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最終更新日:2018/4/12

都市計画の決定主体

としけいかくのけっていしゅたい

都市計画を決定するのは、都道府県又は市町村である。
次の都市計画については都道府県が、それ以外の都市計画については市町村が決定することとされている。

1)都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
2)区域区分
3)都市再開発方針等
4)地域地区のうち、都市再生特別地区、重要港湾等に係る臨港地区歴史的風土特別保存地区等、一定の緑地保全地域等、流通業務地区、航空機騒音障害防止地区等
5)二以上の市町村の区域にわたり面積が10ha以上の風致地区、近郊緑地特別保全地区
6)広域の見地から決定すべき都市施設又は根幹的都市施設(国道・都道府県道、都市高速鉄道、流域下水道、産業廃棄物処理施設、一級河川・二級河川、流通業務団地など)
7)市街地開発事業土地区画整理事業市街地再開発事業住宅街区整備事業及び防災街区整備事業については、大規模で国・都道府県施行見込みのものに限る)
8)市街地開発事業等予定区域(一団地の住宅施設の予定区域を除く)

-- 本文のリンク用語の解説 --

都市計画

土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画であって、都市計画の決定手続により定められた計画のこと(都市計画法第4条第1号)。
具体的には都市計画とは次の1.から11.のことである。

1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2)
2.都市再開発方針等(同法第7条の2)
3.区域区分(同法第7条)
4.地域地区(同法第8条)
5.促進区域(同法第10条の2)
6.遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3)
7.被災市街地復興推進地域(同法第10条の4)
8.都市施設(同法第11条)
9.市街地開発事業(同法第12条)
10.市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2)
11.地区計画等(同法第12条の4) 注:
・上記1.から11.の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8.の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。
・上記4.の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。
・上記1.から11.の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。

都市計画区域の整備、開発及び保全の方針

都市計画区域に関して都道府県が定める基本的な方針のこと。
都道府県は、都市計画区域に関して必ずこの方針を定める(都市計画法第6条の2)こととされているので、区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)においてもこの方針を定める必要がある。

この方針には、次の内容が定められる(都市計画法第6条の2第2項)。 1.都市計画の目標
2.区域区分の決定の有無(区域区分を定めるときはその方針)
3.主要な都市計画の決定の方針

都市計画区域の中で、都市計画決定を行なう際には、必ずこの方針に即して都市計画を決定しなければならない(都市計画法第6条の2第3項)(詳しくは都市計画の決定手続へ)。
なお、この方針を決定する主体は都道府県である(都市計画法第15条第1項第1号)。

区域区分

都市計画によって、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することをいう。

区域区分は、 1.都道府県が、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があると認めるとき
2.都市計画区域が、指定都市の区域、首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域の全部または一部を含む場合 に定められる。

なお、区域区分が定められていない都市計画区域を「非線引き区域」と呼ぶことがある。

都市再開発方針等

都市再開発法等の規定に基づき、都道府県が定める方針のこと。

具体的には、次の1.から4.の方針を「都市再開発方針等」と総称している(都市計画法第7条の2第1項)。 1.都市再開発法による「都市再開発の方針」
2.大都市地域における住宅および住宅地の供給の促進に関する特別措置法による「住宅市街地の開発整備の方針」
3.地方拠点都市地域の整備および産業業務施設の再配置の促進に関する法律による「拠点業務市街地の開発整備の方針」
4.密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による「防災街区整備方針」

都市再開発方針等は、すべての都市計画区域で定めるものではなく、都道府県が市街化区域内において、必要に応じて定めるとされている(都市計画法第13条第1項第3号、同法第15条第1項第3号)。
なお、都市計画区域のなかで、都市計画決定を行なう際には、この都市再開発方針等に即したものとしなければならない(都市計画法第7条の2第2項)(詳しくは都市計画の決定手続へ)。

