最終更新日:2017/12/8
消費者庁
しょうひしゃちょう消費者の利益の擁護・増進などを任務とする行政機関で、2009(平成21)年9月に設置された。
消費者庁が担う主な仕事は、食品、家庭用品などの安全、品質等の表示、消費者からの苦情処理、個人情報保護などである。宅地建物取引業による重要事項説明の一部、住宅の品質確保の促進等に関する法律による日本住宅性能表示基準、不当景品類および不当表示防止法における表示などに関する事務は、消費者庁が(場合に応じて他の省庁と共同で)司ることとされている。
なお、消費者の利益の擁護および増進に関する重要事項等を調査審議・勧告するための行政委員会として、消費者委員会が設置されている。
-- 本文のリンク用語の解説 --
個人情報保護
個人のプライバシー保護のために、個人情報の収集・伝達を制限することをいう。
その背景には、ネットワーク技術によって情報の複製や伝播が容易になり、プライバシーの侵害などが懸念されているという事情がある。
個人情報を保護するための原則は、 1.適法かつ公正な手段による個人データの収集、2.利用目的に必要な範囲内での正確、完全、最新なデータの管理、3.利用目的の明確化、4.明確化された目的以外の使用を制限、5.データの紛失・破壊・修正・開示等のリスクからの保護、6.データの作成・運用方針の一般への公開、7.自己に関する個人データの確認、異議申立ての機会の確保、8.データ管理者の責任負担 であるとされる。
個人情報保護法は、これらの原則を実現するための仕組みとして制定された法律であるが、同法にもとづいて政府が定めたガイドラインが公表されている。不動産業は、個人情報を取り扱う機会が多い産業であるため、情報の保護について特に注意が必要である。
個人情報を保護するための原則は、 1.適法かつ公正な手段による個人データの収集、2.利用目的に必要な範囲内での正確、完全、最新なデータの管理、3.利用目的の明確化、4.明確化された目的以外の使用を制限、5.データの紛失・破壊・修正・開示等のリスクからの保護、6.データの作成・運用方針の一般への公開、7.自己に関する個人データの確認、異議申立ての機会の確保、8.データ管理者の責任負担 であるとされる。
個人情報保護法は、これらの原則を実現するための仕組みとして制定された法律であるが、同法にもとづいて政府が定めたガイドラインが公表されている。不動産業は、個人情報を取り扱う機会が多い産業であるため、情報の保護について特に注意が必要である。
宅地建物取引業
宅地建物取引業とは「宅地建物の取引」を「業として行なう」ことである(法第2条第2号)。
ここで「宅地建物の取引」と「業として行なう」とは具体的には次の意味である。
1.「宅地建物の取引」とは次の1)および2)を指している。
1)宅地建物の売買・交換
2)宅地建物の売買・交換・貸借の媒介・代理
上記1.の1)では「宅地建物の貸借」が除外されている。このため、自ら貸主として賃貸ビル・賃貸マンション・アパート・土地・駐車場を不特定多数の者に反復継続的に貸す行為は、宅地建物取引業から除外されているので、宅地建物取引業の免許を取得する必要がない。
またここでいう「宅地」とは、宅地建物取引業法上の宅地を指す(詳しくは「宅地(宅地建物取引業法における〜)」を参照のこと)。
2.「業として行なう」とは、宅地建物の取引を「社会通念上事業の遂行と見ることができる程度に行なう状態」を指す。具体的な判断基準は宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の「第2条第2号関係」に記載されているが、主な考え方は次のとおりである。
1)取引の対象者
広く一般の者を対象に取引を行なおうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。
2)取引の反復継続性
反復継続的に取引を行なおうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行なおうとするものは事業性が低い。
ここで「宅地建物の取引」と「業として行なう」とは具体的には次の意味である。
1.「宅地建物の取引」とは次の1)および2)を指している。
1)宅地建物の売買・交換
2)宅地建物の売買・交換・貸借の媒介・代理
上記1.の1)では「宅地建物の貸借」が除外されている。このため、自ら貸主として賃貸ビル・賃貸マンション・アパート・土地・駐車場を不特定多数の者に反復継続的に貸す行為は、宅地建物取引業から除外されているので、宅地建物取引業の免許を取得する必要がない。
またここでいう「宅地」とは、宅地建物取引業法上の宅地を指す(詳しくは「宅地(宅地建物取引業法における〜)」を参照のこと)。
2.「業として行なう」とは、宅地建物の取引を「社会通念上事業の遂行と見ることができる程度に行なう状態」を指す。具体的な判断基準は宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の「第2条第2号関係」に記載されているが、主な考え方は次のとおりである。
1)取引の対象者
広く一般の者を対象に取引を行なおうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。
2)取引の反復継続性
反復継続的に取引を行なおうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行なおうとするものは事業性が低い。
重要事項説明
宅地建物の取引において、宅地建物取引業者が取引当事者に対して契約上重要な事項を説明することをいう。
また、その際に、説明の内容を記載して当事者に交付する書面を重要事項説明書という。
重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約を締結するよりも前に行なわなければならない。また、説明に当たるのは宅地建物取引士でなければならず、さらには、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある(相手方の同意を得たうえで電磁的方法で書面を交付し、IT(インターネット等)を用いた説明を行なうこともできる)。
説明を要する事項は、売買か賃貸かなどの取引内容に応じて異なるが、大きく分けて、 1.取引対象不動産の権利関係、2.取引対象不動産に係る法令上の制限、3.取引対象不動産の状態やその見込み、4.契約の条件 に関する事項とされている(詳細は必ず直接に法令(宅地建物取引業法第35条およびその関連法令)に当たって確認されたい。また、臨機に改正も予想されるので留意が必要である)。
重要事項説明は、不動産の特性や取引の形態に起因して取引当事者に不利益が発生することを防ぐための仕組みとされ、その適正な実施が強く求められている。
重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約を締結するよりも前に行なわなければならない。また、説明に当たるのは宅地建物取引士でなければならず、さらには、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある(相手方の同意を得たうえで電磁的方法で書面を交付し、IT(インターネット等)を用いた説明を行なうこともできる)。
説明を要する事項は、売買か賃貸かなどの取引内容に応じて異なるが、大きく分けて、 1.取引対象不動産の権利関係、2.取引対象不動産に係る法令上の制限、3.取引対象不動産の状態やその見込み、4.契約の条件 に関する事項とされている(詳細は必ず直接に法令(宅地建物取引業法第35条およびその関連法令)に当たって確認されたい。また、臨機に改正も予想されるので留意が必要である)。
