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最終更新日:2020/5/13

不動産適正取引推進機構

ふどうさんてきせいとりひきすいしんきこう

不動産の取引をめぐる紛争の防止を図り、特定の紛争を処理することなどを目的に1984(昭和59)年に設立された財団法人(現在は一般財団法人)。紛争事例の収集・分析、特定紛争の処理等のほか、宅地建物取引士資格試験を実施する機関でもある。

特定紛争処理とは、不動産の取引をめぐる苦情・紛争のうち、都道府県や事業者団体等の窓口(第一次処理機関)において解決のつかない紛争で、宅地建物取引業者が関与するトラブルについて、専門の紛争処理委員が公平かつ迅速な解決を図る仕組みである。
特定紛争処理は第一次処理機関の申請によって開始されるが、申請にあたっては紛争当事者の同意が必要である。紛争処理は当事者の主張の聴取、証人の証言、鑑定などを経て行なわれ、調整案が提示されるが、和解が成立する場合のほか、仲裁に移行する場合、不調で調整を打ち切る場合がある。

なお、特定紛争処理のように裁判所の外で行なわれる紛争処理を、裁判外紛争処理(ADR、Alternative Dispute Resolution)といい、迅速で低コストな紛争処理方法としてその活用が広がっているが、不動産適正取引推進機構の行なう特定紛争処理は、早い時期に開始されたADRの一つである。

-- 本文のリンク用語の解説 --

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

宅地建物取引士資格試験

宅地建物取引業法第16条第1項にもとづき、都道府県知事が実施する資格試験。宅地建物取引業に関して必要な知識について行なわれる試験である。

年齢、学歴、宅地建物取引業に関する実務経験などによる受験資格の制限は一切ないので、誰でも受験することができる(ただし試験を受けようとする都道府県内に居住していることが条件となっている場合が多い)。

なお、一定の実務経験を有し、登録講習機関が実施する講習(登録講習)を受けた者については、試験の一部を免除する制度が設けられている(宅地建物取引業法第16条第3項)。

宅地建物取引業者

宅地建物取引業者とは、宅地建物取引業免許を受けて、宅地建物取引業を営む者のことである(宅地建物取引業法第2条第3号)。 宅地建物取引業者には、法人業者と個人業者がいる。
なお、宅地建物取引業を事実上営んでいる者であっても、宅地建物取引業免許を取得していない場合には、その者は宅地建物取引業者ではない(このような者は一般に「無免許業者」と呼ばれる)。