最終更新日:2008/10/29
宅地建物取引業法施行規則第6条の2で定める場所
たくちたてものとりひきぎょうほうせこうきそくだいろくじょうのにでさだめるばしょ事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所
しかし法第3条第1項の「事務所」に該当しない案内所・展示会等であっても、契約締結等を行なう場合には、宅地建物取引業の業務の適正を確保すべき必要性が非常に高いと言える。
そこで宅地建物取引業法では、こうした案内所等が一定の要件に該当する場合には、1名以上の成年の専任の宅地建物取引主任者を常時設置するように義務付けているのである(法第15条第1項、第2項、施行規則第6条の2)。
このような「事務所以外の場所であって、専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」とは、具体的には、施行規則第6条の2で規定されている。ただしこの施行規則第6条の2の内容は複雑なので、A:外形的な要件とB:実質的な要件に分けてそれぞれ説明する。(なお以下の文章は国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方にもとづいている)
A:外形的な要件
施行規則第6条の2で規定する「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」とは、次の4種類の場所のどれかに該当することが必要である。
(1)事務所以外で継続的に業務を行なう施設を有する場所
(2)10区画以上の一団の宅地または10戸以上の一団の建物を分譲する場合の案内所
(3)他の宅地建物取引業者が分譲する10区画以上の一団の宅地または10戸以上の一団の建物について、代理または媒介をする場合の案内所
(4)宅地建物取引業者が展示会その他の催しをする場所
上記の(1)は、「事務所」と同等程度に事務所としての物的施設を有してはいるが、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する者(支店長・支配人など)が設置されていないせいで、「事務所」から除外されるような場所を指している。
具体的には「特定の物件の契約又は申込みの受付等を行なう場所」「特定のプロジェクトを実施するための現地の出張所」等が該当する。
(2)は、一団地(すなわち10区画以上の一団の宅地または10区画以上の一団の建物)の分譲をするための案内所のことである。これには臨時に開設する案内所も含まれる。例えば「週末に宅地建物取引主任者や契約締結権者が出張して申込みの受付や契約の締結を行なう別荘の現地案内所等のように、週末にのみ営業を行なうような場所」も含まれる。
(3)は、上記(2)の分譲について、販売の代理や媒介を行なう宅地建物取引業者が設置する案内所を指している。
(4)は、「宅地建物の取引や媒介契約の申込みを行なう不動産フェア」「宅地建物の買い換え・住み替えの相談会」「住宅金融公庫融資付物件等のように一時に多数の顧客が対象となる場合に設けられる抽選会」「売買契約の事務処理等を行なう場所」などのように、催しとして期間を限って開催されるフェア・展示会・相談会・抽選会その他を指している。
B:実質的な要件
上述のAの(1)から(4)の場所において、契約を締結しまたは契約の申込みを受けるとき、その場所は「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」となる。
ここで「契約の締結」「契約の申込みを受ける」という言葉の具体的な意味が「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」で詳しく規定されているので以下で紹介する。
(ア)契約の締結
契約とは、「宅地建物の売買・交換の契約(予約を含む)」「宅地建物の売買・交換・貸借の代理・媒介の契約(予約を含む)」を指している。従って、物件の売買契約だけでなく、物件の売買の媒介契約や、物件の賃貸の媒介契約なども含まれている。
このような意味での契約を締結するためには、「契約を締結する権限を有する者が派遣されている」か、または「契約を締結する権限の委任を受けた者が置かれている」ことが必要となる。
(イ)契約の申込みを受ける
契約の意味は上記(ア)と同じである。
また「申込み」とは、契約を締結する意思を表示することであるが、手付金・申込証拠金などの金銭を交付して締結の意思表示をする場合だけではなくて、「物件の購入のための抽選の申し込み」のような金銭の授受を伴わない意思表示も含まれるので、注意したい。
なお「申込みを受ける」ためには、「契約を締結する権限を有する者が派遣されていること」または「契約を締結する権限の委任を受けた者が置かれていること」は必須ではない。この点にも注意したい。
宅地建物取引業法第3条第1項で規定する場所のこと(法第3条第1項、施行令第1条の2)。
具体的には次の2種類の場所が「事務所」に該当する。(以下の文章は国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方にもとづいている)
(1)本店または支店(施行令第1条の2第1号)
商業登記簿等に記載されており、継続的に宅地建物取引業の営業の拠点となる実体を備えているものを指す。
ただし宅地建物取引業を営まない支店は「事務所」から除外される。
また本店は、支店の業務を統括する立場にあるため、本店が宅地建物取引業を直接営んでいない場合であっても、その本店は「事務所」に該当するものとされる。
(2)上記(1)以外で「継続的に業務を行うことができる施設」を有する場所で、宅地建物取引業に係る「契約を締結する権限を有する使用人」を置く場所(施行令第1条の2第2号)。
「継続的に業務を行うことができる施設」とは、固定的な施設であり、テント張りの施設や仮設小屋は含まれない。
「契約を締結する権限を有する使用人」とは、宅地建物取引主任者を指すものではなく、支店長・支配人などのように営業に関して一定範囲の代理権を持つ者を指している(ただし支店長等が同時に宅地建物取引主任者である場合がある)。
また「置く」とは常勤の使用人を置くという意味である。
以上の(1)と(2)の場所をあわせて、宅地建物取引業法では「事務所」と呼んでいる。
従って、会社の登記(商業登記簿)では支店として登記されていなくても、継続的に業務を行うことができる施設に、宅地建物取引業に係る支店長や支配人を置いていれば、その施設は「事務所」とみなされることになる。
なお、宅地建物取引業法ではよく似た概念として「事務所等」「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」「標識を掲示すべき場所」「クーリングオフが適用されない場所」を定めているので、それぞれの違いに注意したい。
宅地建物取引業法では、その第15条第1項で、一定の場所には、成年で専任の宅地建物取引主任者を置かなければならないと定めている。
この専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所のことを、宅地建物取引業法では「事務所等」と表現している。
「事務所等」とは具体的には次の2種類の場所を指す言葉である。
(1)「事務所」
原則的には本店・支店を「事務所」と呼ぶ。ただし、本店・支店以外であっても、継続的に業務を行なうことができる施設に宅地建物取引業に係る支店長や支配人を置いていれば、その施設は「事務所」に含まれることになる。(宅地建物取引業法施行令第1条の2)
(2)「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」
これは上記(1)の事務所以外であって、専任の宅地建物取引主任者を置かなければならない場所のことである。この場所は宅地建物取引業法施行規則第6条の2において具体的に規定されている。
この規則第6条の2の内容は複雑なので、概略だけをまとめれば、「事務所以外で継続的に業務を行う施設を有する場所」「10区画以上または10戸以上の一団地の宅地建物を分譲する場合の案内所」「他の宅地建物取引業者が分譲する10区画以上または10戸以上の一団地の宅地建物の代理または媒介をする場合の案内所」「宅地建物取引業者が展示会その他の催しをする場所」という4種類の場所であって、契約の締結または契約の申込みの受付をする場所が、この規則第6条の2の場所である。
なお「事務所等」という言葉は、上記のとおり宅地建物取引業法第15条第1項で定義されている。しかし宅地建物取引業法第37条の2(クーリングオフ)においてもやはり「事務所等」という言葉が使用されている。両者は異なる内容を指しているので注意したい。