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最終更新日:2020/5/14

立体換地

りったいかんち

土地区画整理事業換地において、従前の土地または借地権に替えて、施行者の処分する権限のある建築物の一部およびその敷地共有持分を与えること。土地区画整理法に基づくしくみである。

立体換地は、土地と建物とを一体的に整備する手法の一つで、これを活用することによって、地権者のさまざまな土地利用ニーズに応え、空地等の集約化や街区の再編等を図ることができると考えられている。

-- 本文のリンク用語の解説 --

土地区画整理事業

市街地を面的に整備するために、土地の区画形質の変更や公共施設の整備を行なう事業の一つで、土地区画整理法に従って実施されるものをいう。

この事業の実施によって、例えば、不整形な土地や袋地が解消され、道路や公園が整備されることとなる。

土地区画整理事業の特徴は、 1.権利変換による土地の交換・分合(換地)という手法を採用すること
2.新たに必要となる公共用地を土地所有者が平等に提供するという仕組み(減歩)によって生み出すこと である。 また、事業によって宅地の評価が増価するが、その一部を事業に充てるという受益者負担の考え方が取り入れられていることも大きな特徴である。

日本においては、農地から市街地への土地利用の計画的な転換、大震災後の市街地復興、街路網の整備などの手法として多用されてきた。

換地

土地区画整理事業によって行なう土地の所有権の変更をいう。

土地区画整理事業においては、土地の区画についてその位置等を変更する必要があるが、そのために行なわれる、区画を変更する前の宅地(従前の宅地)から区画を変更した後の宅地(新しい宅地)への土地の所有権の変更手続が「換地」である。

宅地所有者から見れば、いったん従来の宅地を失い、それと同時に新しい宅地を与えられるということである。また、こうして宅地所有者に与えられる新しい宅地そのものを「換地」と呼ぶこともある。

借地権

借地権とは次の2つの権利のどちらかのことである(借地借家法第2条)。 1.建物を所有する目的で設定された地上権
2.建物を所有する目的で設定された土地賃借権 従って、資材置場にする目的で設定された土地賃借権は「借地権」ではない。
また、青空駐車場とする目的で設定された土地賃借権も「借地権」ではないことになる。

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。

これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備

上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

敷地

建築物のある土地のことを「敷地」という。 なお、同一の敷地の上に2つの建築物がある場合には、建築基準法では、2つの建築物が用途上分けられないときは、同一敷地にあるものとみなすことになっている(建築基準法施行令1条)。
例えば、ある人の所有地の上に「住宅」と「物置」が別々に建っている場合は、この2つは用途上不可分であるので、別々の敷地上に建てたと主張することはできない、ということである。 ところで、建築基準法では「敷地」が衛生的で安全であるように、次のようなルールを設定しているので注意したい(建築基準法19条)。 1.敷地は、道より高くなければならない(ただし排水や防湿の措置を取れば可)
2.敷地が、湿潤な土地や出水の多い土地であるときは、盛り土や地盤の改良を行なう。
3.敷地には、雨水と汚水を外部に排出する仕組み(下水道など)をしなければならない。
4.崖崩れの被害にあう恐れがあるときは、擁壁(ようへき)の設置などをしなければならない。

共有持分

複数の人が一つの物を共同で所有しているとき、それぞれの人がその物について持っている所有権の割合を「共有持分」という。 例えば、相続が発生して、3人の子が1つの土地を相続したとき、遺産分割をする前の時点では、各相続人のその土地に関する共有持分は「3分の1」である。

土地区画整理法

土地区画整理事業を実施するために必要な事項を定めた法律で、1954(昭和29)年に制定された。この法律制定以前は、土地区画整理事業は、旧都市計画法または特別都市計画法の規定によって実施されていた(「土地区画整理事業」についての詳細は、当該用語を参照)。

土地区画整理法には、 1.個人施行者、土地区画整理組合など事業施行者の要件等
2.事業計画
3.事業に伴う権利制限、損失補償等
4.換地処分その他の権利調整等の手続き などが規定されている。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。 具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

街区

市街地を構成する単位で、街路などによって区画され共通の空間特性を帯びる一団の区域をいう。都市計画、景観計画、市街地再開発計画などにおいて空間の特性等を把握する上での基本単位とされることが多い。

不動産評価や不動産開発においても、個別の土地や建物だけでなく、周辺の空間特性、社会的環境などを十分に把握・評価することが重要であるが、街区はその際の基本的な単位となる。

なお、住居表示において街区方式を採用する場合には、街区は「市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によって区画した場合におけるその区画された地域」(住居表示に関する法律)と定義され、たとえば◯◯町A丁目B番C号とするときのB番が街区符号である。また、街区符号で示されたほとんどの区域については、その位置座標がデータベース(街区レベル位置参照情報)で提供され、GISで空間的な分析ができるようになっている。ただし、街区符号で示された区域と現実の街区とが一致するとは限らない。