都市再生特別地区

都市計画において、用途地域等の規制の適用を除外して自由度の高い計画を定めることのできる制度、またはこの制度によって指定された区域をいう。

この制度は、都市再生を図るための措置の一つで、その対象となるのは、都市再生緊急整備地域(都市再生のために緊急・重点的に市街地の整備を推進すべき地域、政令で定める)の中で、都市の再生に貢献し、高度利用のための建築を誘導する必要がある区域として、都市計画で指定された区域である。

都市再生特別地区においては、
1.誘導すべき用途(用途規制の特例が必要な場合のみ)、容積率の最高限度(400%以上)および最低限度、建ぺい率の最高限度、壁面の位置の制限等を定める一方、
2.都市計画による用途制限、容積率制限、斜線制限、高度地区による高さ制限、日影規制について適用を除外することとされている。

臨港地区

港湾機能を確保するために都市計画で定められる地区。地域地区の一つで、地区内で建築等の行為が制限される。「港湾法」に基づく制度である。

港湾地区は、港湾管理のために、港湾水域と一体的に利用する必要のある背後の陸域を対象に指定される。

港湾区域は、利用目的に応じて分区(商港区、工業港区、マリーナ港区など)が指定され、分区内では、条例によって、分区の目的を著しく阻害する建築物等の新増築および用途変更が禁止される。この場合、都市計画で定められた容積率、建ぺい率の規制は適用される一方、用途地域および特別用途地区の規制は適用されない。

なお、都市計画区域以外の地域においては、港湾管理者が臨港地区を定めることができるとされている。

歴史的風土特別保存地区

古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(1966(昭和41)年制定)により、古都の歴史的風土を保存するために指定される区域を「歴史的風土保存区域」という。 歴史的風土保存区域中の重要な地域は「都市計画」によって「歴史的風土特別保存地区」とすることができる(同法第6条)。
「都市計画」によって「歴史的風土特別保存地区」が決定されたときは、その旨を表示する標識が設置又はその他の適切な方法により特別保存地区である旨が明示されることとなっている(同法第6条第2項)。

「歴史的風土特別保存地区」において、建築物の建築、工作物の建築、 宅地造成、土地開墾、土地の形質変更、土石採取、木竹の伐採を行なうには、知事または指定都市の市長による「許可」が必要とされている(同法第8条)。

また「歴史的風土特別保存地区」においては、屋外広告物の表示・掲出、建築物・工作物の色彩変更についても知事または指定都市の市長の許可が必要とされており、景観や伝統建築物が厳しく保護されていることに特徴がある(同法第8条)。 なお、上記の許可を得ることができないために、損失を受けた者がある場合には、府県は通常生ずるべき損失を補償する必要がある。ただし、他の法律(建築基準法など)でも不許可処分であるときや、社会通念上都市計画の趣旨に著しく反するときは、損失補償を受けることができない(同法第9条)。

また、上記の許可を得ることができないため、土地の利用に著しい支障をきたす場合に、買い入れの申し出があったときは、府県は、当該土地を時価で買い入れる必要がある(同法第11条)。

緑地保全地域

都市計画によって定められる地域地区の一つで、無秩序な市街地化の防止や生活環境の確保などのために保全する必要のある相当規模の緑地の区域をいう。

緑地保全地域における規制などについては、都市緑地法に規定されている。

緑地保全区域については、その区域内の緑地の保全に関して、行為規制等の基準、保全のための施設の整備などを内容とする緑地保全計画が定められる。また、区域内で、建築物等の新・改築、土地の形質の変更、木竹の伐採、水面埋立などをする場合には、あらかじめ都道府県知事に届ける必要があり、知事は緑地保全計画に定められた基準に従って届出のあった行為について禁止、制限などを命ずることができるとされている。

流通業務地区

流通機能の向上のために都市計画で定められる地区。地域地区の一つで、地区内における建築行為等が制限される。「流通業務市街地の整備に関する法律」に基づく制度である。

流通業務地区は、流通業務市街地を整備する必要があるとして都道府県知事が定める都市の区域のうち、交通施設の整備の状況に照らして流通業務市街地として整備することが適当であると認められる区域を対象に、指定される。

