添付書類(不動産登記における〜)
てんぷしょるい(ふどうさんとうきにおける〜)
不動産登記を申請する際に、登記申請書に添付して登記所に提出すべきさまざまな書類のこと。
添付書類とは、具体的には次のものである。
1.登記済証
所有権移転登記などの権利の登記を申請する際に必要な書類。登記申請者が真正な権利者であることを証明する書類である(詳しくは登記済証へ)。
2.住民票の写し
所有権移転登記などの権利の登記を申請する際に、権利を取得する者(登記権利者)の住所を証明するために提出する書類。
3.印鑑証明書
所有権移転登記などの権利の登記を申請する際に、権利を譲渡する者(登記義務者)の印鑑が真正であると証明するための書類。印鑑証明書は、作成後3ヵ月以内のものに限る。
4.委任状
司法書士等の有資格者により代理で登記申請する場合には、その有資格者への委任状が必要である。
5.登記原因情報
所有権移転登記などの権利の登記を申請する際に、その登記の原因を証明するために必要な書類。例えば、所有権移転登記における所有権移転の原因となった不動産売買の契約書などを指す。
6.固定資産評価証明書
登記に係る登記印紙代は不動産の固定資産税評価額を基準に決定されるので、評価証明書を添付する。
不動産登記法は全面的に改正され、平成17年3月7日から新たな不動産登記法が施行されている(以下、新不動産登記法という)。この新不動産登記法では、さまざまな制度がオンライン申請に対応できるように改められた。その際に「添付書類」は「添付情報」へ名称変更され、内容も変化している。そのため、上記の解説文は、新不動産登記法の施行後に、未指定庁で書面申請をする場合にのみあてはまる内容となっている。
オンライン庁でオンライン申請または書面申請をする場合には、上記の解説文はあてはまらないので注意していただきたい。
詳しくは「添付情報(不動産登記における〜)」を参照。
登記所
登記事務を担当する機関のこと。
一般名称として「登記所」と呼んでいるが、正式名称は「法務局」、「地方法務局」、「支局」、「出張所」である。
所有権
法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。
物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。
近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。
土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。
移転登記
所有権移転登記のこと。
所有権移転登記とは、不動産の売買取引において、不動産の所有権が売主から買主に移転したことを公示するための登記である。
登記済証
所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記などの権利の登記をしたとき、登記手続きの完了後に、その権利の登記をした者(登記名義人)には、登記申請書の写し(副本)に、登記官が「登記済」と押印したものが返還される。
このように登記名義人となった者に返還される、押印された申請書副本のことを「登記済証」と呼んでいる。
登記済証は、登記名義人が所持する書面であり、その所持人が登記名義人であることを公的に証明する書面である。そのため登記済証は、別名「権利証」と呼ばれている。
ただ、平成17年3月7日から全面的に改正された新たな不動産登記法が施行され(以下、新不動産登記法)、登記済証という制度を順次廃止し、登記識別情報による本人確認を全面的に導入する方向に進んでいる。そのため、オンライン庁でオンライン申請する場合には、登記済証ではなく、登記識別情報を送信しなければならない。
オンライン庁で書面申請(郵送申請を含む)をする場合にも、同じく、登記識別情報を添付情報として添付しなければならない。ただし、新不動産登記法の施行後の初回の書面申請では、まだ申請人は登記識別情報を保有していないのであるから、その場合には登記済証の提出でよいとされている。
また未指定庁では、登記識別情報の制度が未導入であるので、従来どおり、登記済証を添付して、書面申請(郵送申請を含む)をすることになる。
登記権利者
不動産の登記により形式的に利益を受ける者のこと。
売買による所有権移転登記の場合でいえば、移転登記により利益を受けるのは新たな所有権名義人であるので、「登記権利者」は新たな所有権名義人(すなわち買主)である。
また、所有者が住宅ローンを完済したことにより金融機関の抵当権を抹消する登記をする場合(抵当権抹消登記)でいえば、抵当権抹消登記により利益を受けるのは所有者であるので、「登記権利者」は所有者となる。
登記義務者
不動産の登記により形式的に不利益を受ける者のこと。
売買による所有権移転登記の場合でいえば、移転登記により不利益を受けるのは従前の所有権名義人であるので、「登記義務者」は従前の所有権名義人(すなわち売主)である。
