最終更新日:2008/10/29
中間法人
ちゅうかんほうじん従来、同窓会・互助会などのような構成員の利益を図るための非営利の団体は、法律上、法人格を持つことができず、いわゆる権利能力なき社団として活動することを余儀なくされていた。このためこのような団体の活動には、第三者との取引における法律関係が不明確であることや、団体名義の不動産登記ができないなどさまざまな制約が存在している。
しかし平成14年4月1日にあらたに中間法人法が施行されたことにより、こうした権利能力なき社団であっても、「社員に共通する利益を図る」ための団体で、かつ「剰余金を分配しない」団体であれば、法務局で設立登記をすることにより、中間法人となり、法人格を取得することができるようになった。
中間法人には、中間法人の債務について社員が個人財産で連帯責任を負うという無限責任中間法人と、社員が個人責任を負わない有限責任中間法人がある。前者は合名会社、後者は有限会社に類似している。
権利能力なき社団
わが国の法制度では、法人は大きく分けて、次の3種に分類できる。
1)社団法人・財団法人(民法上の法人)
2)株式会社などの営利法人(商法等の法律による法人)
3)中小企業協同組合などの特別法にもとづく法人
それゆえ、例えば、同窓生の親睦という目的で法人を設立しようとしても、上記の1から3のいずれにも該当しないので、法人になることができなかったのである。
そのため、わが国には、法人となっていない非営利的な団体が無数に存在しているのが現状であり、こうした団体のことを「権利能力なき社団」と呼んでいるのである。
名前こそ「権利能力なき」となってはいるが、実際には法人と考えて良いような規模と資産を持っているケースも多数ある。
こうした「権利能力なき社団」は、銀行と取引し、不動産を購入・賃借するなどの活動を行う上で非常な不便を強いられているのが実情である。具体的には、権利能力なき社団は、所有する不動産を登記する場合には、代表者個人の名義の登記とするか、または総構成員の共有名義の登記にする必要がある。肩書付の代表者名義の登記は許されない(なお銀行預金については、肩書付の代表者名義の預金が認められている)。
なお、わが国では「特定非営利活動促進法」が98年12月に施行されたことにより、権利能力なき社団にも法人格を取得する道がようやく開かれたが、実際にこの法律により法人格を取得したケースはまだ少数にとどまっている。
その理由は「特定非営利活動促進法」はあくまで公衆のために便益を提供するような団体を対象にしているが、「権利能力なき社団」の圧倒的多数は、同窓会、互助会、町内会などの相互扶助目的の団体であるので、特定非営利活動促進法になじまないためであろうと考えられる。
このような実情を考慮して、法務省はつい最近になって、同窓会、互助会、町内会などに適した法人形態として、「中間法人制度」を創設した。この制度は平成14年4月1日から施行されている。
無限責任中間法人
中間法人法は平成14年4月1日にあらたに施行された法律であり、いわゆる権利能力なき社団に該当するような非営利団体に法人格を付与することを目的とした法律である。無限責任中間法人はこの中間法人法により設立が可能とされている法人である。
無限責任中間法人は、「構成員(社員)に共通する利益を図る」ことを目的とし、構成員(社員)に利益(剰余金)を配当せず、中間法人の債務について構成員(社員)が個人財産で連帯責任を負うという特徴がある。
無限責任中間法人の設立・運営等は次のとおり。
1)設立
無限責任中間法人は、社員になろうとする者2名以上が共同して、運営の規則である定款(ていかん)を作成し、主たる事務所の所在地を管轄する法務局で、設立登記を行なう必要がある。
なお有限責任中間法人では300万円以上の基金の拠出が必要であるが、無限責任中間法人については基金の拠出は必要とされない(その反面、法人の債務について社員が連帯責任を負う)。
2)運営
無限責任中間法人は社員によって構成され、社員が原則として過半数の意思決定により業務を執行する。このため理事・監事は置かれない(ただし業務執行社員および代表社員を定めることができる)。
また無限責任中間法人の社員は個人でなければならない(株式会社や社団法人などの法人が社員となることはできない)。社員の数は2名以上であればよく、上限はない。法人成立後に社員の変更があった場合には、定款を変更しなければならない。
社員は無限責任中間法人が支出した経費を支払う義務を負う。また無限責任中間法人の債務について法人の財産のみでは完済できないときは、社員は連帯してその債務を個人財産で負担しなければならない(中間法人法第97条)。
なお、中間法人は「剰余金の分配を目的としない」ので、毎期発生する利益を社員に配当することはできない。
3)財務
無限有限責任中間法人には貸借対照表、損益計算書の作成が義務付けられている(中間法人法第9条第4項)。ただしこれらの書類を取引先の請求に対して公開する義務はない。
4)税務
無限責任中間法人は、権利能力なき社団・特定非営利活動法人・非営利の社団法人などと類似した機能を営んでいるが、法人税法上は普通の会社と同等の扱いを受ける。
