1項に列挙されている地域・地区のひとつ。

用途地域の内部において、用途地域よりもさらにきめ細かい建築規制を実施するために設定される地区であり、市町村が指定するものである。

かつては特別用途地区の種類は、文教地区、特別工業地区、厚生地区、特別業務地区、中高層階住居専用地区、商業専用地区、小売店舗地区、事務所地区、娯楽・レクリエーション地区、観光地区、研究開発地区という11種類に限定されていたが、法改正により現在ではこれら11種類だけでなくさまざまな特別用途地区が市町村の判断により設置することができるようになっている。

特定用途制限地域

用途地域では「特別用途地区」(文教地区や特別工業地区など)を設けてきめ細かな建築規制を実施できるが、そもそも用途地域が定めれていないエリアでは「特別用途地区」を設けることができないという問題があった。

そこで平成12年に都市計画法が改正され、用途地域がないエリアでは、「特別用途地区」に代わるものとして「特定用途制限地域」を設けることが可能になった(都市計画法第9条第14項)。 「特定用途制限地域」を設けることができるのは次の2つのエリアである。

1)準都市計画区域の中
2)非線引きの都市計画区域の中で、用途地域がないエリア

「特定用途制限地域」では、好ましくない業種(例えばパチンコ店)の建築を禁止するというような建築規制を実施することができる。

地区計画

それぞれの地区にふさわしい良好な環境を形成するために市町村が定めるきめ細かな計画。

1)趣旨
都市計画法では適正な土地利用を実現するために、用途地域・特別用途地区をはじめとする多様な地域地区の制度を設けているが、都市化の進展の中で、不良な環境の地区が形成されるおそれのあるケース等では、地域地区などの規制だけでは対応できない可能性がある。
そこで、特定の地区について土地利用規制と公共施設整備(道路、公園などの整備)を組み合わせて街づくりを誘導する制度が必要となった。このような目的のために昭和55年に創設されたのが地区計画の制度である。

2)地区計画の決定
地区計画は都市計画のひとつであるので、都市計画の決定手続により市町村が決定する。
具体的には次のアまたはイに該当する土地の区域について地区計画が定められる(都市計画法第12条の5第1項) 。
ア)用途地域が定められている土地の区域
イ)用途地域が定められていない土地の区域のうち次のいずれかに該当するもの
a:市街地の開発などの事業が行なわれる、または行なわれた土地の区域
b:建築物の建築・敷地の造成が無秩序に行なわれ、または行なわれると見込まれる土地の区域で、公共施設の整備の状況などからみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあるもの
c:優れた街区の環境が形成されている土地の区域

3)地区計画の内容
地区計画に関する都市計画では、地区計画の種類、名称、位置、区域、面積のほか、次の事項を定める(都市計画法第12条の5第2項、第3項)
ア)地区計画の目標
イ)区域の整備、開発および保全に関する方針
ウ)地区整備計画(詳しくは4)へ)
エ)再開発等促進区(詳しくは下記5)へ)

4)地区整備計画
地区整備計画とは、地区施設(主として街区内の居住者等の利用に供される道路・公園・緑地・広場などの施設のこと)、建築物等の整備、土地の利用に関する計画である(都市計画法第12条の5第6項)。
地区整備計画では道路・公園などの整備、建築物等の用途制限、容積率の制限、建ぺい率の制限、敷地面積の最低限度などを詳細に規定することが可能である。従って地区整備計画は、街づくりのプランであると言うことができる(詳しくは地区整備計画へ)。

なお、地区計画に関する都市計画では、地区整備計画を定めることができない特別の事情(例えば一部住民の反対など)がある場合には、地区計画の区域の全部または一部について、地区整備計画を定めなくてもよいものとされている(都市計画法第12条の5第7項)。地区計画の区域の一部についてのみ地区整備計画を定める場合は、その一部区域をも都市計画に定める必要がある。

5)再開発等促進区
地区計画の区域の内部において、市街地の再開発等をすすめる場合には、地区計画に関する都市計画において再開発等促進区を定めることができる((都市計画法第12条の5第3項)。再開発等促進区では特別な事項をも定めるものとされている(都市計画法第12条の5第4項、第5項)。(詳しくは再開発等促進区へ)

6)地区計画の区域内における届出制度
地区整備計画が定められている地区計画の区域(注1)では、土地の区画形質の変更、建築物の建築を行なう場合には、その行為に着手する日の30日前までに市町村長に届け出なければならない(都市計画法第58条の2第1項)。
また地区整備計画において、用途の制限、建築物等の形態の制限、建築物等の意匠の制限が規定されている場合には、それらを変更する行為も30日前の届出が必要である(都市計画法施行令第38条の4)。