標準駐車場条例
ひょうじゅんちゅうしゃじょうじょうれい
駐車場法(昭和32年法律第106号)に基づき、地方公共団体が定める条例について、その参考となるため国土交通省が示した標準的な条例のモデル。
地方公共団体が設置する駐車場の設置・管理および料金徴収等の方法、駐車場配置適正化区域、駐車場法第20条に基づく駐車施設の附置義務(「駐車設備の附置義務」参照)等について定めている。
地方公共団体
地域における行政を自主的、総合的に実施する役割を担う団体。その組織、運営、財務などについては、憲法の規定に基づき、地方自治法等によって定められている。
普通地方公共団体である都道府県・市町村と、特別地方公共団体である特別区・地方公共団体の組合・財産区の二種類に分類され、いずれも法人である。また、市町村は、地域の事務を一般的に処理する基礎的な地方公共団体である。
地方公共団体は、地方自治の本旨に基づいて組織し、運営しなければならない。この場合、地方自治の本旨とは、「団体自治」(国から独立した地域団体によって自己の事務を自己の機関・責任で処理し、国家から独立して意志を形成すること)および「住民自治」(住民が行政需要を自らの意思・責任によって充足し、意志形成において住民が政治的に参加すること)であるとされている。
駐車場
車両を停め置く場所。原則として道路外に確保する。
その構造によって平面駐車場と立体駐車場に分類できる。
平面駐車場は、地上にそのまま駐車する形のもので、その多くは車両を覆う構造物がない(青空駐車場)。
立体駐車場は、立体的な構造物の中に駐車する形のもので、地下駐車場や屋上駐車場も含まれる。駐車できる車両の高さや幅などに制限がある。
立体駐車場は、さらに自走式と機械式に分けることができる。自走式立体駐車場は、階の間をつなぐ車路を自ら走行して駐車するかたちとなっている。一方、機械式立体駐車場は、無人の車両を機械によって運搬し収納するかたちのものをいう。機械式立体駐車場はさらに、運搬の方法によって、ピット式、昇降横行式、垂直循環式などに分類することができる。
なお、都市計画で定められた駐車場整備地区においては、駐車場整備計画に基づいて路上・路外の駐車場が整備されるほか、商業地域内などにおいて一定規模以上の建築物を新増築する場合には、条例で駐車施設の設置が義務付けられることがある(附置義務駐車場)。
駐車設備の附置義務
駐車場法(昭和32年法律第106号)第20条においては、都市計画に定める駐車場整備地区、商業地域または近隣商業地域内において、延べ面積が2,000平方メートル以上の建築物や劇場、百貨店、事務所など特定の用途で一定規模以上の建築物の新増築をしようとする者に対して、条例でその建築物内または建築物の敷地内に駐車施設を設けなければならない旨を定めることができるとされている。
国土交通省は、駐車施設の附置を義務付ける条例のモデルとして「標準駐車場条例」を示しており、これには、駐車施設を義務付ける場合、対象となる建築物の規模等、駐車可能な台数、それらの算定方法などが定められている。
なお、近年の電子商取引の増加等による共同住宅への配送の増加や物流業界の人手不足に対応するため、共同住宅における荷さばき駐車施設の確保が課題となっている。これに応えるため、国土交通省においては、令和4年より「まちづくりにおける駐車場政策の在り方検討会」において検討を進め、政府の「規制改革実施計画(令和6年6月21日閣議決定)」においても、共同住宅における荷捌きのための駐車施設の附置を義務化するべきとされた。
これらを受け、2025(令和7)年、駐車場法施行令(昭和32年政令第340号)が改正され、同時に「標準駐車場条例」も改正された。これらの措置により、駐車場法上の「特定の用途」に「共同住宅」が追加され、道路交通の輻輳が予想される地域などを含む都市計画域内において、共同住宅に対して、必要に応じて地方公共団体が条例により附置義務の対象とすることができることとなった。
関連用語
駐車場整備地区
自動車交通の混雑解消のために都市計画で定められる地区。地域地区の一つで、地区内で駐車施設の付置が義務づけられる。「駐車場法」に基づく制度である。
駐車場整備地区は、商業地域、準商業地域などのうち、自動車交通が混雑する地域を対象に指定される。
駐車場整備地区内では、条例の定めに従って、延べ面積2,000平方メートル以上の建築物または事務所等の特定用途に供する一定面積以上の建築物の新増築に当たっては、駐車施設を付置しなければならない。また、駐車場整備地区については駐車場整備計画が策定される。
なお、駐車場整備地区以外の地域においても、条例によって、駐車場整備地区内と同様に、駐車施設の付置義務が課せられる場合がある。