地盤沈下
じばんちんか
地盤が圧縮され、沈んでいく現象をいう。単に地盤が低下するだけでなく、沈下量が場所によって異なることによる不同沈下、支持層に支えられた構造物が相対的に高くなる抜け上がりなどの現象を伴うことが多い。
その原因は、主として地下水の過剰な汲み揚げである。時には、埋め立て地や盛り土が荷重により圧縮されて沈下することもある。
建物等の地上構造物の損壊や傾きの発生、地中のガス管等のライフラインの破損、津波や高潮に対する脆弱性の増大などの被害が生じることがある。新築分譲した建物が地盤沈下によって損壊したときには、原因によっては瑕疵担保責任を問われる恐れが大きい。
不同沈下
建物荷重や外力の作用によって、場所によりむらがある沈み方で地盤下に沈下する現象。傾斜や地盤の状況、基礎の形状等が原因となり、地震時に軟化現象等を引き起こすことによって起きる。建築物の構造に障害を引き起こす可能性のある場合は、地盤改良、基礎形状の見直し等有効な対策を講じる必要がある。
盛り土
傾斜のある土地を平らな土地にするために、土砂を盛ること。
宅地造成工事規制区域の中にある宅地において、高さが1メートルを超える崖を生じるような盛り土をする場合には、着手する前に、知事(または政令市・中核市・特例市の市長)の許可を受けることが必要である(宅地造成等規制法第8条)。
瑕疵担保責任
1)売買契約における瑕疵担保責任
特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵(かし)」があったとき、売り主は買い主に対して損害賠償等の責任を負う場合がある。
このように売り主が買い主に対して負うべき損害賠償等の責任を「瑕疵担保責任」と呼んでいる(民法第570条)。
「特定物」とは、取引当事者がその物の個性に着目して取引するような物のことであり、具体的には、美術品、中古車、不動産(土地・新築建物・中古建物)などのことである。
また「隠れたる瑕疵」とは、買い主が取引において一般的に必要とされる程度の注意をしても発見できないような、物の品質・性能に関する「欠陥」のことである。
例えば、中古住宅の売買において、売買契約後に中古住宅に雨漏りが発生し、その原因が売買契約当時に存在した屋根の欠陥であるならば、売り主は買い主に対して「瑕疵担保責任」を負うこととなる。
このような売り主が負うべき「瑕疵担保責任」の具体的な内容は次のとおりである。
a)買い主は売り主に損害賠償を請求することができる(民法第570条)。
b)瑕疵の程度が、売買契約の目的を達成できないほどに重大であるときは、買い主は売買契約を解除できる(民法第570条)。
c)瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法上には特に定めがない。例えば契約書において「中古住宅を買主に引き渡した日から1年間だけ売り主は瑕疵担保責任を負う」と定めることも民法上は可能である。
d)損害賠償請求や契約解除ができる期間は「買い主が瑕疵の存在を知った時から1年以内」に制限されている(これを「権利行使期間」という)。
なお、宅地建物取引業法や住宅品質確保法では、上記c)について特別な規制を設けている。(詳しくは「瑕疵担保責任(宅地建物取引業法における〜)」「売り主の瑕疵担保責任(品確法における〜)」へ)
2)建築請負契約における瑕疵担保責任
特定物の売買契約だけでなく、建築物などの建築請負契約についても、民法では請負人の「瑕疵担保責任」を定めて、注文者を保護している(民法第634条から第640条まで)。
この民法における請負人の「瑕疵担保責任」の具体的内容は次のとおりである。
a)建築請負工事の注文者は、請負人に対して建築物の欠陥についての損害賠償を請求することができる(民法第634条第2項)。
b)建築請負工事の注文者は、請負人に対して建築物の欠陥を補修する工事を行なうよう請求することができる(民法第634条第1項)。
c)瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法第638条により「コンクリート造などの建築物では引き渡しから10年、木造などの建築物では引き渡しから5年」と定められているが、この10年・5年の瑕疵担保責任期間は契約により短縮できる。そのため実際の建築請負契約書では「引き渡しから2年」とされることが多い。
d)損害賠償請求や補修工事の請求ができる期間は「注文者が瑕疵の存在を知った時から1年以内」に制限されている(民法第638条第1項)。
なお住宅品質確保法で、上記c)について特別な規制を設けて、注文者保護を強化している。(詳しくは「請負人の瑕疵担保責任(品確法における〜)」へ)