最終更新日:2008/10/29
実務講習
じつむこうしゅう宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、宅地建物取引主任者の登録を申請しようとする場合には、宅地建物の取引に関して2年以上の実務経験を有することが必要である。
しかし、この実務経験を有しない場合でも、(財)不動産流通近代化センターが実施する講習を受講しその修了証明書を交付された場合には、実務経験を有する者と同等以上の能力を有していると認定され、宅地建物取引主任者の登録を受けることができるようになる。
このような講習を「実務講習」と呼んでいる(宅地建物取引業法第18条第1項本文、施行規則第14条の2)。
実務講習の申込み方法・日程等は、(財)不動産流通近代化センターが毎年公表している。
例年12月が申込受付期間、2月から4月にかけて通信講座が開講される。通信講座とあわせて、連続2日間のスクーリングを受講し、記述式問題(売買契約書、重要事項説明書)に解答、提出。さらにスクーリング終了後、総合試験問題に解答し提出する。これらにおいて所定の修了要件をすべて満たした者に対して「修了証書」及び「修了証明書」が7月頃に交付される。
修了証明書は、宅地建物取引主任者の登録の申請をする際の添付書類となるものである。修了証明書の有効期限は一般的に10年程度とされているが、各都道府県により有効期限が異なるので、注意したい。
宅地建物取引主任者の登録
1)登録を申請する相手方
宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、試験を行なった都道府県知事に対して登録を申請する(宅地建物取引業に従事しようとする都道府県の知事ではないことに注意)。
2)登録を受けるための要件
宅地建物取引主任者の登録を受けるには次のアとイの要件を満たすことが必要である。
ア:宅地建物の取引に関して2年以上の実務経験を有すること
宅地建物取引業者の下で2年以上勤務していた経験(または免許を受けた宅地建物取引業者としての2年以上の経験)が必要である。
ただし、(財)不動産流通近代化センターが実施する実務講習を受講し修了することにより、この実務経験を有するものと同等以上の能力を持つ者として認定されることができる。
(詳しくは、実務経験、実務講習へ)
イ:一定の不適格な事情(欠格事由)に該当しないこと
成年被後見人であることなどの一定の不適格な事情(欠格事由)がある者は、登録を受けることができないとされている。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の基準へ)
3)登録の申請の方法
宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が、試験を行なった都道府県知事に対して、一定の事項を記載した登録申請書を提出する(法第19条第1項、施行規則第14条の3、施行規則様式第5号)。このとき実務経験証明書などの一定の書類の添付が必要である(施行規則第14条の3)。
4)宅地建物取引主任者資格登録簿への登載
登録申請書を提出された都道府県知事は、上記2)の要件を満たしていることを確認した後に、宅地建物取引主任者資格登録簿に一定の事項を遅滞なく登載する(法第19条第2項)。
これにより宅地建物取引主任者の登録が完了する。
(詳しくは宅地建物取引主任者資格登録簿へ)
5)変更の登録
宅地建物取引主任者資格登録簿の登載事項(氏名、住所など)に変更が生じた場合には、登録を受けている本人が遅滞なく変更を申請しなければならない(法第20条)。これを「変更の登録」と呼んでいる。
(詳しくは宅地建物取引主任者資格登録簿へ)
6)登録の移転
宅地建物取引主任者の登録を受けた者は、一定の事情が発生したときは、他の都道府県知事に対して登録の移転を申請することが可能である。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の移転へ)
7)死亡等の届出
宅地建物取引主任者の登録を受けた者について、死亡等の事情が発生した場合には、登録を受けている都道府県知事への届出が必要である。
(詳しくは死亡等の届出へ)
8)登録の消除
上記7)の死亡等の届出があった場合やその他の場合には、登録を受けている都道府県知事は、宅地建物取引主任者の登録を消除しなければならない。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の消除へ)
9)登録の有効期間
有効期間の制限はないので、一度登録すれば生涯にわたって有効である。ただし上記8)により消除される場合あり。
10)宅地建物取引主任者との関係
宅地建物取引主任者の登録を受けた者は、宅地建物取引主任者証の交付を受けることによって、はじめて宅地建物取引主任者となることができる(宅地建物取引主任者の登録を受けただけではまだ宅地建物取引主任者ではない)。
実務経験
宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が主任者として登録を申請しようとする場合には、原則として宅地建物の取引に関し2年以上の実務の経験を有することが必要とされている。この経験は、免許を受けた宅地建物取引業者としての経験、または宅地建物取引業者のもとで勤務していた経験でなければならず、また、経験として認められる実務は、顧客への説明、物件の調査等の具体的な取引に関する業務であるとされている。
なお、実務経験がない場合でも、国土交通大臣が実務の経験を有する者と同等以上の能力を有すると認めた者は、主任者として登録を申請できることとされている。例えば、宅地または建物の取引に関する実務についての講習であって国土交通大臣の登録を受けたもの(登録実務講習)を修了した者が、これに該当する。
宅地建物取引主任者資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者が、宅地建物取引主任者証の交付を申請する際に、主任者証の交付を申請する日が宅地建物取引主任者資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「講習」を受講する義務が生じる(宅地建物取引業法第22条の2第2項)。
この宅地建物取引業法第22条の2にもとづく講習を「法定講習」と呼ぶ。
また、宅地建物取引主任者証の有効期間の更新を希望する場合にも、この「法定講習」を有効期間満了の前に受講することが義務付けられている。
「法定講習」を実施するのは都道府県知事であるが、実際には知事が指定した実施機関が講習を実施している。
どのような機関が実施機関となるかは各都道府県により異なっているので、法定講習を受講する際には、各都道府県の宅地建物取引業法を所管する課や、宅地建物取引業の業界団体へ問い合わせる必要がある。