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最終更新日:2025/8/28

平均日射熱取得率(冷房期)(ηAC値)

へいきんにっしゃねつしゅとくりつ(れいぼうき)(いーたえーしーち)

冷房期における太陽日射の室内への入りやすさの指標。冷房効率のためには、「入りにくい」方が優れているわけであり、値が小さいほど日射が入りにくく、断熱性能が高いということになる(「平均日射熱取得率(暖房期)(ηAH値)」参照)。

単位日射強度当たりの建物内部で取得する熱量の合計を、冷房期間で平均し、外皮面積で除したもの。熱量の合計は、屋根または天井、壁、等の開口部の面積にそれぞれの日射熱取得率や方位係数を乗じたものを合計して算定する。

値が小さいほど日射が入りにくく、遮熱性能が高い。北海道等の寒冷地域等を除いて省エネルギーの地域区分に応じた基準値が定められている。改正建築物省エネ法により、2025年4月以降は、UA値(外皮平均熱貫流率)と並んで、基準値への適合が義務付けられている。

-- 本文のリンク用語の解説 --

平均日射熱取得率(暖房期)(ηAH値)

暖房期における太陽日射の室内への入りやすさの指標。 単位日射強度当たりの建物内部で取得する熱量の合計を、暖房期間で平均し、外皮面積で除したもの。熱量の合計は、屋根または天井、壁、窓等の開口部の面積にそれぞれの日射熱取得率や方位係数を乗じたものを合計して算定する。 冷房期におけるものと逆に、値が大きいほど日射が入りやすく、日射熱の取得性能が高いということになり、冬季における暖房効率が良いということになる(「平均日射熱取得率(冷房期)(ηAC値)」参照)。 冷房期におけるものと違い、基準値が定められておらず、単独では建築物省エネ法による基準値への適合が義務付けられていないが、同法の規定による「一次エネルギー消費量基準」への適合判定の指標であるBEI値の算定に関係する。

屋根

建物の上部に設ける覆い。屋根は、雨露、風雪、寒暑を防ぐために設けられ、建築構造の一部となる。 屋根のかたちには、二つの面が棟で山型に合わさる「切妻屋根」、山型の二面とその両端を斜めに切る二面で構成する「寄棟屋根」、傾斜した四つの面が頂点で合わさる「方形屋根(ほうぎょうやね)」、一つの傾斜面の「片流れ屋根」、水平面の「陸屋根(ろくやね)」、切妻屋根の両端に傾斜面を付加した「入母屋屋根(いりもややね)」などがある。 屋根材としては、粘土瓦、セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)、スレート(化粧スレート、天然スレート)、金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等)が用いられるほか、陸屋根の屋根材には、アスファルト、モルタル、防水シート等の防水材が使用される。また、古民家のなかには茅や藁を用いるものもある。 なお、屋根を仕上げることを「葺く」といい、屋根を「瓦葺」「スレート葺」「茅葺」などに分ける場合もある。

天窓

トップライトともいう。 屋根に設けられる窓のこと。天井からの採光のために作られる。
壁面の窓に比べて、3倍の採光効果があるとされている。
また、天井近くの高い位置に設ける窓も「天窓」と呼ばれることがある。

BEI(省エネルギー性能指標)

非住宅建築物の省エネルギー性能を評価する指標の考え方。Building Energy-efficiency Indexの略。既存建築物への適用、省エネルギー基準との整合性などに配慮され、標準的な評価指標として利用されるべく提案されている。

評価は、設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量、に基づいて行ない、図面が残っていない場合のデフォルト仕様の選択、旧省エネ基準等からの読み替えが可能となっている。

UA値(外皮平均熱貫流率)

断熱性能および冷暖房の効率性を表す指標として、外皮(外壁、屋根、窓等)の熱損失量の合計(外皮熱損失量)を、外皮全体の面積の合計で除したもの。換気による熱損失は考慮しない。「外皮1平方メートルあたりの、外へ逃げる熱の平均値」などと説明される。 単位は「W/平方メートル・K」で表され、室内と外の温度差が1度ある場合(Kの意味)の、1平方メートル当たりの損失熱量(W)のこと。断熱性能が高いほど、UA値は低くなる。 住宅性能表示制度においては、地域ごとにUA値に対応して、該当する断熱等性能等級が定められており、例えば東京ではUA値0.87が、北海道では0.46が等級4に該当すると定められている。 2022(令和4)年のいわゆる「建築物省エネ法改正」により題名も改められた「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」の公布・施行により、25(令和7)年4月からは、省エネ基準適合が義務化され、新築住宅については、断熱等級4が最低基準として必要となった。 さらに30年には現在の断熱等級5相当(東京0.60、北海道0.40)が義務化される方向であり、これはZEH基準に相当する。その上に断熱等級6(東京0.46、北海道0.28)、断熱等級7(東京0.26、北海道0.20)が定められていて、これらは一次エネルギー消費量をそれぞれ30%、40%削減し、HEAT20によるG2、G3と同レベルに相当する。 一戸建て住宅については等級7(地域によっては等級6)、共同住宅等にあっては等級5の場合には、UA値およびηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)を明示することができる。