最終更新日:2025/8/1
用水地役権(引水地役権)
ようすいちえきけん いんすいちえきけん他人の土地から水を引く権利。
継続的に水が利用され、そのための施設設備の管理を要役地の所有者等が行なっている等の利用の外形が存在すれば、用水地役権の成立が認められる可能性がある(「継続地役権」参照)。
民法は用水地役権について特別の規定を置いており、水が需要に比して不足するときは、まず生活用に供し、その残余をほかの用途に供するものとする(民法第285条)としている。水が元来自然のものであり、人間の生活に必要不可欠であるので、水の利用は一定の公的な性格を有し、集落における水源の共同利用が行なわれてきた歴史的経緯もあることから、私権の調整の域を超え、生活に必要不可欠な水については、私的利益を超えて優先的に確保し、残余について他の用途を認める旨を定めている。
-- 本文のリンク用語の解説 --
要役地
地役権とは、自分の土地の利便性を高めるために、他人の土地を利用することができるという権利のことである(民法第280条)。
この地役権が設定されている場合において、利便性を高めようとする土地(すなわち自分の土地)のことを要役地という。
例えばAが、自分の所有地から公道に出るために、Bの所有する土地を通行しようとして、Bの所有地の一部について通行地役権を取得し、通行路を作ったとする。
このときAの所有地は、通行路の開設によって利便性を高めているので、Aの所有地は「要役地」である。
この地役権が設定されている場合において、利便性を高めようとする土地(すなわち自分の土地)のことを要役地という。
例えばAが、自分の所有地から公道に出るために、Bの所有する土地を通行しようとして、Bの所有地の一部について通行地役権を取得し、通行路を作ったとする。
このときAの所有地は、通行路の開設によって利便性を高めているので、Aの所有地は「要役地」である。
継続地役権
地役権は、要役地の所有者等と承役地の所有者等が設定契約をし、合意のもとに登記していれば、承役地を買い受けた者等の第三者に対しても効力を有する。しかし、慣習的継続的に承役地が利用され、契約や登記はなされていないが、承役地の所有者等が事実上認諾している一方で、承役地を新たに購入した者や承継人がそのことを知らなかった場合には、問題となる可能性がある。
これについて判例は、設定行為や登記がなくとも、承役地の利用が一定程度継続していることや、そのための施設設備の設置・管理を要役地の所有者等が行なっているなど、外形的に承役地の所有者等が了知し得るまたは認諾していると認められる場合には、地役権の第三者効や時効取得が認められる場合があるとする。こうした場合で、新たに登記をするには、原則として双方の合意が必要であるから、承役地の所有者等が承諾しないときには、地役権が存在する旨または時効取得された旨の判決を得る必要がある。
登記されている地役権は、宅地建物取引業者が、承役地の売買または売買の媒介・代理をする場合に、宅地建物取引業法第35条の重要事項説明の対象となる。ただし、トラブルを防止するためには、宅地建物取引業者は、登記されていなくても、可能な限り情報提供することが望ましいと考えられる。
-- 関連用語 --
地役権
地役権とは、他人の土地を自分の土地の利便性を高めるために利用することができるという権利である(民法第280条)。「通行地役権」などがある。