出口戦略
でぐちせんりゃく
投資において、投資の区切りにおける対応方針をいう。いったん損益を確定し、その結果を受けてどのようにするかということであるが、投資商品の開発の際にそれを明確にしておくこともある。
例えば、不動産の証券化においてSPCの存続期間が終了したとき、対象不動産を売却してしまうか、改めて資金を集めて証券化を継続するかは、いずれも出口戦略である。
不動産の証券化
不動産を流動化するための典型的な手法であり、不動産から価値を切り離したうえで、その価値を細分化し、証券の形で流通させることをいう。
そのしくみは、大まかには3つの段階によって構成される。(1)流動化の対象となる不動産をSPC等や信託受託者が譲渡を受ける。これによって元の資産保有者(オリジネーター)から不動産が切り離され、不動産そのものの価値(収益力・リスク等)が明確になる。(2)SPC等や信託受託者は、不動産から得られるであろう収益(インカムゲインとキャピタルゲイン)を裏づけとして証券(出資口・信託受益権等)を発行する。これによって、不動産の価値が細分化される。(3)証券を流通させる。これによって、不動産が金融商品の形で取引されることになる。
このとき、それぞれの段階でしくみを工夫し、元の不動産の価値を加工して、多様な不動産証券化商品を作り出すことができる。例えば、(1)の段階では、異なる複数の不動産をプールしてリスクを分散すること、(2)の段階では、収益の配分を優先・劣後の関係に構造化してリスクとリターンの異なる証券を発行することなどが行なわれている。また、(3)の段階では、金融市場における不動産証券化商品の特性を明確にして、投資家による適正な判断を可能とするサービスなどが提供されている。さらに通常は、収益性を確保するために、不動産の運用は専門の運用者に委託される。
不動産の証券化において鍵となるのは、不動産からの収益を最適化するような不動産経営能力、および、不動産市場の動向を的確に把握するための市場情報である。しかしながら、その向上・充実を図るための仕組みは、現在、発展途上にある。
SPC
Special Purpose Companyの略。特定の資産を担保にした証券の発行など、限定された目的のために設立された会社をいい、一般に「特定目的会社」と訳されている。
不動産の証券化においては、流動化の対象となる不動産を保有・管理し、それを裏づけに資金を調達する役割を果たす。SPCの中心的な機能は、証券化に際して特別の器(例えば二重課税を回避できる組織)としての役割を果たすことであり、会社と称するが実体のないペーパーカンパニーである。通常、SPCが保有する資産の管理処分などの実際の業務は、一定の条件を満たす実務会社に委託される。
なお、一般的に、不動産の証券化のためのSPCのほか、PFI事業などの責任を限定した特定事業を行なうための会社もSPCといわれる。「資産の流動化に関する法律(資産流動化法)」によって設立される特定目的会社(TMKと略称されることがある)は社団であるが、広い意味でのSPCは、株式会社などの形をとる場合が多い。