区域区分
くいきくぶん
ひとつの都市計画区域を、市街化区域と市街化調整区域とに区分すること。
この「区域区分」は都市計画のひとつであるので、都市計画の決定手続に従って決定される。
また「区域区分」を決定する主体は、都道府県である(詳しくは都市計画の決定主体へ)。
区域区分については次の基準が定められている(都市計画法第7条、施行令第3条)
ア)都道府県は、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要がある時は、「区域区分」を定めることができる(従って区域区分を定めるか否かは原則的に都道府県の裁量である)。
イ)ただし都市計画区域が、「指定都市の区域、首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域」の全部または一部を含む場合には、都道府県はかならず区域区分を定めなければならない。
なお、ある都市計画区域が区域区分されたとき、その都市計画区域は必ず市街化区域と市街化調整区域とに色分けされる。従って、区域区分がされた都市計画区域では、市街化区域にも市街化調整区域にも属していない土地は存在しないことになる。
また、上記イ)のような大都市地域以外については、ある都市計画区域について区域区分をするか否かは上記アの原則のとおり都道府県の裁量であるので、いまだ区域区分がされていない都市計画区域が存在する。このような都市計画区域は「区域区分が定められていない都市計画区域」または「非線引き区域」と呼ばれる。
(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが平成12年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)
都市計画区域
原則として市または町村の中心部を含み、一体的に整備・開発・保全する必要がある区域。
原則として都道府県が指定する。
1)都市計画区域の指定の要件
都市計画区域は次の2種類のケースにおいて指定される(都市計画法第5条第1項、第2項)。
ア)市または一定要件を満たす町村の中心市街地を含み、自然条件、社会的条件等を勘案して一体の都市として総合的に整備開発保全する必要がある場合
イ)新たに住居都市、工業都市その他都市として開発保全する必要がある区域
ア)は、すでに市町村に中心市街地が形成されている場合に、その市町村の中心市街地を含んで一体的に整備・開発・保全すべき区域を「都市計画区域」として指定するものである(※1)。なおア)の「一定要件を満たす町村」については都市計画法施行令第2条で、「原則として町村の人口が1万人以上」などの要件が定められている。
イ)は、新規に住居都市・工業都市などを建設する場合を指している。
(※1)都市計画区域は、必要がある時は市町村の区域をこえて指定することができる(都市計画法第5条第1項後段)。また都市計画区域は2以上の都府県にまたがって指定することもできる。この場合には指定権者が国土交通大臣となる(都市計画法第5条第4項)。
2)都市計画区域の指定の方法
原則として都道府県が指定する(詳しくは都市計画区域の指定へ)。
3)都市計画区域の指定の効果
都市計画区域に指定されると、必要に応じて区域区分が行なわれ(※2)、さまざまな都市計画が決定され、都市施設の整備事業や市街地開発事業が施行される。また開発許可制度が施行されるので、自由な土地造成が制限される。
(※2)区域区分とは、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分することである。ただし区域区分はすべての都市計画区域で行なわれるわけではなく、区域区分がされていない都市計画区域も多数存在する。このような区域区分がされていない都市計画区域は「区域区分が定められていない都市計画区域」と呼ばれる。
4)準都市計画区域について
都市計画区域を指定すべき要件(上記1)のア)またはイ))を満たしていない土地の区域であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、市町村はその土地の区域を「準都市計画区域」に指定することができる。準都市計画区域では、必要に応じて用途地域などを定めることができ、開発許可制度が施行されるので、無秩序な開発を規制することが可能となる(詳しくは準都市計画区域へ)。
市街化区域
都道府県が、都市計画区域の中で定める区域である(都市計画法7条、15条)。
市街化区域に指定されるのは、既に市街地を形成している地域や今後市街化を予定している地域である。
市街化区域の中では、12種類の用途地域が必ず定められており、きめ細かい建築規制が実行されている。
市街化調整区域
都道府県が、都市計画区域の中で定める区域(都市計画法7条、15条)。
市街化調整区域に指定されるのは、多くの場合、農地が広がり、建築物の密度が低い地域である。
市街化調整区域では、少数の例外を除いて住宅等の建築が禁止されている。
都市計画
土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画であって、都市計画の決定手続により定められた計画のこと(都市計画法第4条第1号)。
具体的には都市計画とは次の1から11のことである。
1)都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2)
2)都市再開発方針等(同法第7条の2)
3)区域区分(同法第7条)
4)地域地区(同法第8条)
5)促進区域(同法第10条の2)
6)遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3)
7)被災市街地復興推進地域(同法第10条の4)
8)都市施設(同法第11条)
9)市街地開発事業(同法第12条)
10)市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2)
11)地区計画等(同法第12条の4)
注:
・上記1)から11)の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8)の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。
