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最終更新日:2017/12/8

一般建築物

いっぱんけんちくぶつ

建築基準法において、特殊建築物と、大規模建築物とのどちらにも該当しない建築物のこと。

-- 本文のリンク用語の解説 --

建築基準法

国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。

遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。

その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。

特殊建築物

建築基準法において、一般の建築物よりも強い制限を課す建築物。「学校(専修学校及び各種学校を含む)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物」とされている。 特殊建築物に課す制限は、防火、衛生などの必要に応じて、その用途、床面積、階数などを特定して適用され、一律ではない。適用される制限の内容に即して、対象となる建築物や建築部分を確認する必要がある。 なお、耐火建築物等としなければならない特殊建築物の用途は、次のように分類されている。 (1)劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場 (2)病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等(幼保連携型認定こども園を含む) (3)学校、体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場 (4)百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積が10平方メートル以内のものを除く) (5)倉庫 (6)自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ

大規模建築物

建築基準法第6条第1項第2号と3号に定める一定の大規模な建築物のことを「大規模建築物」と呼んでいる。 具体的には次の2種類がある。

1.木造の建築物で次の要件のどれか一つを満たすもの
1)高さが13mを超える
2)軒高が9mを超える
3)階数が3以上
4)延べ面積が500平方メートルを超える

2.木造以外の建築物で次の要件のどれか一つを満たすもの
1)階数が2以上
2)延べ面積が200平方メートルを超える

例えば鉄骨造の2階建ての建築物であっても、建築基準法の上では「大規模建築物」となるので、注意が必要である。

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。

これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備

上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
-- 関連用語 --
建築確認

一定の建築物を建築(増改築を含む)しようとするときに、工事の着手前に、建築計画が法令で定められた建築基準(建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準)に適合している旨の確認を受けなければならないとする制度、または当該確認行為をいう。 確認を申請する義務があるのは建築主で、確認を行なうのは建築主事等である。

建築主は、建築確認を受けた場合には確認済証の交付を受ける他、工事を完了したときには検査を受けること、一定の場合には工事の中間検査を受けることなどの義務を負う。また、建築基準に違反した建築物については、建築主、建築工事の請負人等に対して、工事施工の停止や違反を是正するための措置を命じることができる。ただし、特別な場合を除いて、従前から存在する基準に違反の建築物(既存不適格建築物)については、増改築をしない限りはそのまま使用できる。

建築確認制度において重要なのは、建築確認を受けなければならない建築物の建築工事に当たっては、その設計は建築士が当たらなければならず、また建築士である工事監理者を置かなければならないとされていることである。この条件を満たさない建築確認申請は受理されない。つまり、建築基準を確保する仕組みは、建築確認制度と建築士制度とが一体となって初めて実効あるものとなるのである。

なお、建築基準は、都市計画区域および準都市計画区域内の建築物に対してはより厳しい基準が適用されるなど、建物の敷地場所、規模、構造、用途等に応じて詳細に定められているため、その内容については注意深く確認する必要がある。