格付け機関
かくづけきかん
金融債務の履行能力を評価することを業務とする組織体をいう。
金融債務には、事業会社が発行する債券、国債や地方債、銀行・保険会社等が負う債務などがあるが、格付け機関は、それらが約定どおり支払われるかどうかの蓋然性を評価し、指標化して公表する。その公表される指標が「格付け」である。
債務支払いの蓋然性は、支払い能力や支払い意思、社会経済環境、債務不履行の際に予測される損失など、さまざまなリスク要素によって左右されるため、それらの評価手法や総合化の方法もさまざまである。従って、格付け機関の示す格付けは主観的なものとならざるを得ないし、格付けの結果も格付け機関ごとに異なるのは当然である。
格付け機関の大部分は、通常の会社形態で運営されており、金融商品取引法に基づいて開示制度等において利用される格付け機関として金融庁が指定している組織体(指定格付機関)は、(株)格付投資情報センター、(株)日本格付研究所、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティングズ・サービシズ、フィッチレーティングスリミテッドの5社である(平成20(2008)年1月現在)。
なお、格付け機関が示す格付記号としては、信用リスクが低い順に、Aaa、Aa、A、Baa、Ba等(ムーディーズの場合)、または、AAA、AA、A、BBB、BB等(他の4社の場合)が用いられているが、これらの指標は相対的なものであり、また、その意味は必ずしも各社共通ではない。
債権
人がある人に対して給付を要求することができるという権利を債権という。
債務
人がある人に対して給付を履行しなければならないという義務を債務という。
債務不履行
債権と債務との関係において、債務が履行されない状態のことを「債務不履行」という。
例えば、売買契約において、代金を支払ったにもかかわらず、売り主が物件を引き渡さないとき、売り主は引渡し義務を怠っているのだから、売り主に「債務不履行」があると言うことができる。
このような債務不履行に対しては、法律(民法)により、債権者が債務者に対して損害賠償を請求することが可能とされている(民法第415条)。
ただし債務不履行を理由とする損害賠償を請求するには、次の条件を満たすことが必要である。
1)債務者が債務を履行しないこと(履行不能・履行遅滞・不完全履行の3形態がある)
2)債務者に故意または過失があること
3)債務不履行を正当化するような法律上の理由が存在しないこと
金融商品取引法
有価証券をはじめとする広範な金融商品の取引等について包括的なルールを定めた法律で、証券取引法を全面的に改正するなどにより、平成19(2007)年9月に施行された。
この法律の目的は、金融商品に関する公正な取引、円滑な流通、公正な価格形成等を確保することであり、そのために、(1)企業内容等の開示制度、(2)金融商品取引業者等に対する業務規制、(3)金融取引所の開設・運営についての規制などを規定している。
その特徴は、I)幅広い金融商品の取引業務を投資サービスとして捉え、そのような行為に対して横断的にルールを適用すること、II)投資家の保護と投資市場の自由な発達との均衡を図るため、プロの投資家への法の適用の特例を定めるなど、制度的な工夫がなされていること、III)公正な価格形成などの市場機能に着目して規制に枠組みを構成していることである。
この法律は、不動産を証券化した商品の発行や取引についてだけでなく、不動産の流動化によって生み出されたすべての金融商品の取引等に対しても適用される。ただし、不動産特定共同事業法の対象となる商品については同法の規定が適用されるため、銀行法等が適用される預金等とともに、金融商品取引法の適用対象から除外されている。