・上記4)の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。
・上記1)から11)の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。
都市計画の決定手続
都市計画を決定するための手続は、詳細に法定されている。具体的には次のとおり。
1)都市計画の案の作成
都市計画の決定手続の第1段階として、都市計画の案を作成する。この時点で、都市計画の決定主体(都道府県または市町村)は、必要があると認める場合には、住民意見を反映させる措置(例えば公聴会の開催)を実施するものとされている(都市計画法第16条第1項)(※1)
2)都市計画の案に対する意見書提出
都市計画の決定主体は、都市計画の案を2週間、公衆の縦覧に供する(都市計画法第17条第1項)。この2週間の期間内に、住民および利害関係人は意見書を提出できる(都市計画法第17条第2項)。(※2)
3)都道府県の決定手続
都道府県が決定主体であるときは、都道府県は関係市町村の意見を聴き、都道府県都市計画審議会の議決を経て、都市計画を決定する。(※3)
4)市町村の決定手続
市町村が決定主体であるときは、市町村は、市町村都市計画審議会(設置されていないときは都道府県都市計画審議会)の議決を経て、さらに知事と協議し同意を得て、都市計画を決定する。
注:市町村の都市計画は、原則的に知事との協議・同意が必要であるが、次の特例がある。
ア)準都市計画区域における都市計画について:市町村は知事の意見を聴くだけでよい(知事との協議・知事の同意は不要である)(都市計画法第19条第5項)
イ)地区計画等について:市町村は「政令で定める地区施設の配置・規模等」についてのみ知事と協議し知事の同意を得ればよい(都市計画法第19条第3項))。
5)他の計画等との整合性
上記3)または4)で都市計画を決定する際に、その都市計画は、他の計画等との整合性を満たしたものでなければならない。具体的には次のとおり。
ア)都道府県が都市計画を決定する場合
全国総合開発計画・首都圏整備計画などの国土計画、地方計画に関する法律に基づく計画(公害防止計画を含む)、道路河川等に関する国の計画に適合することが必要である(都市計画法第13条第1項本文)
イ)市町村が都市計画を決定する場合
上記ア)に加えて、都道府県の都市計画、市町村の建設に関する基本構想、市町村の都市計画に関する基本方針に適合することが必要である(都市計画法第15条第3項、第18条の2第4項)
6)都市計画の告示
上記3)または4)で決定された都市計画を、都市計画の決定主体が正式に告示することにより、その告示の日から都市計画が効力を生ずる(都市計画法第20条第1項、第3項)。
区域区分が定められていない都市計画区域
市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。
ひとつの都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することを「区域区分」(または「線引き」)と呼ぶが、この「区域区分」がされていない都市計画区域が「区域区分が定められていない都市計画区域」である。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも呼ばれている。(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが平成12年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)
1)趣旨
都市計画法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定しているので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に存在している(詳しくは「区域区分」へ)。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域であるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可の規制も緩やかである。
2)土地利用の規制について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることができるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていない都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれることがある。なおこの「非線引き白地地域」では用途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。
3)都市施設等について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、都市施設のうち少なくとも「道路、公園、下水道」を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。
また市街地開発事業、促進区域を定めることも可能である(都市計画法第13条第1項第13号・第8号)。
4)開発許可について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用される。ただし開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000平方メートル以上」とされている。ちなみに市街化区域では開発許可を受けるべき開発の面積は「1,000平方メートル以上」である。
ただし市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都市計画法施行令第19条)。
また開発許可の基準については、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに都市計画法第33条の基準(技術的基準)だけを満たせば、開発許可が与えられる。つまり区域区分が定められていない都市計画区域に対しては、都市計画法第34条の基準(市街化調整区域の開発許可の基準)は適用されない。