流通業務地区内では、貨物の積卸しのための施設、荷さばき場、運送業等の用に供する事務所など一定の施設以外の新増築や用途変更が禁止される。ただし、機能を害する恐れがないとして許可される場合がある。また、流通業務地区内の建築物については、用途地域および特別用途地区の規制は適用されない。

都市施設

都市施設とは、道路、公園、上下水道など都市において必要となる公共的な施設のことである。

1.都市施設の種類
都市計画法では、都市施設として、次の11種類の施設を定めている(都市計画法第11条1項)。
1)道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
2)公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
3)水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設または処理施設
4)河川、運河その他の水路
5)学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
6)病院、保育所その他の医療施設または社会福祉施設
7)市場、と畜場または火葬場
8)一団地(50戸以上)の住宅施設
9)一団地の官公庁施設
10)流通業務団地
11)電気通信事業用の施設その他(施行令第5条)

2.都市施設を定める基準
都市施設を都市計画で決定する際には、次の基準が設けられている。
1)市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)では、必ず、道路、公園、下水道を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。
2)住居系の用途地域内では、必ず義務教育施設を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。ちなみに住居系の用途地域とは、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域を指す。
3)都市施設は原則として都市計画区域内で定めるが、特に必要があるときは、都市計画区域の外で定めることもできる(都市計画法第11条第1項)。

3.都市施設を定める主体
都市施設を都市計画として決定する主体は、原則として「市町村」である。ただし、広域的見地から決定すべき都市施設、根幹的都市施設については「都道府県」が決定主体となる。
具体的には、国道、都道府県道、4車線以上の道路、流域下水道、産業廃棄物処理施設等は「都道府県」が決定する(都市計画法第15条第1項第5号、同施行令第9条第2項)。

4.建築の制限
都市計画として決定された都市施設(これを「都市計画施設」という)の区域では、都市施設を実際に整備する事業が進行するので、その整備の事業の妨げになるような建物の建築は厳しく制限される(詳しくは都市計画施設の区域内の制限へ)。

5.施行予定者を定めるとき
「一団地の住宅施設(ただし面積が20ha以上のものに限る)」、「一団地の官公庁施設」、「流通業務団地」については、都市施設に関する都市計画で「施行予定者」を定めることが可能である(都市計画法第11条第5項)。
都市施設に「施行予定者」を定めた場合には、原則として2年以内に都市計画事業の認可を申請しなければならない(都市計画法第60条の2)。
また、いったん施行予定者を定めた以上は、施行予定者を定めないものへと計画を変更することは許されない(都市計画法第11条第6項)。

市街地開発事業

市街地を開発または整備する事業のこと。

具体的には、都市計画法第12条に掲げられた次の6種類の事業を「市街地開発事業」と呼ぶ。 1.都市再開発法 による「市街地再開発事業」
2.大都市地域における住宅および住宅地の供給の促進に関する特別措置法による「住宅街区整備事業」
3.土地区画整理法による「土地区画整理事業」
4.新住宅市街地開発法による「新住宅市街地開発事業」
5.首都圏の近郊整備地帯および都市開発区域の整備に関する法律による「工業団地造成事業」または近畿圏の近郊整備区域および都市開発区域の整備及び開発に関する法律による「工業団地造成事業」
6.新都市基盤整備法 による「新都市基盤整備事業」

1)市街地開発事業の決定主体
市街地開発事業は、市街地を開発・整備する事業であり、原則として都道府県知事が主体となって都市計画として決定する(ただし比較的小規模な「市街地再開発事業」「住宅街区整備事業」「土地区画整理事業」については市町村が決定する(都市計画法施行令第10条)。

2)市街地開発事業を定めることができる土地
市街地開発事業は、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)においてのみ定めることができる(都市計画法第13条第1項第13号)。

