最終更新日:2008/10/29
開発許可が不要な開発行為(市街化区域等における〜)
かいはつきょかがふようなかいはつこうい(しがいかくいきとうにおける〜)市街化区域等においては次の1)から4)の面積規模の開発行為を行なう際には開発許可を取得することが必要されている。
したがって次の1)から4)より小さな面積の開発行為については、開発許可を受けないで開発行為を行なうことができる。
1)市街化区域における1,000平方メートル以上の開発行為(注1、注2参照)
2)非線引き区域における3,000平方メートル以上の開発行為(注2参照)
3)準都市計画区域における3,000平方メートル以上の開発行為
4)都市計画区域および準都市計画区域の外における1ha以上の開発行為
注1:三大都市圏の一定区域(都の特別区、首都圏の既成市街地と近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域と近郊整備区域、中部圏の都市整備区域)では、開発許可が必要な開発行為の最低面積は500平方メートルとされている。
注2:知事・指定都市等の市長は、都道府県や市の規則により、開発許可が必要な開発行為の最低面積を300平方メートルにまで引き下げることができる。
以上のように都市計画法において規定されているので、例えば三大都市圏で分譲マンションの建設をする場合には、多くの場合、開発許可が必要とされると言うことができるだろう。
また次の2つの開発行為についてはその面積の大小にかかわらず、開発許可を受けることが不要とされている。
ア)市街化区域以外において、農林漁業者の住宅や、農林漁業用建築物(畜舎、蚕室、温室、堆肥舎、サイロなど)を建築するための開発行為
イ)鉄道の施設、社会福祉施設、医療施設、学校教育法による学校(大学、専修学校および各種学校を除く)、公民館等の公益上必要な建築物の建築のための開発行為
特に上記イについては市街化区域も含めたすべての地域において開発許可が不要である。
市街化区域
市街化区域に指定されるのは、既に市街地を形成している地域や今後市街化を予定している地域である。
市街化区域の中では、12種類の用途地域が必ず定められており、きめ細かい建築規制が実行されている。
非線引き区域
法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」である。
ひとつの都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することを「区域区分」(または「線引き」)と呼ぶが、この「区域区分」がされていない都市計画区域が「区域区分が定められていない都市計画区域」である。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも呼ばれている。(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが平成12年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)
1)趣旨
都市計画法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定しているので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に存在している(詳しくは「区域区分」へ)。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域であるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可の規制も緩やかである。
2)土地利用の規制について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることができるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていない都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれることがある。なおこの「非線引き白地地域」では用途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。
3)都市施設等について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、都市施設のうち少なくとも「道路、公園、下水道」を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。
また市街地開発事業、促進区域を定めることも可能である(都市計画法第13条第1項第13号・第8号)。
4)開発許可について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用される。ただし開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000平方メートル以上」とされている。ちなみに市街化区域では開発許可を受けるべき開発の面積は「1,000平方メートル以上」である。
ただし市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都市計画法施行令第19条)。
また開発許可の基準については、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに都市計画法第33条の基準(技術的基準)だけを満たせば、開発許可が与えられる。つまり区域区分が定められていない都市計画区域に対しては、都市計画法第34条の基準(市街化調整区域の開発許可の基準)は適用されない。
準都市計画区域
1)準都市計画区域の趣旨
都市計画区域を指定するためには一定の要件を満たすことが必要であるが、そうした都市計画区域として必要とされる要件を満たしていない都市計画区域外の土地であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、土地利用をあらかじめ規制しておくことが望ましい。そこで平成12年の都市計画法の改正により「準都市計画区域」の制度が創設された。
2)準都市計画区域の指定の要件
次の要件のすべてを満たす場合に、指定することができる(都市計画法第5条の2第1項)。
ア:都市計画区域外の土地であること
イ:相当数の住居等の建築・敷地の造成等が現に行なわれ、または行なわれると見込まれること
ウ:そのまま放置すれば将来における都市としての整備開発保全に支障が生ずるおそれがあること
3)準都市計画区域の指定の方法
市町村が指定する(詳しくは準都市計画区域の指定へ)。
4)準都市計画区域の指定の効果
準都市計画区域では次のような内容の規制が実施される。
ア)7種類の地域地区を必要に応じて定めることができる(※1)。具体的には「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」(※2)「特定用途制限地域」「美観地区」「風致地区」「伝統的建造物群保存地区」を定めることができる。