権利能力なき社団・特定非営利活動法人・非営利の社団法人は収益事業にのみ法人税が課税され、それ以外の事業(=公益事業など)については法人税が非課税である(なお非営利の社団法人は収益事業に軽減税率が適用される)。
これに対して、無限責任中間法人はすべての事業について一般の会社と同じ法人税率で課税される。ただし消費税については社団法人と有限責任中間法人は同じ扱いである(中間法人法第156条)。
有限責任中間法人
中間法人法は平成14年4月1日にあらたに施行された法律であり、いわゆる権利能力なき社団に該当するような非営利団体に法人格を付与することを目的とした法律である。有限責任中間法人はこの中間法人法により設立が可能とされている法人である。
有限責任中間法人は、「構成員(社員)に共通する利益を図る」ことを目的とし、構成員(社員)に利益(剰余金)を配当せず、中間法人の債務について構成員(社員)が個人財産で連帯責任を負わないという特徴がある。
有限責任中間法人の設立・運営等は次のとおり。
1)設立
有限責任中間法人を設立するには、社員になろうとする者2名以上が共同して、運営の規則である定款(ていかん)を作成し、定款または社員総会において理事と監事を選任し、社員または社員以外の者が300万円以上の基金を拠出し、金融機関で基金の保管証明を受ける必要がある。
このような手続を経た上で、主たる事務所の所在地を管轄する法務局で、設立登記を行なうことにより有限責任中間法人が成立する。
2)運営
有限責任中間法人は社員によって構成され、運営されるが、実際に業務を執行するのは理事である。理事は社員でなくともよい。
また有限責任中間法人の社員は個人である必要はなく、株式会社や社団法人が社員になることもできる。社員の数は2名以上であればよく、上限はない。法人成立後に社員の変更があれば社員名簿に記載する。
社員は有限責任中間法人が支出した経費を支払う義務を負うが、有限責任中間法人の債務を社員個人の財産で負担する必要はない(ただし社員が別途、個人保証をすることは可能である)。
なお、中間法人は「剰余金の分配を目的としない」ので、毎期発生する利益を社員に配当することはできない。
3)財務情報の開示
有限責任中間法人は、貸借対照表、損益計算書、事業報告書、剰余金処分(損失処理)案、附属明細書の作成が義務付けられており、しかもこれらの書類を5年間保管し、社員や取引先の請求があれば閲覧させなければならない(中間法人法第9条、第59条、第61条)。このように一般の会社と同等の情報開示が必要とされている。
4)税務
有限責任中間法人は、権利能力なき社団・特定非営利活動法人・非営利の社団法人などと類似した機能を営んでいるが、法人税法上は普通の会社と同等の扱いを受ける。
権利能力なき社団・特定非営利活動法人・非営利の社団法人は収益事業にのみ法人税が課税され、それ以外の事業(=公益事業など)については法人税が非課税である(なお非営利の社団法人は収益事業に軽減税率が適用される)。
これに対して、有限責任中間法人はすべての事業について一般の会社と同じ法人税率で課税される。ただし消費税については社団法人と有限責任中間法人は同じ扱いである(中間法人法第156条)。
法人は法律の規定に従って設立される必要がある(民法第33条)が、法律の規定によらないで設立される非営利的な団体のことを「権利能力なき社団」と呼んでいる。
わが国の法制度では、法人は大きく分けて、次の3種に分類できる。
1)社団法人・財団法人(民法上の法人)
2)株式会社などの営利法人(商法等の法律による法人)
3)中小企業協同組合などの特別法にもとづく法人
それゆえ、例えば、同窓生の親睦という目的で法人を設立しようとしても、上記の1から3のいずれにも該当しないので、法人になることができなかったのである。
そのため、わが国には、法人となっていない非営利的な団体が無数に存在しているのが現状であり、こうした団体のことを「権利能力なき社団」と呼んでいるのである。
名前こそ「権利能力なき」となってはいるが、実際には法人と考えて良いような規模と資産を持っているケースも多数ある。
こうした「権利能力なき社団」は、銀行と取引し、不動産を購入・賃借するなどの活動を行う上で非常な不便を強いられているのが実情である。具体的には、権利能力なき社団は、所有する不動産を登記する場合には、代表者個人の名義の登記とするか、または総構成員の共有名義の登記にする必要がある。肩書付の代表者名義の登記は許されない(なお銀行預金については、肩書付の代表者名義の預金が認められている)。
なお、わが国では「特定非営利活動促進法」が98年12月に施行されたことにより、権利能力なき社団にも法人格を取得する道がようやく開かれたが、実際にこの法律により法人格を取得したケースはまだ少数にとどまっている。
その理由は「特定非営利活動促進法」はあくまで公衆のために便益を提供するような団体を対象にしているが、「権利能力なき社団」の圧倒的多数は、同窓会、互助会、町内会などの相互扶助目的の団体であるので、特定非営利活動促進法になじまないためであろうと考えられる。
このような実情を考慮して、法務省はつい最近になって、同窓会、互助会、町内会などに適した法人形態として、「中間法人制度」を創設した。この制度は平成14年4月1日から施行されている。