3)建築等の制限
市街地開発事業が都市計画として決定されると、その市街地開発事業が実行される土地(これを「市街地開発事業の施行区域」という)では、その事業の妨げになるような建築物の建築等が厳しく制限される(詳しくは市街地開発事業の施行区域内の制限へ)。

4)施行予定者を定めたとき
上記4.5.6.の市街地開発事業については、都市計画で「施行予定者」を定めることが可能である(都市計画法第12条第5項)。
「施行予定者」を定めた場合には、原則として2年以内に都市計画事業の認可を申請しなければならない(都市計画法第60条の2)。
また、いったん施行予定者を定めた以上は、施行予定者を定めないものへと計画を変更することは許されない(都市計画法第12条第6項)。

土地区画整理事業

市街地を面的に整備するために、土地の区画形質の変更や公共施設の整備を行なう事業の一つで、土地区画整理法に従って実施されるものをいう。

この事業の実施によって、例えば、不整形な土地や袋地が解消され、道路や公園が整備されることとなる。

土地区画整理事業の特徴は、 1.権利変換による土地の交換・分合(換地)という手法を採用すること
2.新たに必要となる公共用地を土地所有者が平等に提供するという仕組み(減歩)によって生み出すこと である。 また、事業によって宅地の評価が増価するが、その一部を事業に充てるという受益者負担の考え方が取り入れられていることも大きな特徴である。

日本においては、農地から市街地への土地利用の計画的な転換、大震災後の市街地復興、街路網の整備などの手法として多用されてきた。

市街地再開発事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、市街地の合理的で高度な利用と都市機能の更新を目的として実施される事業をいう。

既成市街地において、細分化されていた敷地の統合・共同化、共同建築物の建設、公共施設の整備などを行なうことにより、都市空間の高度な利用を実現する役割を担う。

事業の方法は、第一種市街地再開発事業と第二種市街地再開発事業の2つがある。

第一種市街地再開発事業は、従前の権利を、原則として事業により新たに建設された共同建築物に対する相応の権利に変換する方法(権利変換方式)で行なわれる。このようにして与えられた建物に対する権利を「権利床」という。

一方、第二種市街地再開発事業は、第一種市街地再開発事業よりも緊急性が大きいと認められる場合に実施される。施行区域内の土地・建物等を事業施行者がいったんすべて買収し(最終的には収用できる)、買収によって権利を失う者は、希望により、事業によって新たに建設される建物に対する相応の権利を得る方法(管理処分方式)で行なわれる。

いずれの方法によっても、既成市街地における輻輳(ふくそう)したさまざまな権利を建物に対する権利へと変えるという権利調整が必要となる。

また、事業に要する資金は、原則として新たに建設する建物の処分によって賄うことになる。

なお、事業の仕組みは、「都市再開発法」に規定されている。

住宅街区整備事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、大都市地域で住宅や住宅地を供給するために実施される事業をいう。

都市計画で指定された住宅街区整備促進区域内において施行され、土地の区画形質の変更、公共施設の整備、共同住宅の建設などによって住宅の供給を促進する役割を担う。

事業手法の特徴は、従前の権利者に対して、土地区画整理事業と同様に事業によって整備した相応の土地を与える(換地、このとき減歩を伴う)ほか、事業によって建設する共同住宅の相応の持分を与える(権利変換、これにより宅地が立体化される)方法を併用することである。

また、区域内に集合農地地区を整備し、そこへ換地することによって従前の権利者が農業を継続できるようにすることも可能である。

住宅街区整備事業は、土地区画整理事業よりもさらに住宅建設への誘導効果が高いと考えられているが、事業の仕組みはより複雑なものとなるなどの理由により、実際の施行例は数例に留まっている。