重要事項説明は、不動産の特性や取引の形態に起因して取引当事者に不利益が発生することを防ぐための仕組みとされ、その適正な実施が強く求められている。
住宅の品質確保の促進等に関する法律
住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人および新築住宅の売主に対して、住宅の一定部位について10年間の瑕疵担保責任を義務付けることにより、住宅の品質確保をめざす法律。「品確法」ともいう。
主な内容は次のとおりである。
1.住宅性能評価書
国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。 住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。
登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない。
住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買主に引き渡す義務を負うことになる。
2.弁護士会による紛争処理 ・住宅紛争処理支援センター
建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる。 紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である。
また、弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターを設置することとされ、「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣により指定されている。住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。
3.10年間の瑕疵担保責任の義務付け等
新築住宅の売買または建設工事における契約不適合責任(瑕疵担保責任)として、次の義務を定めた。
(1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売主・工事請負人は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。
(2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。
この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。
主な内容は次のとおりである。
1.住宅性能評価書
国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。 住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。
登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない。
住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買主に引き渡す義務を負うことになる。
2.弁護士会による紛争処理 ・住宅紛争処理支援センター
建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる。 紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である。
また、弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターを設置することとされ、「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣により指定されている。住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。
3.10年間の瑕疵担保責任の義務付け等
新築住宅の売買または建設工事における契約不適合責任(瑕疵担保責任)として、次の義務を定めた。
(1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売主・工事請負人は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。
(2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。
この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。
日本住宅性能表示基準
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづき、国土交通大臣が定めた住宅性能の表示に関する基準のこと。
(中略)
この日本住宅性能表示基準の内容は次の1.2.のとおりである。 1.新築住宅に関する表示基準日本住宅性能基準では、新築住宅に関する住宅性能評価書に表示すべき事項を下記の10分野(33項目)と定めている(同基準別表第1)。 1)構造の安定に関すること 2)火災時の安全に関すること 3)劣化の軽減に関すること 4)維持管理への配慮に関すること 5)温熱環境・エネルギー消費量に関すること 6)空気環境に関すること 7)光・視環境に関すること 8)音環境に関すること 9)高齢者等への配慮に関すること 10)防犯に関すること (中略) このうち、必須項目は1)、3)、4)、5)の4分野10項目であり、その他については選択項目になり、登録住宅性能評価機関への評価申請の際に、評価を受けるかどうかを自由に選択することができる。 2.既存住宅に関する表示基準 既存住宅に関する住宅性能評価書は「既存住宅の建設住宅性能評価書」である。 既存住宅の場合は、新築住宅を対象とした性能表示事項のうち、劣化事象等による影響を何らかの形で反映でき、技術的に信頼度をもって評価が可能な事項に限定して9分野28項目と、既存住宅のみを対象とした2項目が設定されている。 これらの事項は、事項ごとに選択事項となっており、評価申請の際に事項ごとに希望するかどうか明示する必要がある。
この日本住宅性能表示基準の内容は次の1.2.のとおりである。 1.新築住宅に関する表示基準日本住宅性能基準では、新築住宅に関する住宅性能評価書に表示すべき事項を下記の10分野(33項目)と定めている(同基準別表第1)。 1)構造の安定に関すること 2)火災時の安全に関すること 3)劣化の軽減に関すること 4)維持管理への配慮に関すること 5)温熱環境・エネルギー消費量に関すること 6)空気環境に関すること 7)光・視環境に関すること 8)音環境に関すること 9)高齢者等への配慮に関すること 10)防犯に関すること (中略) このうち、必須項目は1)、3)、4)、5)の4分野10項目であり、その他については選択項目になり、登録住宅性能評価機関への評価申請の際に、評価を受けるかどうかを自由に選択することができる。 2.既存住宅に関する表示基準 既存住宅に関する住宅性能評価書は「既存住宅の建設住宅性能評価書」である。 既存住宅の場合は、新築住宅を対象とした性能表示事項のうち、劣化事象等による影響を何らかの形で反映でき、技術的に信頼度をもって評価が可能な事項に限定して9分野28項目と、既存住宅のみを対象とした2項目が設定されている。 これらの事項は、事項ごとに選択事項となっており、評価申請の際に事項ごとに希望するかどうか明示する必要がある。