また、所有者が住宅ローンを完済したことにより金融機関の抵当権を抹消する登記をする場合(抵当権抹消登記)でいえば、抵当権抹消登記により不利益を受けるのは金融機関であるので、「登記義務者」は金融機関となる。
司法書士
不動産の権利に関する登記の専門家。
不動産登記簿の「甲区」および「乙区」に登記すべき事項について、登記申請者から依頼を受けて登記申請書の作成を行ない、登記申請者の代理人として登記の申請を代理する。
また、会社の設立登記や役員変更の登記などの商業登記についても、不動産登記と同様に申請書を作成し、申請を代理することができる。
そのほかに、本人が行なう訴訟のための訴訟書類の作成援助、契約書の作成と助言も司法書士の業務とされている。また司法書士法の改正により2003年4月1日以降は、簡易裁判所における訴訟手続きの代理、裁判外での和解の代理なども司法書士の業務に加えられることになっている。
不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、固定資産課税台帳に記載された土地・家屋の評価額のことである。
この固定資産税評価額は、毎年度の初めに市町村から送付されてくる固定資産税の「納税通知書」に添付されている「課税資産明細」に記載されている。
また、毎年の一定期間内において所有者等は、固定資産課税台帳を市町村の窓口で縦覧して、固定資産税評価額を確認することができる(詳しくは固定資産課税台帳の縦覧制度へ)。
なお、土地・家屋の固定資産税評価額については3年に1度「評価替え」が実施されており、この評価替えの年度を「基準年度」という。
この固定資産税評価額は、基準年度の評価額が次年度および次々年度にそのまま引き継がれるのが原則である。
ただし、次の1.または2.の事情等があるときは、基準年度以外の年度であっても、土地の固定資産税評価額を変更するものとされている。
1.分筆、合筆、地目の変更により土地の区画・形質が変化したこと
2.著しい地価の下落があったこと
オンライン申請(不動産登記における〜)
不動産登記を、インターネットを利用したオンラインで申請することをいう。
法律上の名称は「電子申請」。不動産登記法の改正(2005年3月施行)によって創設された申請方法である。
従来、不動産登記は、書面(または携帯型のディスク等)でのみ申請できること(書面主義)、権利の登記の申請は当事者または代理人(司法書士)が直接登記所に出頭すること(出頭主義)とされていたが、登記申請者の負担軽減等のためオンラインによる申請が新設されたのである。
オンライン申請では、法務省オンライン申請システムにユーザ登録をしている者(通常は司法書士)が、インターネットで法務省オンライン申請システムへ接続し、申請情報を送信する。この際セキュリティを確保するために、電子署名・電子認証の仕組みを利用し、なりすましやデータ改ざんを防止するようになっている。
不動産登記法では、登記申請は原則としてオンライン申請によるものとされている。法改正後、オンライン申請が可能な登記所(オンライン庁)の整備が進められ、2008年7月14日をもって、すべての法務局(本局・支局・出張所)でオンライン申請が可能となった。
※法務省オンライン申請システムの公式ガイド http://shinsei.moj.go.jp/
未指定庁(不動産登記における〜)
不動産登記のオンライン申請をすることができない登記所のことをいうが、2008年7月14日をもってすべての登記所でオンライン申請が可能になった。
オンライン庁(不動産登記における〜)
不動産登記をオンライン申請できる登記所をいう。
2008年7月14日をもって、すべての法務局(本局・支局・出張所)がオンライン庁となった。
なお、よく似た言葉としてコンピュータ庁がある。コンピュータ庁とは、登記事務をコンピュータで処理する登記所のことである。コンピュータ庁では、従来の紙の登記簿に代わって、磁気ディスクによる登記記録が原則とされる。
添付情報(不動産登記における〜)
不動産登記を申請する際に、申請情報に添付して登記所に提出すべき情報のこと。従来の不動産登記制度における「添付書類」に相当する。
平成17年3月7日から施行された新たな不動産登記法(以下、新不動産登記法という)では、さまざまな用語がオンライン申請に対応できるように改められた。その際に、「添付書類」が「添付情報」へ名称変更されたものである。
新不動産登記法における添付情報は、書面申請(郵送申請を含む)とオンライン申請で異なる。
書面申請の場合、添付情報とは、登記識別情報、住民票の写し、委任状、登記原因証明情報などである。
オンライン申請の場合、すべてデータとしてオンライン送信するので、添付情報とは、登記識別情報、住民基本台帳に関する情報、代理権限情報、電子署名および電子証明書、登記原因証明情報などである。
ちなみに、新不動産登記法の施行後、初めてオンライン庁に登記申請する場合には、登記識別情報はまだ存在しない。そこで、こうした初回の申請に限っては、従来どおり登記済証を添付する必要がある。
また未指定庁で書面申請する場合は、登記識別情報の制度自体が未導入であるので、従来どおり登記済証を添付する必要がある。