最終更新日:2021/10/6
天空率
てんくうりつ空が建築物に遮られていない程度を示す指標。建築基準において、建築物の高さを制限するときの基準として用いられる。
建築物の天空率は、次の手順で算定する。
1)地上に測定地点を中心とする半球(半径r)を想定し、その半球面に測定地点から建築物を投影する。
2)投影された建築物の半球上の影をさらに地平面に垂直に投影し、その投影面積を求める(面積Ab)。
3)想定した半球を地平面に垂直に投影した面積をAsとする(πr2乗となる)。
4)測定地点の天空率は、(As−Ab)/As である。
計画する建築物の天空率が、高さ制限(道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限)に適合する建築物の天空率よりも大きければ、その高さ制限は、計画する建築物に対しては適用されない。
-- 本文のリンク用語の解説 --
建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
高さ制限
建物の高さの限度をいう。
いくつかの種類があるが、大きくは、建物全体の高さの制限と、相隣関係などによる斜めの線による制限(斜線制限)に分かれる。
建物全体の高さの制限には、都市計画で定められた、1.低層住居専用地域における高さの限度、2.高度地区における高さの最高限度または最低限度がある。
斜線制限には、1.道路高さ制限、2.隣地高さ制限、3.北側高さ制限、4.日影規制がある。詳しくは「斜線制限」参照。
その適用の有無や具体的な数値などは、用途地域等に応じて異なるため、個々の都市計画等に照らして確認しなければならない。
建物全体の高さの制限には、都市計画で定められた、1.低層住居専用地域における高さの限度、2.高度地区における高さの最高限度または最低限度がある。
斜線制限には、1.道路高さ制限、2.隣地高さ制限、3.北側高さ制限、4.日影規制がある。詳しくは「斜線制限」参照。
その適用の有無や具体的な数値などは、用途地域等に応じて異なるため、個々の都市計画等に照らして確認しなければならない。
道路斜線制限
道路高さ制限のこと。
建築基準法によれば、建物の各部分の高さは、その部分から前面道路までの距離が長いほど高くすることができる。これを道路高さ制限と呼んでいる(建築基準法第56条)。
中層以上の建築物で道路に面した壁の一部が、垂直でなく、斜面になっていることがあるのは、道路高さ制限を守るために、そのような形に設計したものである。
道路高さ制限の具体的な内容は、建築基準法56条と建築基準法別表第3で細かく規定されている。概要は次の通りである。 1.建物の各部分の高さの限度は、「前面道路の幅」と「その部分から道路までの距離」との合計の1.25倍または1.5倍である(住居系の用途地域(7種類)では1.25倍、それ以外の用途地域では1.5倍である)。 2.上記1.の建物の各部分の高さの限度は、前面道路とその向かいの敷地との境界線から一定の距離以上離れた建物の部分には適用されない。この道路高さ制限の適用を免除される距離は、建築基準法56条と建築基準法別表第3で細かく規程されている。
一例を挙げると、第二種中高層住居専用地域で容積率が150%であるときは、この道路高さ制限の適用を免除される距離は20mと規定されている。従ってこのときは、前面道路と向かいの敷地との境界線から20m以上離れた地点では、道路高さ制限は適用されず、建物の高さを自由に高くしてよいということになる。
建築基準法によれば、建物の各部分の高さは、その部分から前面道路までの距離が長いほど高くすることができる。これを道路高さ制限と呼んでいる(建築基準法第56条)。
中層以上の建築物で道路に面した壁の一部が、垂直でなく、斜面になっていることがあるのは、道路高さ制限を守るために、そのような形に設計したものである。
道路高さ制限の具体的な内容は、建築基準法56条と建築基準法別表第3で細かく規定されている。概要は次の通りである。 1.建物の各部分の高さの限度は、「前面道路の幅」と「その部分から道路までの距離」との合計の1.25倍または1.5倍である(住居系の用途地域(7種類)では1.25倍、それ以外の用途地域では1.5倍である)。 2.上記1.の建物の各部分の高さの限度は、前面道路とその向かいの敷地との境界線から一定の距離以上離れた建物の部分には適用されない。この道路高さ制限の適用を免除される距離は、建築基準法56条と建築基準法別表第3で細かく規程されている。
一例を挙げると、第二種中高層住居専用地域で容積率が150%であるときは、この道路高さ制限の適用を免除される距離は20mと規定されている。従ってこのときは、前面道路と向かいの敷地との境界線から20m以上離れた地点では、道路高さ制限は適用されず、建物の高さを自由に高くしてよいということになる。
隣地斜線制限
隣地高さ制限のこと。
「建物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの距離が長いほど高くすることができる」という規制である。
隣地高さ制限が適用されるのは、第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域を除く10種類の用途地域である(第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域には、隣地高さ制限が適用されない代わりに、絶対高さの制限が適用される)。
隣地高さ制限は、建築基準法第56条と同法別表第3で詳しく規定されている。
ただし、隣地高さ制限による高さの限度は、最も厳しい場合でも20mとされている。従って、一般住宅や低層・中層の共同住宅を建築する場合には、隣地高さ制限は実質的に関係がないものと考えてよい。
「建物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの距離が長いほど高くすることができる」という規制である。
隣地高さ制限が適用されるのは、第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域を除く10種類の用途地域である(第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域には、隣地高さ制限が適用されない代わりに、絶対高さの制限が適用される)。
隣地高さ制限は、建築基準法第56条と同法別表第3で詳しく規定されている。
ただし、隣地高さ制限による高さの限度は、最も厳しい場合でも20mとされている。従って、一般住宅や低層・中層の共同住宅を建築する場合には、隣地高さ制限は実質的に関係がないものと考えてよい。
北側斜線制限
次のような高さの規制のことである。
1.自分の敷地の北側に隣の敷地がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの距離が長いほど高くすることができる。 2.自分の敷地の北側に道路がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、北側道路と向かいの敷地との道路境界線からその部分までの距離が長いほど高くすることができる。
北側高さ制限は住居系の4つの用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)に適用される。
北側高さ制限は建築基準法56条と同法別表第3で詳しく規定されているが、その具体的な内容は、次の1)・2)の通りである。 1)第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域の場合
高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+5m
2)第一種中高層住居専用地域および第二種中高層住居専用地域の場合
高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+10m
※自分の敷地の北側に道路がある場合は、上記1)・2)の「隣地境界線」を「北側道路と向かいの敷地との道路境界線」と読み替えること。
1.自分の敷地の北側に隣の敷地がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの距離が長いほど高くすることができる。 2.自分の敷地の北側に道路がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、北側道路と向かいの敷地との道路境界線からその部分までの距離が長いほど高くすることができる。
北側高さ制限は住居系の4つの用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)に適用される。
北側高さ制限は建築基準法56条と同法別表第3で詳しく規定されているが、その具体的な内容は、次の1)・2)の通りである。 1)第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域の場合
高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+5m
2)第一種中高層住居専用地域および第二種中高層住居専用地域の場合
高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+10m
※自分の敷地の北側に道路がある場合は、上記1)・2)の「隣地境界線」を「北側道路と向かいの敷地との道路境界線」と読み替えること。