なお、事業の仕組みは、「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」に規定されている。

防災街区整備事業

都市計画に定める市街地開発事業の一つで、密集市街地において防災機能を確保することを目的に実施される事業をいう。

都市計画で定められた特定防災街区整備地区内の土地など一定の要件を満たす区域において、耐火性に劣る建築物の除却、防災機能を備えた建築物やオープンスペースの整備などによって、建築基準を満たさない建物が密集した地区の防災機能を高める役割を担う。

事業手法としては、原則として、従前の権利を、事業により新たに建設された防災性能が高い建物(防災施設建築物)に対する相応の権利に変換する方法(権利変換方式)を用い、例外的に、整備後の土地への権利変換を認めることとされている。
従前の権利が輻輳(ふくそう)している場合が多いので、事業推進のためには柔軟な権利変換によって対応する必要があるからである。

なお、事業の仕組みは「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」に規定されている。

市街地開発事業等予定区域

市街地開発事業や都市施設に関する都市計画が将来的に策定されることが予定されている区域のこと。

具体的には、次の6種類の予定区域が法定されている(都市計画法第12条の2)。 1.新住宅市街地開発事業の予定区域
2.工業団地造成事業の予定区域
3.新都市基盤整備事業の予定区域
4.区域の面積が20ha以上の一団地の住宅施設の予定区域
5.一団地の官公庁施設の予定区域
6.流通業務団地の予定区域 1)予定区域の趣旨
市街地開発事業等予定区域とは、3年以内に「市街地開発事業に関する都市計画」または「都市施設に関する都市計画」(以下「本来の都市計画」と呼ぶ)が決定される区域である。
つまり、市街地開発事業等予定区域は、「本来の都市計画」が決定されるまでの暫定的な区域であるということができる。
通常の場合、事業や施設に関する都市計画を決定するまでには詳細な計画策定が必要であるが、その策定期間内に買い占めや、無秩序な開発などの現象が発生する恐れある。そこで、先に「予定区域」を定めることによって、そうした問題を回避することが意図されている。なお、予定区域を定める主体は都道府県である(都市計画法第15条第1項第7号)。

2)予定区域から本来の都市計画への移行
上記1)で述べたように予定区域は、あくまで暫定的な区域であるので、本来の都市計画への移行が法律で義務付けられている。具体的には、予定区域に関する都市計画の告示があった日から3年以内に、市街地開発事業または都市施設に関する都市計画(本来の都市計画)を定めなければならない(都市計画法第12条の2第4項)。
3年以内に本来の都市計画が決定されると、その後2年以内に都市計画事業の認可の申請がされて、いよいよ市街地開発事業や施設の整備事業が実際に施行されることになる(都市計画法第60条の2)。

3)予定区域から本来の都市計画へ移行しなかったとき
もしも3年以内に本来の都市計画が定められないときは、予定区域は効力を失う(都市計画法第12条の2第5項)。
このようにして予定区域が効力を失ったことにより損害を受けた土地所有者等がある場合には、本来の都市計画の決定をすべき者(原則として都道府県)がその損失を補償しなければならない(都市計画法第52条の5第1項)。

4)施行予定者
予定区域では「施行予定者」を必ず定めなければならない(都市計画法第12条の2第3項)。施行予定者とは、市街地開発事業や施設の整備事業を将来的に施行する予定の者であり、国の機関・地方公共団体・そのほかの者から選ばれる(都市計画法第12条の2第3項)。
この予定区域における施行予定者は、上記2)のように「本来の都市計画」が決定される際には、「本来の都市計画」における施行予定者へとそのまま移行する(都市計画法第12条の3)。

5)予定区域内での建築等の制限
上記1)で述べたように、予定区域では開発・買い占めなどを防止する必要があるので、予定区域内では建築物の建築等が厳しく制限される(詳しくは市街地開発事業等予定区域の区域内の制限へ)。

6)市街地開発事業に関する予定区域を定めることができる土地
市街地開発事業に関する予定区域(上記1.2.3.)については、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)においてのみ定めることができる(都市計画法第13条第1項第13号)。