イ)開発許可制度が施行される。この結果、開発面積が3,000平方メートルを超える宅地造成(※3)では知事(または市長)の許可が必要となる(詳しくは開発許可へ)。
ウ)都市施設(※4)、市街地開発事業、促進区域、市街地開発事業等予定区域を定めることはできない。
都市計画区域
原則として都道府県が指定する。 1)都市計画区域の指定の要件
都市計画区域は次の2種類のケースにおいて指定される(都市計画法第5条第1項、第2項)。
ア)市または一定要件を満たす町村の中心市街地を含み、自然条件、社会的条件等を勘案して一体の都市として総合的に整備開発保全する必要がある場合
イ)新たに住居都市、工業都市その他都市として開発保全する必要がある区域
ア)は、すでに市町村に中心市街地が形成されている場合に、その市町村の中心市街地を含んで一体的に整備・開発・保全すべき区域を「都市計画区域」として指定するものである(※1)。なおア)の「一定要件を満たす町村」については都市計画法施行令第2条で、「原則として町村の人口が1万人以上」などの要件が定められている。
イ)は、新規に住居都市・工業都市などを建設する場合を指している。
(※1)都市計画区域は、必要がある時は市町村の区域をこえて指定することができる(都市計画法第5条第1項後段)。また都市計画区域は2以上の都府県にまたがって指定することもできる。この場合には指定権者が国土交通大臣となる(都市計画法第5条第4項)。
2)都市計画区域の指定の方法
原則として都道府県が指定する(詳しくは都市計画区域の指定へ)。
3)都市計画区域の指定の効果
都市計画区域に指定されると、必要に応じて区域区分が行なわれ(※2)、さまざまな都市計画が決定され、都市施設の整備事業や市街地開発事業が施行される。また開発許可制度が施行されるので、自由な土地造成が制限される。
(※2)区域区分とは、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分することである。ただし区域区分はすべての都市計画区域で行なわれるわけではなく、区域区分がされていない都市計画区域も多数存在する。このような区域区分がされていない都市計画区域は「区域区分が定められていない都市計画区域」と呼ばれる。
4)準都市計画区域について
都市計画区域を指定すべき要件(上記1)のア)またはイ))を満たしていない土地の区域であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、市町村はその土地の区域を「準都市計画区域」に指定することができる。準都市計画区域では、必要に応じて用途地域などを定めることができ、開発許可制度が施行されるので、無秩序な開発を規制することが可能となる(詳しくは準都市計画区域へ)。
都市計画法
基本的な仕組みは、まちづくりを行なう区域を「都市計画区域」に指定し、その都市計画区域の中においてさまざまな区域・地域・地区を指定し、都市施設の整備や市街地開発事業の推進を図る、というもの。
都道府県が、都市計画区域の中で定める区域(都市計画法7条、15条)。
市街化調整区域に指定されるのは、多くの場合、農地が広がり、建築物の密度が低い地域である。
市街化調整区域では、少数の例外を除いて住宅等の建築が禁止されている。
市街化調整区域は、原則的に市街化を抑制する区域であるので、たとえ規模の小さな開発行為であっても、開発行為を行なうには原則的に開発許可が必要とされており(都市計画法第29条)、開発許可を受けるための基準は非常に厳しく設定されている(都市計画法第34条)。
それだけでなく、市街化調整区域では、開発許可を取得していない土地では、原則的に建築(改築や用途変更を含む)を行なうことができないとされている(都市計画法第43条)。
ただし、市街化調整区域における開発許可を取得していない土地であっても、建築の許可を受ければ、建築が可能となる(都市計画法第43条)。
このような市街化調整区域における建築の許可のことを「建築許可」と呼ぶ。
つまり、宅地造成や土地造成をしなくてもよい土地(例えば、すでに宅地になっている土地)では、開発許可を経る必要がないので、この建築許可を経由させることによって、市街化調整区域での建築行為を厳しく監視しているのである。
この建築許可を受けることができるのは次の建築物等である(都市計画法施行令第36条)。
1)都市計画法第34条第1号から第34条第8号の2までに該当する建築物等(日常生活のため必要な小売店舗等(第1号)、鉱物資源や観光資源を利用する建築物(第2号)、農林水産物の加工等のための建築物等(第4号)など)
2)周辺の市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行なうことが困難または著しく不適当と認められる建築物等であって、都道府県等の開発審査会が同意したもの(都市計画法施行令第36条第1項第3号ハ)。
なお次の4種類の建築物等はそもそも建築許可が不要とされている。
1)ゴルフコース、1ha以上の運動場、1ha以上の墓地等
2)農林漁業者の住宅、農林漁業用建築物
3)市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗等(延べ床面積が50平方メートル以下)
4)鉄道の施設、社会福祉施設、医療施設、学校教育法による学校(大学、専修学校および各種学校を除く)、公民館等、公益上必要な建築物
市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるので、建築が厳しく規制されている。
具体的には市街化調整区域内で建築を行なうことができるのは次の3つのケースである(都市計画法第43条第1項)。
1)開発許可を受けて、その開発許可に適合する建築を行なう場合
2)建築許可が不要な建築を行なう場合
3)建築許可を受けた場合
しかし平成13年5月18日より前には、市街化調整区域内であっても一定の条件を満たす土地であれば、建築許可を受けないで建築をすることが広く認められるという制度が存在した。
これが「既存宅地」の制度である(旧都市計画法43条1項6号)。
既存宅地の制度とは次の条件のすべてを満たす宅地については、建築許可を受けなくとも、建築物の新築・改築・用途変更を一定の範囲内で認めるという制度であった。
ア)市街化区域に隣接している地域内の土地であること
イ)おおむね50戸以上の建築物が立ち並んでいる地域内の土地であること
ウ)市街化調整区域に編入された際にすでに宅地であったこと
エ)ウについて知事の確認を受けたこと
このような知事の確認を受けた既存宅地については、比較的自由に建築を行なうことができたのである。
しかし平成13年5月18日に都市計画法が改正・施行されたことにより、こうした既存宅地の制度は、5年間の経過措置を経たのちに消滅することとなった。
具体的には、改正法施行日(平成13年5月18日)以前に既存宅地である旨の確認を受けた土地については、施行日から5年間(平成18年5月17日まで)だけは「自己の居住または業務を行うことを目的とする建築行為」であれば、従来と同様に建築許可を受けずに建築することができる。
ただし「自己の居住または業務を行うことを目的としない建築行為」については、経過措置の対象にならないので、原則どおり建築許可を取得することが必要となっている。