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最終更新日:2025/8/28

コージェネレーションシステム(コジェネ)

こーじぇねれーしょんしすてむ(こじぇね)

熱源から電力と熱を生産し供給するシステム。発電の際に発生する熱を活用して効率的なエネルギーの供給・消費を行なうもので、「熱電併給」等とも呼ばれる。

内燃機関(ガス(またはディーゼル)エンジン、ガスタービン)や燃料電池で発電を行ない、その際に発生する熱で冷暖房や給湯を行なう等の方法や、蒸気ボイラーと蒸気タービンで発電を行ない、その蒸気の一部を利用して熱を供給する方法がある。また、ガスタービンを回して発電し、さらにその排熱で蒸気を発生させ、タービンを回して発電する「コンバインドサイクル」と呼ばれる方法もある。

比較的大規模な都市再開発地域全体や、工場、病院、廃棄物処理施設、上下水道処理施設等で導入されている。また、熱の需要場所が近い方が効率の観点で有利であることから、家庭での導入も進み、自動車にも応用されている。燃料電池によりガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて電気と熱を発生させる方法を家庭用燃料電池として商品化したものが「エネファーム」である。

-- 本文のリンク用語の解説 --

燃料電池

電気化学反応によって発電する装置であるが、特に、水素と酸素を化学反応させ、このとき発生する電気エネルギーを取り出すものをいう。

乾電池等と違って、原料として水素と酸素を供給しなければならないが、供給が続く限り発電が持続する。

二酸化炭素が発生しない、エネルギー変換において熱が介在しない(効率を高くできる)、比較的小規模な装置で発電できるなどの特徴があるとされる。また、発電に伴って熱が発生することから、併せてそれを利用することができる。

燃料電池において化学反応を媒介する役割を果たす物質を「電解質」というが、電解質の違いによって燃料電池にはいくつかのタイプがある。
主なものは、次の通りである(分類は、日本ガス協会資料による)。 1.固体高分子形:イオン交換膜を用い、常温〜90度で作動する
2.リン酸形:リン酸を用い、150〜200度で作動する
3.溶融炭酸塩形:溶融した炭酸塩を用い、600〜700度で作動する
4.固体酸化物形:イオン伝導性セラミックス(安定化ジルコニア)を用い、750〜1,000度で作動する

従って、用途に応じて、これらのタイプを選択することができる。

燃料電池は、住宅の電力源の一つとしても活用できると考えられている。

給湯

湯を供給すること。湯をつくる設備がボイラー(給湯器)で、湯が必要な場所は台所、浴室などであるが、給湯は、両者を結びつけることである。

給湯の方法には、一つのボイラーから配管によって必要な場所に供給する方式(集中給湯)と、湯が必要な場所ごとにボイラーを設置する方式(局所給湯)とがある。また、ボイラーの形式には、ガス、電力等の燃料の種類、貯湯タンクの有無などに応じてさまざまなものがある。

エネファーム

都市ガスやLPガスから取り出した水素を空気中の酸素と反応させて発電し、そのときに発生する排熱で湯を沸かす設備。発電と給湯とを同時に行う仕組みで、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」とも言う。エネファームという名前は「エネルギー」と「ファーム(農場)」を合成した統一商品名である。 送電ロスが生じないことや排熱を利用することからエネルギー効率が高い。一方、設置費用は高額である。また、ガスを原料としているため、自然エネルギーによる発電と違い環境負荷が皆無とは言えない。